kakaaの徒然な日記

日記がわりにときどき、ふと思いついたことをつぶやきます。

サウジアラビアで「長いナイフの夜」が勃発

2017-11-11 23:33:14 | 中東情勢
サウジアラビアで「長いナイフの夜」が勃発


『長いナイフの夜』

1934年ドイツのヒトラーは、必ずしも自分に忠実ではない親友のエルンスト・レームらナチス突撃隊(SA)幹部たちを、ヒムラーの親衛隊(SS)を使って一切の法的手続きを無視して秘密裏に殺害した大粛清事件は、5世紀ウェールズでの宴席での隠し持った長ナイフによる騙し討ちの故事にちなんで『長いナイフの夜』と命名される。

『レバノンのハリリ首相を拉致・拘束したらしいサウジアラビア』

サウジ・イラン対立が波及=レバノンやイエメン混乱深刻化』
2017/11/10 時事通信社
中東の2大国サウジアラビアとイランの対立激化に伴い、両国の影響力が強い小国のレバノン、イエメンで混乱が深刻化している。
サウジの実力者ムハンマド皇太子は王族らの汚職摘発を進めるなど「次期国王」の地盤固めも念頭に、国内外で強硬路線に傾く。「代理戦争」が波及する各国では、干渉を強めるサウジへの不信感が強まっている。
レバノンのハリリ首相は4日、「暗殺される危険がある」と滞在先のサウジから突如辞任を表明した。
サウジと関係が深いハリリ氏だが、昨年12月発足の新内閣では、イランが支援するイスラム教シーア派組織ヒズボラとの融和も模索。レバノン政界ではヒズボラを敵視する、サウジの不興を買い、辞任を迫られた との見方が大勢だ。
レバノン側はハリリ氏の帰国を促しているが、サウジに自由行動を制限されているとの情報もある。
サウジ政府は9日、レバノン在住のサウジ国民に即時出国を促し、渡航自粛も勧告。両国関係の悪化は必至だ。
一方、イエメンでは4日夜、イランを後ろ盾とするシーア派系武装組織フーシ派がサウジの首都リヤドの国際空港に向けて弾道ミサイルを発射した。ムハンマド皇太子は「イランによる直接の軍事侵攻で、戦争行為と見なすことができる」と警告。イランのロウハニ大統領は「イランを敵と見なすのは誤りだ」と反発し、非難の応酬が続く。 
11/10 【カイロ時事】

『たった1週間で、善悪や正誤が180度引っくり返る下剋上』

1週間前の10月4日にはロイターなど世界中のマスメディアが報じた重大ニュースは、『中東レバノンのハリリ首相が、イランと、レバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」を、首相自身に対する暗殺の陰謀を企てるなどアラブ地域で対立を拡大させていると名指しして非難、辞職した。』と言うものだった。
この報道が事実なら、ほぼイランとレバノンのヒズボラはテロ支援国家とテロ組織であることは明らか。イランやヒズボラが絶体絶命の窮地に陥ったかに見えた。
ところが、1週間も経たない短い間に攻守が逆転して、サウジアラビアを訪問していたレバノンの首相(ハリリ)を拘束したサウジが辞任を強要、今も拉致したままであることが発覚したのですから無茶苦茶。これではサウジの方が無法の限りを尽くすテロ国家である。
ロイター通信は10月9日、レバノン政府の複数の高官の話として、『ヒズボラと親しいハリリ首相に、サウジが辞任を迫った』、とか『(サウジの首都の)リヤドでハリリ氏の自由への侵害であり、彼を(レバノンの首都の)ベイルートへ戻すため諸外国に働きかける』と語り、ハリリ首相がサウジアラビアによって軟禁状態にある事実を伝える。
フランスのマクロン大統領は9日、リヤドを訪れサウジのムハンマド皇太子と会談、大統領府は声明で、レバノン情勢も協議したと明らかにしました。
日本のメディアでは通信社以外では、日本共産党機関紙赤旗が10月11日に時事通信やロイターの伝えた驚愕的な事実を伝えている。現在は赤旗以外、他のメディアが報じていないが、テレビや新聞などの大手メディアが報じるのも時間の問題であろう。

