ったく、こいつぁしょうがねぇなぁ！（笑）

今日書くことは、もしかしたら多くの方を不快にしてしまうかも知れません。

もしそうならゴメンナサイ。

途中で、なんだかムカッとしたら

直ぐにこのブログを閉じてくださいませ。

わたくし葉月の勝手な独り言です。

いつからこんなに『完璧であること』を求める世の中になったのだろうか？

例えば芸能人が失言したとか、お行儀が悪かったとか、そんな事を批判するのを見ると、『？』と違和感を感じる。

わたくしはDVDでしか見たことがない5代目志ん生。（実家にはCDがあります）

素晴らしく面白い落語を聞かせてくれた名人ですが、まぁいい加減な面もあったそうで、酔っぱらって高座にあがることも珍しくなかったとか。

落語の途中で居眠りをしてしまった伝説を持ちますが、お客さんは

『志ん生の居眠りなんざ、滅多に見られるもんじゃねぇぞ』

と、みんなで愉しんで眺めていた事は有名な話。

寛容ですよね。

チケット代を払い戻せ！なんて騒ぎ立てたら、なんて無粋なんだろうねぇ…とその人が笑われた事でしょうよ。

もちろん法を犯すような事をしたらいけませんが、

ちゃんと子育てしていない

とか

道ならぬ恋をしている

とか

横断歩道以外で道を渡った

とかで　”けしからん！！！”と責め立てるの。

どーでもよくない？



なんだか最近は、芸能人がまるで文化人のように扱われていて、いっぱしの評論をぶってるのをみると不思議でならない。

芸能人は『芸』を売っていればいい。

芸能人には『芸』を期待すればいい。

それ以上でも、それ以下でもないんじゃないの？

芸能人は尊敬すべき人じゃなくちゃいけないのか？

近頃は、いわゆる高学歴な人もこぞって芸能人となっているので、わたくしなぞにはわからぬ高尚なお話ができる方もゾロゾロいらっしゃる。

まぁ、そういう方はそれでもいいかも知れないけどねぇ。

この話は、なにも芸能人のことを言っているのではなくて、

市井の人である我々は、みんなどこかおマヌケで、いろいろ失敗して、粗忽で、粗雑で、だから人間臭くて面白いんだと思うのです。

人の失敗や生き方を口さがなく批判したりワーワー責め立てたりって意地悪じゃない？？



あらまぁ、しょうがないねぇって、優しく見てあげようよ。

本当に。

昔、わたくしがまだ若かった頃

日本橋高島屋のエレベーターの中で、ベビーカーに乗った赤ちゃんが、真っ赤な顔でギャーギャー大泣きしていたわけ。

狭い空間で、それはそれはうるさいわけですよ。お母さんは身を縮めてオロオロしています。

途中で奥さんと一緒に乗り込んできたのが、在りし日の柳家小さん師匠でした。

もうだいぶご高齢になっていた小さん師匠は、チラッと赤ちゃんを見て

「柿みてぇだなぁ」

とニヤニヤ笑ったんです。

（✱無粋ですけど念の為説明すると、真っ赤な顔で泣く赤ちゃんの顔が、赤く熟れた柿のようだと仰ってますのよ）

その瞬間に、エレベーター内の雰囲気がガラリと変わりました。

みんなが微笑んで、ホントだホントだっていう空気。

あぁ、粋だなぁと思いましたね。

人生なんて思うようにならず、まして人のことなぞ自分の思ったようになりません。

面白がって受け入れる寛容さを、わたくし達はどこに置いてきちゃったのだろうか。

自戒を込めて考えています。

小咄～古今亭志ん生（アニメ） | 聴き比べ落語名作選