中丸美繪ブログ

「モーストリー・クラシック」で「鍵盤の血脈 井口基成」連載中。六年目。小澤征爾伝も脱稿間近。

加藤武さん葬儀と、小沢征爾異聞

2015年10月06日 09時28分17秒 | 日記
モーストリー・クラシックに連載の「小沢征爾異聞」の原稿を送信。
今回は、小沢さんとウィーンフィルが主なところだ!

なぜ小沢さんは稀な演目をオペラでとりあげるのか?
ウィーンとはどんな歌劇場なのか?

そのあたりをまとめたつもりである。

原稿の合間を縫って、青山葬儀所でおこなわれた連載俳優の加藤武さんの葬儀にいく。文学座葬という連絡も白い封筒でもらった。加藤さんらしい、律儀なやりかたを彷彿とさせる。
杉村春子伝のときに取材させてもらって以来、おつきあいがあった。

荻窪に住んでいた頃、加藤さんと偶然にあうこともあった。
自転車にのって、駅周辺に買い物にくるのだ。
毎日?!・・・たしか、そういった!・・・・スポールクラブにかよっていて、若い女性や年取った女性たちといっしょにエアロビクスをしているのだといっていた。
今年の夏は暑かった。訃報をしったのは、そんな夏のさかり。
スポーツクラブのサウナで倒れたというのだ。
ばかな!!!!

あまりにも無念。
昨年は、「夏の盛りの蝉のように」で主演をつとめ、三越劇場にみにいった。こちらはひどい風邪をおしていったので、楽屋見舞いを受け付けにあずけてかえってきてしまった。
後日、礼状をいただいた。加藤さんは、いつも律儀な男性だった。
江戸っ子でもある。曲がったことがきらい。
北村和夫さんは、「竹を割ったような性格だから」といっていて、わたしがすぎむらさんの取材をしていて、加藤さんの名前をだすと、ちょっと大丈夫か、という心配をしてくれたのだ。カツ!!とやられるとおもったのだろう。
でも、加藤さんとの相性はよかった。
本出版後も、この本をサライの書評を担当しているというので、誌面で紹介しようといってくれた。

気象は江戸っ子、しかし、容姿は、どちらかというと洋風な武さん。
黒澤映画では大きな役が何回もついている。

そういえば、日経のかたたちがつくっていた文楽研究会に、わたしからお誘いしたこともあった。
そのあとの飲み会にも出席してくれて、住大夫師匠と、なんやかんや、と詳しい芸について、語り合っていた。
そのときの証拠写真は、わたしの宝物でもある。

杉村伝でお世話になった江守徹さんが、葬儀委員長だった。ちょっと口がおもく病の後遺症をおもわせたが、こころにぐっときた。演出家の西川信広さんは書いた弔辞を読んだが、そのエピソーどが面白かったが、なぜ読み間違えるか。緊張しているのでしょう。こういうところ、役者はちがいます。
文学座の葬儀は、杉村さんのときも、北村さんの弔辞が泣けてきた。役者がこころをこめてやるのだから、芝居以上のものが出てくるようだ。

わたしもいろいろなかたがたにおめにかかってきた。そういう始末、そういうおつきあいを、取材だけでなく、きちんとつづけていくのが、今後の夢なのです。
なぜかいつも仕事におわれております。
合掌

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