『まさにフェイクニュースの見本のようだった4日のロイター記事』

実はロイターなど大手メディアも、一番最初の4日の段階でサウジがレバノンのハリリ首相を拉致して辞任を強要した驚愕的な真実を全部丸々知っていたのである。ところが読者が間違いの迷宮にわざと誘い込む。
4日の大手メディの記事中で、さりげなく抽入した『サウジアラビアに滞在中に、』との一行だけが大切で、それ以外は全部が『猫だまし」と言うか、間違った結論に誘導する『赤いニシン』だったのですから腹が立つ。
★注、
サウジアラビアは2001年の9・11事件の遥かに前から豊富な石油資源をバックにイスラム過激派を支援してアフガニスタンの左翼軍事政権を崩壊させるなど、世界中で暗躍していたが、9・11以後にはアメリカの対テロ戦争の全面協力、2年前の2015年からは隣国イエメンを追放された前大統領を担いで、ほぼ日本の関東軍のように勝てない泥沼の侵略戦争を続けていたが、シリアでのISIS(イスラム国)の崩壊など絶体絶命の窮地に陥っていた。
今回のレバノン首相を軟禁したサウジですが、これは追い詰められた末に真珠湾奇襲攻撃を決行した日本軍の話に類似した暴走である。



『唐突に起きた韓流ブームの怪』朝鮮線半島の王宮で起きた血で血を洗う政争劇が、数百年後のアラビア半島で起きる

嫌韓嫌中のネットウヨが韓流ドラマを流すテレビ局を非難しているが、『ネットウヨだから間違い』は短絡的で、理論がお粗末である分だけ、動物的な直感が働くので案外正しく判断している可能性もある。
日本企業の生産拠点の中国移転で生活出来なくなった日本の嫌韓嫌中(ネットウョ)の若者達の『中国共産党が悪い』も、結論として経済学者より素晴らしい。正しく日本国の病巣を見ている。
日本のメディアの動きが不思議で、小泉訪朝でマスコミ総がかりの北朝鮮バッシングが始まった丁度まったく同じ時期に、NHKなどで韓流ドラマも始まっているが、政治的な動機が考えられる。
世論形成で最大の影響力がある映像メディアが他のニュースを流さず北朝鮮拉致事件しか流さない。『拉致』情報は極僅かなので報道ではなくて『どれだけ北朝鮮が悪いか』を競うが、この状態が何年も続いて日本の国民世論が極端に右傾化して仕舞った。
これは当たり前である。
その結果が北朝鮮だけでなく南朝鮮への反感を養うことになるのも時間の問題である。そこでNHKで韓流ドラマが放送され韓流ブームも当然な成り行きだった。
最も過激な嫌韓嫌中の産経新聞系列のフジテレビが一番多くの韓流ドラマを放送していたが、まったく同じ時期に、一方で北朝鮮バッシングを行い一方では南朝鮮ドラマ連続放映を同時に両方行っていたので、この二つに何らかの関連があると考えた方が正しいだろう。
何が『微笑みの貴公子』ですか。日本ではあんなものは一番気持ちが悪い『薄笑い』ですよ。
頭を打って記憶喪失なんか、少しも珍しくも何とも無い。
今まで実際に何遍も見てきたが、記憶が無くなるほどのダメージを脳に受けていれば自動的に言葉も喋れ無いほどの痴呆状態になるので韓流ドラマの様な恋愛映画なんかになるはずが無い。
実は、親兄弟など親しい王族間での殺し合いを描いた愛憎劇の韓流宮廷ドラマ『イ・サン』を一度見て、嵌って仕舞ったのです。
主人公が絶体絶命の危機に陥るので何ともその続きが気になるのですが、良く考えたらこれ、大昔の駄菓子を売っていた子供相手の紙芝居のやり口そっくりですよ。インチキ臭いのですが、一度見ると止められなくなる。
そして、数百年前に朝鮮線半島の王宮で起きていた深刻な政争劇が、アラビア半島では今起きている真っ最中だった。



1年前の2016年に初来日した初代サウジアラビア国王イブン・サウードの25番目の王子である第七代サウジアラビア国王サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズは専用機から世界で誰も使用していないエスカレータ付のタラップで降りてきて世間をあっと言わせたが、世界一の石油大国であるとともにメッカとメジナと言うイスラム教の聖地の守護者としての君臨する。
サウド王家の家系図の一番上が初代国王イブン・サウード、初代国王の下の列が初代の腹違いの息子たちが持ち回りで歴代の国王や皇太子に任命されていたのである。(色が違うのは死亡者。三段目以下は初代国王の孫)
日本でも天智天皇が異母兄弟の皇太子(大海人皇子)では無くて実子の大友皇子に位を譲ろうとしたことから、壬申の乱が起きて天智天皇の息子(大友皇子)を殺した大海人皇子が天武天皇 となるが、韓流宮廷ドラマ『イ・サン』でも第21代国王の英祖が実の息子(皇太子のサド世子)を謀反の疑いで殺したことから血で血を洗うドロドロの政争が延々と続くことになる。



