お気楽日記、やりたいことはいろいろあれど。

気まま旅に、気まま読書、やりたいことはいろいろあれどなかなか実現できないでいます。なにか達成したら、記録してみます。

読書感想文 2010.8 その2 「人麻呂の暗号」(藤村由加)

2010-08-30 23:57:07 | 読んでみました、読書感想文
 かけこみで、もう1冊。
 夏はなんだか、○○の百冊、じゃないけれど、ある意味、読書しなくちゃ!みたいな気配もあって。
 蝉の声に追われるように、読んでみました。

 この本は、ほかの作品で引用されていて知ったときから、へー、面白そう、と思って、いずれ読んでみようと思っていたところ、近所の図書館でこれもみかけて、お!っと手にとって見たもの。

 「柿本人麻呂」、日本人ならたぶんだれでも学校で習った人物だけれど、生没年も不詳、この人の正体について、渡来人の系譜から、そしてその作品にこめられた、二重三重にもなった、言葉の綾なす意味からせまるっていう、なんというか、「ダヴィンチコード」とかにも似た、どきどき感。
 へー!そうなんだ!と、納得させられる点もあれば、悲しいかな、こちらが韓国語にも中国語にも精通していないため(日本語だってあやしいか?)、後半途中から、ん?どうなのかな・・、という部分もあって全部が全部理解できるお話というわけではなかった、です。こちらの勉強不足でついていけない・・うーん、これは悲しい。
 でも、あらためて、ご近所のお国の言葉に、もっと親しまなくてはと、思い知ります。分からないより、言葉は絶対に分かったほうが、世界は広がる!と、海外旅行に行くたびに、なんどそう思ったか・・。
 人麻呂の時代よりも、交流手段ははるかに(ネットや飛行機)容易になっているのに、情けない、トホホ。

 本に述べられた仮説について、もろ手を上げて賛同するかしないかは別ですが、この本を読むと、なにげに、普段見ている文字の形が、妙に気になってきたり、あ、自分がしゃべるこの日本語という言語には、もともと文字がなかったんだな、とふしぎな感じがあらためてしたり。
 
 時を越えた、言語の達人たちの言葉遊びの世界(もしかしたら命がけだったかもしれない、「言葉遊び」)に、思いをはせてみたくなる、一冊です。

 (新潮社 1989)


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