小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第502回小麦句会結果発表(2)

2023年06月08日 19時48分39秒 | 1日句会

つづき

 

キッチンに酢の匂ひ満ち梅雨入りかな   ちせい

〇(藤三彩)酢飯、らっきょうを漬ける酢、汐クラゲと胡瓜の酢の物等々つくる男厨かな

◯ (アゼリア) こういう時期は酢の物など美味しそうです。それとも殺菌のためでしょうか?

 

非常口の緑の彼方夏の海    珠子

〇(カンナ)発想に独自性があって良いと思う。

◎(楊子)わたしも気になっている駆けだすみどりの人ですね。そうか、夏の海に向かっているのかと納得です。

◎(餡子)あの緑色の標識はどこでも見かけますし、ホテルなどでは確認しますがその向こうにある物までは考えたことが有りませんでした。意表を突かれました。    

○(仙翁)非常口の先に緑、その先に海、いい景色ですね。

〇(めたもん)海の近くの喫茶店かホテルのロビーから見る海。近景の緑と遠景の青・白が美しい。 

◯ (アゼリア) 早く明るい夏の海で遊びたいです。       

○(宙虫)目線を夏の海に持っていく構成がいい。

 

父の日の父と競ひて貝を採る     アゼリア

〇(藤三彩)父の日が六月の第三日曜日と決まっている由来が米国の南北戦争の頃のこと。父親のありがたさは亡くなってわかる。

〇(春生)和やかな雰囲気ですね。家族総出の潮干狩り。   

〇(珠子)嘗ては貝採り名人だった父も老いて。息子が父の日の父のために競ってやった…という逆転の親孝行ととってみました。

○(餡子)微笑ましい景です。父には勝てるはず無いのに、ついつい・・・。  

○(アネモネ)どんな貝だろう。「父の日」がなかなか。

〇(まきえっと)いいですね。 

〇(あき子)毎年のことなのか、一回だけの思い出なのでしょうか。歳を重ねるごとに、父の日の句が身に染みてきます。

○(宙虫)「父の日の父」の特別感がしみる。

 

夏空や希望に向かって飛び立たむ   泉

 

梅雨に入る山中の家のテレワーク   春生

○(泉)「テレワーク」ですか。面白いと思います。

○(餡子)コロナ禍の3年間でビジネスの形態もすっかり変わってしまいました。 外に出て自然に目を向け戻りましょう。 

○(ちせい)Wi-Fiとか山中でもととのえてあるのでしょう。

 

梅雨空へ溶けゆく鷺の羽白し     道人

〇(春生)梅雨空と鷺と融合している感じが出ました。  

◎(アネモネ)提示写真にドンピシャの句だと思いました。

○(仙翁)溶けゆく白、確かにそうかも知れません。

〇(まきえっと)溶けゆくが梅雨空と合っています。

 

皐月波掴みコンドル飛びにけり    藤三彩

〇(春生)コンドル、さすが、勢いがありますね。    

 

雲の峰過去置き去りの非常口    まきえっと

〇(めたもん)「雲の峰」「置き去りの過去」「非常口」離れた三つの関係を読み解くのは難しいが、普段は心の奥深くにある、なにか懐かしく危うい感情が呼び起される。   

 

がらがらのカフェに薄暑の非常口     楊子

○(アネモネ)「薄暑の非常口」がいかにもです。

〇(めたもん)非常口から外へ逃げ出してみたくなるような、がらがらのカフェ。薄暑の気分が伝わります 

 

白鷺の死者万来の地に飽きて   幹夫

 

ぎゅると鳴く青鷺の空ジュラ紀めく   めたもん

○(泉)恐竜映画の様ですね。

〇(カンナ)発想が素晴らしい。

〇(楊子)「ぎゅる」というオノマトペは効いています。ジュラ紀から天は変わらず、地上ばかりが混乱しています。

◎(道人)青鷺が飛ぶ恐竜のような見立てがユニーク。「ぎゅる」の擬音も面白い。

〇(あき子)巨大な青鷺が咆哮する地球、いつかまたそんな日が来るかもしれない。

 

マフィンにするカフェはまるごと青梅雨で   宙虫

○(ちせい)雰囲気でしょうね。青梅雨雰囲気。人の鼓動が聞こえる様です。

 

冷奴三十年後逢ったきみ     カンナ

〇(瞳人)50年ぶりに遇った旧友が、飲めない男で、さて冷奴が合わないのですが

 

あらがえぬ別れ来たりぬ竹落葉    あき子

〇(藤三彩)いずれ消えてゆくのだが、コロナの後での飲み会に誘おうと思っていた友人が亡くなった。嗚呼残念!

 

夏空を抜ける白鷺ひとり旅   仙翁

○(泉)夏の「ひとり旅」は良いですね。

〇(瞳人)シラサギは遠出しないのですが、さて、よほどつらいことがあってのこと、なのでしょう

〇(春生)旅人の吾と白鷺を重ねているのでしょう。良い旅を。   

○(宙虫)ひとり旅は少々昔の日活映画のようで惜しいが、上五中七に魅かれた。

 

男らの背にある悲哀蟹の穴    餡子

〇(瞳人)最近引きこもりが多いのですが、蟹だって同じですよね、背なのイチョウが泣いている

〇(カンナ)物語がありますね。

 

明易し瞼に昨夜の采あはれ   瞳人  

 

(選外)(藤三彩)「采」は、さい 「丁半博打」の双六(すごろく)のことか。講談の中でならいいのだが 

 

 

 

今月の写真

3枚目・・・有明海の干潟で蝦蛄を採る男性たち。熊本港周辺の光景。なんと外国語を喋っていた。蝦蛄の採り方は、蝦蛄の潜った穴に筆を差し込んで釣るというのが一般的手法。「蝦蛄掘り」とはこの地方では言わない。写真の赤や黄色の札がついているのが筆。ひくひくと動いたら筆を引き抜くと蝦蛄がしがみついてくる。

 

※アネモネさん、今回の投句はなかったのですが、選句をして届けてくれたので、ありがたく掲載させてもらいました。また次回待ってます。

 

 



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1 コメント

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ご苦労様でした ()
2023-06-09 11:09:29
宙虫さん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

広島は最近は雨が多くなって、いよいよ梅雨になりました。気温も不安定で、健康には良くない季節です。台風も来るし、出水の季節でもあります。用心ですね。今回は有明海の珍しい写真を見せていただき、ありがとうございます。
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