1年前のサルマン国王初来日時のこの写真には、『天皇陛下が公務で来日中のサウジアラビアのムハンマド副皇太子殿下と御所でご会見されたときの様子です。』との説明があるが、何か変である。今上天皇との会見ですが国王でも皇太子でも無くて、格下の副皇太子殿下だったのである。
このムハンマド副皇太子はサウジアラビア帰国後に宮廷内クーデターを敢行して、初代国王の息子(現国王の腹違いの兄弟)の皇太子を廃嫡して自分が皇太子になるが、高齢の現国王は認知症であるとも言われていて実質的に『サウジアラビア国王』として実験を握り、韓流宮廷ドラマ『イ・サン』以上の血みどろの政争劇が発生した模様である。


(資料)


『サウジアラビアの長いナイフの夜事件裏話』2017年11月10日 (金)マスコミに載らない海外記事

王子、閣僚や億万長者が リヤド・リッツ・カールトン'収監'され、サウジアラビア軍は騒然としていると言われている。

Pepe Escobar
2017年11月7日
Asia Times

サウド家のサルマーン国王は、強力な“反汚職”委員会を設置し、息子のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子、略称MBSを委員長に任命した。

うまいタイミングで、委員会は、11人のサウド家の王子、4人の現閣僚や何十人もの元王子/閣僚を全員汚職のかどで拘留した。高額銀行口座は凍結され、私有ジェット機は地上に釘付けになった。著名な被告人はリヤド・リッツ・カールトンに“収監”された。

アジア・タイムズが7月に予想していた通り、サウド家内部で、戦争が勃発した。何ヶ月も、MBS対する進行中のクーデターにまつわる噂が飛び交っていた。現在起きているのは、そうではなく、MBSによる、もう一つの先制クーデターだ。

不透明なサウド家と何十年も取り引きをしている一流の中東事業/投資情報源が、待ち望んでいた見方を教えてくれた。“これは見かけよりも遙かに深刻だ。アブドゥッラー前国王の二人の息子、ムタイブ王子とトルキー王子を逮捕したのは致命的な失敗だ。これは今や国王自身を危険にさらしている。国王に対する敬意だけが、MBSを守っていたのだ。軍内にはMBSに反対するものが多数おり、彼らは自分たちの司令官の逮捕に激怒している。”

サウジアラビア軍では大騒ぎという表現は控えめだ。“彼は軍隊丸ごと逮捕しないと、安心できないはずだ。”

ムタイブ王子は最近までサウジアラビア王位後継者として重要な競争相手だった。しかし、拘留されたものの中で一番の重要人物は、ツィッター、シティバンク、フォー・シーズンズ、Lyftや、最近まで、ルパート・マードックのニューズ・コーポレーションの主要株主、キングダム・ホールディングスの所有者、億万長者アル-ワリード・ビン・タラル王子だ。

アル-ワリード逮捕は、重要な切り口とつながっている。完全な情報支配だ。サウジアラビアには情報の自由は皆無だ。MBSは既に全ての国内マスコミを支配している(知事任命権とともに)。だが、サウジアラビア・マスコミは野放しだった。MBSの狙いは、“あらゆる巨大メディア帝国の鍵を握り、サウジアラビアに移転させることだ。”

一体どうしてこういうことになったのか?

