中村如水随想録

身体論、体癖論、潜在意識、NLP、アレクサンダーテクニーク、インナーゲーム、引き寄せの法則、音楽。今、ここ。

2. 続・暗示の発見

2007年05月31日 00時37分20秒 | 暗示
 前回は私の情けない寝坊を紹介しながら、「暗示の発見」という大それたタイトルをつけました。一体どこが?と思われたかもしれない。今回は種明かしです。

 まず「本当にすいません、明日は来れるかどうか分からないんです」という相手の女性の言葉。これはかなり強力な暗示作用があると後で気づきました。ご本人は気がついていないと思うけれど。ただ単に明日は来れないかもしれない、と言うなら暗示としては弱い。だが、ここで「本当にすいません」と謝っている、ここがミソです。来ないか、来るか、まだ分かっていないのになぜ謝っているのか?ということです。別に謝らなくてもよい状況でしょう。とりわけ申し訳ない感じを強めてこのように言っていたのが、私の潜在意識には「おや、待てよ、この人は謝ってるぞ、ということはもう来ないつもりだな」というように響いてしまったわけです。

 その後に私が9時半に待機しますと述べた後、「いや、それはちょっと申し訳ない.....」と相手が言ったのも実は暗示になっています。ここで私が「断固として9時半には待っています!」と吠えていれば状況は違ったのでしょうが、相手の女性の申し訳ない光線にやられてしまっています。「いや、それはちょっと申し訳ない.....」と言われた時に、ふと、「あ、そうなのかな、それはやり過ぎなのかな」という思考が一瞬立ち上った訳です。

 さらにその日の晩には、彼女の旦那さんから「明日は妻が行けるかどうか分からなくて申し訳ない」と言われました。これは最初のものと同じです。「まだ来るかもしれないんだから申し訳なくないじゃないか!」とやり返していれば暗示を受けずには済んだでしょうが、大人としてはそうもいきません。

 かくして、翌朝の9時に目が覚めた時に、「そういえば昨日、かなり申し訳ないって言ってたな。つまり彼女は来ないって言うことだな」と寝ぼけ頭で考え、惰眠を貪った挙げ句、彼女の怒りを買った訳でした。

 単なる未来の可能性を述べる言葉に、それが実現した時にのみに感じる「感情」をくっつけると、強力な暗示になる、ということに気がついた次第です。

1. 第1回 暗示の発見。

2007年05月26日 07時08分59秒 | 暗示
 私が暗示作用の威力を発見したのは、まだ最近のことである。
 それまで潜在意識について書かれた本は、中村天風師のものや野口晴哉さんのものを読んでいたとはいえ、対岸の火事のような気持ちでいた。
 そのとき私はある女性に仕事を教わっている途中で、翌日の仕事について相談していた。彼女の子供が保育園で風邪を貰ってきてしまい、高熱なのだと言う。「本当にすいません、明日は来れるかどうか分からないんです」と、彼女は申し訳なさそうに弁解していた。こちらはものを教えてもらう側の身だから、「いえいえ、とんでもない、もし来られなくても一応9時半に待機しています」と答えた。まあ、当然だろう。すると彼女は「いや、それはちょっと申し訳ない.....」と言っていたのだが、そこで邪魔が入るか何かして会話はそれきりになった。
 その晩、忘年会であった。彼女の夫が同席していたので「お子さんが風邪引いちゃったそうで、大変ですね」と声を掛けたら、彼は「そうなんです、明日は妻が行けるかどうか分からなくて申し訳ない」と言ってました。
 さて、忘年会でお酒を飲んだためにかえって目が覚めてその夜は5時頃まで眠れなかった。しかし9時には一度目が覚めた。覚めたのだが、「そういえば奥さんは今日は来れないようなことを言っていたなあ」と思ってまた寝てしまった。すっかり安心して快眠を貪った。
 結局、私は大寝坊となり、実家の親を呼び出して高熱の子供を預けてまで私に仕事を教えるために出勤した彼女は、教える相手が来ていないことに激怒。翌日、平謝りに謝ってなんとか引き続き教えてくれるようにお願いした。

 ところで、この話のいったいどこが暗示なのか?すぐにお分かりの方は、すでに暗示作用というものについてかなり敏感な方である。

つづく