中丸美繪ブログ

「モーストリー・クラシック」で「鍵盤の血脈 井口基成」連載中。六年目。小澤征爾伝も脱稿間近。

軽井沢スキーバス事故関連ー産経新聞の一面「産経抄」に日本航空一期生

2016年02月08日 13時13分06秒 | 日記

件名: 【産経新聞 1/22 朝刊】産経抄

2016/01/22 産経新聞 東京朝刊 1ページ 713文字
 「臆病者と言われる勇気をもて」。日本航空第2代社長、松尾静磨(しずま)の名言を実践したパイロットがいる。昭和41年3月、ハワイから羽田上空に来ていた日航機の機長は、悪天候に不安を感じて着陸をあきらめた。カナダの旅客機が空港で炎上したのは、その1時間後である


▼日航機はそのまま福岡に飛んだ。機長は翌日、自らの疲労を考慮して、他の機長に操縦を代わってもらい、客席に座って乗客とともに東京に帰ってきた。松尾が機長の対応を喜んだのは、言うまでもない(『日本航空一期生』中丸美繪(よしえ)著、白水社)


▼冒頭の名言を、ぜひとも思い出してほしいのが、バス業界である。長野県軽井沢町で、若者たちはなぜ、夢を断ち切られなければならなかったのか。スキーバスは転落事故を起こす直前、80キロを超えるスピードでS字カーブを走り抜けていた


▼バスの運行会社は、国の基準額を下回る運賃でツアーを受注していた。昨年末に採用した運転手は、「大型バスは苦手」と話していた。ずさんな安全管理の実態が次々に明らかになるなか、事故はその後も続く


▼東京都内の道路では、観光バスが中央分離帯に衝突し、運転手が逮捕された。「ぼーっとしていた」と供述している。兵庫県淡路市内を走行していた、70歳のツアーバスの運転手は、約10分間にわたり蛇行運転を行った。女性添乗員がハンドル操作を助けて停車しなければ、大事故につながっていたかもしれない


▼松尾は毎年元旦には、交通安全の川崎大師に参拝に行き、その足で羽田の整備工場の現場に向かっていた。評論家の大宅壮一はそんな松尾を、「祈りの気持ちをもつ人」と呼んだ。安さと便利さばかりが追求される昨今、「祈り」が忘れられている。

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