粛清の背後にある秘密

当時のアブドゥッラー国王“排除”の可能性に関する2014年の秘密討議から話は始まる。しかし“王家を解体すれば、部族の忠誠心を崩壊させ、サウジアラビアが三つにわかれてしまう。石油を確保するのもより困難になるはずで、何であれ壊れた組織は、混乱を避けるために維持しなければならない。”

その代わりに、当時シリアのサラフィー主義聖戦戦士を積極的に育成していたバンダル・ビン・スルターン王子を追放するという結論に達し、治安機関の支配者を、ムハンマド・ビン・ナーイフに変えた。

アブドゥッラー国王からの王位継承は円滑に進んだ。“権力は三つの主要氏族の間で、共有された。サルマーン王(と彼の愛息、ムハンマド王子); ナーイフ王子の息子(別のムハンマド王子)、そして、亡くなった王の息子(国家警備隊司令官のムタイブ王子)。実際は、サルマーン王は、MBSに采配を振るわせた。

そして、実際、大失敗が続いた。サウド家は、シリアでは、政権転覆の取り組みで敗れ、イエメンに対する勝てない戦争は行き詰まっており、MBSは、両国にまたがる砂漠、空虚の地を活用できずにいる。

サウジアラビア財務省は国際市場での借金を余儀なくされた。緊縮政策支配になったが、MBSがコート・ダジュールでのんびりすごしながらほぼ5億ドルのヨットを買ったというニュースが流れては、決して受けは良くない。シーア派指導者ニムル師の斬首が徹底した政治的弾圧の象徴だ。東部州のシーア派のみならず、西部のスンナ派諸州でも、反乱がおきている。

政権の人気が激しく急落すると、MBSは2030年構想を持ち出した。理論的に、これは、石油からの移行だ。アラムコ株の一部売却。新産業の導入の取り組み。不満を鎮めるため、主要な王子たちを忠誠にしておくための王家からの支払いと、手に負えない大衆への未払い賃金の遡及払いか行われた。

ところが、サウジアラビアでは、外国人が生産的な仕事の大半を占めているので、2030年構想は、機能し得ない。新たな雇用をもたらすには、新たな(技能を持った)労働者を一体どこから得るかという問題が生じるのだ。

こうした進展の中、MBSに対する嫌悪感は決して増大が止まることはない。“現在の支配者に反対して、連携している三つの主要王家集団がある。前のアブドゥッラー国王の家族、前のファハド国王の家族と、元皇太子ナーイフの家族。”

バンダルの後釜、ナーイフは、ワシントンと密接で、対テロ活動のおかげで、中央情報局では極めて人気がある。今年早々の彼の逮捕は、MBSが権力闘争に着手したと解釈されて、CIAとサウド家非常に多くの派閥を怒らせた。

情報源によれば、“CIAお気に入りのムハンマド・ビン・ナーイフを逮捕しても、丸くおさめていれば、許されていた可能性があるが、MBSは、シーザーではないくせに、ルビコン川を渡ってしまった。CIAは彼のことを、全く無用と見なしている。”

以前のスデイリー族(MBS無しの)と、シャンマル族(故アブドゥッラー国王の部族)との間の権力共有に回帰して、ある種の安定が得られる可能性がある。情報源は、サルマーン国王逝去後“MBSは王位を奪われ、王位はもう一人のムハンマド王子(ナーイフの息子)にわたる。ムタイブ王子は彼の地位を保持しよう。”と見ている。

MBSは、まさにこの結果を防ぐべく行動したのだ。だが情報源は頑固だ。“近い将来に、政権転覆がおきるはずで、それがまだ起きていない唯一の理由は、老国王が家族の中で好かれているため。エジプトのファルーク国王時代のように、軍で紛争がおきて、アメリカ合州国に友好的でない支配者が出現する可能性があるかも知れない。”

‘穏健派’サラフィー派聖戦主義者はいるだろうか?

粛清前、サウド家は、サウジの政府系投資ファンドと、アラムコ新規株式公開による収入で資金を調達して、風力と太陽光発電で動く、理論的には2025年までに完成する予定だった紅海海岸で、サウジアラビア、ヨルダンとエジプトにまたがる5000億ドルの地域 、一種のドバイの真似を絶えず喧伝していた。

並行して、MBSは、サウジアラビアの将来は“我々が奉じてきたもの、世界とあらゆる宗教に開かれた穏健なイスラム教に単に戻れば良い”だけの話だと言って、苦境から抜け出すもう一つの策を取り出した。

一言で言えばこうだ。たまたま、あらゆる表現や宗教の自由の原則に向かない、王家の私有財産で、あらゆるサラフィー派聖戦主義イデオロギー・マトリックスが揃っている国家が、単にMBSがそう言ったからとて“穏健な”国家に単純に移行できるはずがない。

さしあたり、粛清やクーデターや反クーデターの山が常態になるはずだ。

記事原文のurl:http://www.atimes.com/article/inside-story-saudi-night-long-knives/

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