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ななみ(血管肉腫)もりし(急性腎不全)うっちー(肺水腫)うぃる(脳腫瘍?)、せがーる・しおり コーギー姉妹の徒然日記。

うぃる、最期の日までのこと*last*

2019-09-11 | うぃる(コギ♀)

うぃるの最期の日までの事を記しています。

うぃるの状態や変化、カイヌシの心の動きが、

闘病中のワンコや飼い主さんの、

何か、ちいさなヒントにでもなればと思っています。

 

 

 

S先生と打ち合わせの後、帰宅したカイヌシ。

 

リビングに戻ると、呼吸の上がった状態の うぃるが横たわっていた。

コギ父「ずっと寝てたんだけど、今、

車の戻ってきた音を聞いて…おしっこ出た

排泄に手を貸してもらって…

オムツを取り替えてもらって、

呼吸を整えている所だったのだ。

 

汚れていないか、確認して綺麗にして…

いつもの、排泄後のお手入れをしている間にも、

うぃるは排泄の度の神経症状の疲れからか…

また、うとうと…と始める。

 

「うぃる、いつもの病院だよ。」

連れ出す頃には、もう半ば眠りに落ちているような状態に。

4回目の発作で麻痺が残ってからは、

これまでも診察は、こんな感じが多かった。

…とはいえ、

奇跡だ…とさえ感じた。

このタイミングでの排泄…からの眠り。

症状が特に酷くなり始めた昨日からを思えば、この時間帯に、

神経症状が影を潜めてくれている、このタイミングの奇跡

 

横向き寝で…脱力している うぃるを抱え、

車にそのままの横寝姿勢で、乗せる。

 

うぃる自身に「死」を悟られない為に…

これまでの日常を演出するのだから…

コギ父はお留守番。

(一度も付いてきたことはなかったので。)

 

出発…まもなく、偶然というか、何というのか。

エレナ母さまがお散歩で横を通過。

※エレナ母さまは、沢山うぃるの事でも支えてくださった方です。

うぃる、エレナ母さまに撫でてもらって。

もう、半閉じの瞳を大きく開けることも、

頭を上げることも、意思を伝えようともする事も、なかったけれど。

 

病院は、益々、混雑の様相を呈していて、

やっと空き駐車場へ停める。

建物までは距離がある為、カートに横寝のまま乗せて移動。

貼りつくような湿度と高温。刺すような日差し。

「うぃるぅ、タオルの下、保冷剤が敷き詰めてあるんだよ、

日よけも有るし、快適でしょう? …カイヌシは暑いけど。」

明るく、そんな言葉をかけながら、病院建物へ向かう。

ふと、足元に蝉の亡骸が転がっている事に気が付く。

命は皆、生きて…死んでいく。

死んだ先は、無なのだと思う。

共に在る時間こそが全てなのだとも思う。

そして、

死は、どんな死が理想なのだろう?

ぼんやりと思う。

 

比較的、早くに呼んでもらえた。

  

診察台に乗せても、うぃるは瞳を開けることも、

首を上げることも…足先を動かす事も…なく。

「うぃるちゃん、いつもの治療だよ。」

「今日はお背中じゃなくて、お手てに注射するよー。」

S先生の声は届いているのか、いないのか。

舌先だけ、鼻先だけ…すら、動くことはなく。

かすかに聞こえるのは、静かな寝息…だけ。

 

「心拍数が随分落ちていますね。」

…という事は、ここで送らなくても、

じきに…自然に最期の瞬間は訪れるのだと、思う。

これは、これまでの経験から学んだこと。

でも、もし今を生きながらえてしまったら、

その先に在るのは、穏やかな時間では…ない。

それも台風の影響を受ける厳しい時間。

また、神経症状が優位になり始めてしまったら、

再び、あの苦しみと不安に落とすことになる。

 

昨夜、覚悟をしながらも動かなかったのは、

不安と恐怖の中で…送り出したくはなかったから…。

そんな「死」だけは嫌だと、

想像したからではなかったか?

神経症状が優位になれば、その事だけでも恐怖に繋がってしまう。

 

その現実を知っているからこそ、

もう一度、心に問うてみても…

もう、迷う事はなく。

 

 

うぃるは、運ばれた状態のまま、

カイヌシが診察台に乗せた、その状態のまま、

瞳を開けるでもなく、耳すら動かすでもなく。

…口先を動かすでもなく、おひげを動かすでもなく。

静かな寝息を立てながら、

静かに、本当に静かに、

これまでの苦しみが、まるで何もなかったかのように、

羨ましい位に…

何の偽りもない穏やかさに包まれて、

その命の時間を…止め。

 

「いつか大好きな旅に、また一緒に出よう。」

一番最後まで、聴力は残り脳に届く…と聞いたことが有り…。

うぃるが、うぃるで在るうちに、

最期に、うぃるに届けた言葉でした。

 

 

箱に入れていただいて、

真っ白なタオルで包んでくださって、

枕元には、急遽花壇から摘み揃えたであろう

雨に打たれた、小さなお花が添えられてあり。

病院内、混雑しているのに…。

転院間もない うぃるの為に…、

S先生も看護師さんも…皆で並んで送り出してくださり。

そんな、命に対する向き合い方だけみても、

…感謝の言葉しか浮かばず。

 

 

今、思えば。

 

私たちは演じたつもりでも、

うぃるは、全てを解っていたのだ…とも思う。

 

 だからこそ うぃるは、最後の排泄の片づけを、

コギ父にさせたんだな、と感じ…。

元気な時には、コギ父を下に見て(笑)

食べ物が有る時以外は近寄らず、

呼ばれてもシカトを貫いていた うぃる。

その毅然とした態度は、全身で、

「アンタの犬にはならないわよ…」

と、語っていたと、思う。

いや、ワタシがアンタを従わせている…とか思ってたかも…

 弱った自らを晒して…託して、身を委ねて、

命の意味を伝えたかったのかも知れないし、

「別れの時じゃ…

と、言いたかったのかも知れない。

 

道すがら、さりげなくエレナ母さまにも会い、

そっと、別れを告げたかったのかもしれない。

それは「言葉」という形ではなくとも。 

 

最期まで、うぃるは与えられたミッションをこなした。

体調許される限り、お友達に逢い、

食育のJ先生とも、整体のK先生とも逢い、

最後の旅にも出て…、

食べたいものも食べ…、

靭帯断裂からの不具合を起こすことなく、

膵臓、腎臓、アジソン病etc…とも何とか折り合いをつけつつ…。

最後の、神経症状だけは…どうにもできなかったけれど。

  

そして、不思議な位に、

…すべての人間関係を、その本質をも露呈させ…

…出発していった。

良い事も、悪い事も…。

 

 ワタシはもう、居ないんだから。

しっかり生きていけ…と。

 

「Will (うぃる)」という名は、

勇敢な守護者

という意味ですよ。

教えられ、知ったその言葉が今も胸にあり。

守っていた筈なのに、守られていた、

今、そのことを、実感しているのです。

うぃる、女のコなのに…

重い任務を背負わせてしまったね、ごめんね。

  

 

そしてそして。

カイヌシとコギ父が最後に体験した、

不思議なこと…に繋がります。

 

 

何よりも…今、

苦しみのない…眠りであるならと…

願ってやみません。

 

 

 

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