チョーちゃん、昔ね
下北沢から電車に乗ったとき
ホロ酔い気分も手伝って
グッスリスヤスヤ夢の国に行っちまったことがあったな～
終点の吉祥寺に着いた時、
やさしい駅員さんが
乱暴にチョーちゃんの肩をゆすり起こしてくれました
＜もしもし、お父さん終点ですよ～＞ってね
それに対し、チョーちゃんは
＜てやんでい～、俺はお前の親父じゃねぇ～ぞ！＞
＜わかったから、起こすんなら起こすで、もうちっとやさしくやれ～！＞
なんちゃってね、
これ半分寝ながら云ってた
ははは、
こりゃ相当酒癖悪りいね・・・・・・・・トホホ！！
昔々のある日のこと、それまであまり調子のよく無かった
チョーちゃんの愛車が、
ついにイカれちまった
友だちに中古車屋が居たのを思い出しすぐに電話、
小型車か中型車でなんかいい出物はないか？ って聞いたら
今1台いいのがあるって言ってる
整備も終わったばっかだからすぐ出せるし
３年ぐらいは修理の必要は無く乗れるよってね
聞いてみれば値段も安いし、
すぐ乗りたいから、
すぐ持って来いって言ったら
なるほど、３０分ぐらいで持ってきたんだけど
そうか～？ 色を聞くの忘れてたな～？
ははは、車体の色は真っ赤っかでした
まあ、それなりにきれいな車だとは思うけどね
とても４０代のおじさんが乗る車じゃないよね
みんな、え～これ～？ てな顔をするし
そこまで乗せてやるって言っても断られるし
あっ、わたしバスで行きますとかね、
ふん、誰が乗せてなんかやるもんか！
犠牲になって乗っちゃったヤツは
車の助手席に座って
さみしそうにションボリしてるし
赤い車の
どこが悪り～んだよー！！
むかし会社でね、
月末になるとチョーちゃんよく現金輸送してたよ
月末にみんなが集金してきた、現金、小切手、手形、なんかを
本社まで届けるんです
＜誰だ！！ ねこに鰹節を預けるようなもんだ、なんて云ってるのは＞
会社も月末には、早くお金が欲しいらしくてね
営業所の経理の女性とこのお金類をもって車で行くんだけど、
帰りが遅くなるから、みんなは嫌がって行かないから
チョーちゃんがよく行ってた、当時は、
まだチョーちゃん、花の独身だったしね
本社の営業部の連中もみんな知ってたからね
本社に着くと、経理の女性は本社の経理部へ行っちゃう
チョーちゃんはやることないから
営業部に顔を出したり、
同じように他の営業所から現金輸送で来てる連中と景気はどお～？
なんてくっちゃべってたりしてると
その内に、営業所の経理の女性の仕事も終わり
さぁ～、帰ろうか？
なんて言ってね、営業所を出る時にもらってきた食事代でね
途中で夕食なんかしながら
また二人で車に乗って帰ってきます
とまあ、こんな具合なんだけど
毎月、毎月、だから面倒だけどね、
結構チョーちゃんの
情報源になってたな～！
んんん？ テレビが地デジに移行するって？
地デジって何だろう？
今のままじゃ～テレビが見られなくなるって？
そりゃ～大変だ～！！
チョーちゃん家は流行の最先端を突っ走ってるからね
先日の話し、
我が家もついに、ケーブルテレビと契約しました
そしたらパソコンも全部、やってくれるってぇ～から
暮れに他所から貰ってきた、
古～いパソコンを出してきて
これ、つないどいてくれって云ってチョーちゃん、
その場を離れてた、そしたらね、
出来ましたって呼びにくるから
見に行ったんだよ
そしたらパソコン寝かせて、
その上にモニターを乗せましたって云ってる
えっ！ パソコン寝かせちゃっていいの？
パソコンって立ち上げて使うんじゃないの？
・・・・・・・・・・・・・・・・ムムム？
ケーブルテレビ会社の２０代ぐらいのお兄ちゃん
やさしく説明してくれてたけどね、
＜とんでもねぇ～家に来ちまったな～・・・・・？＞
＜訳のわからん、オヤジめっ！＞
てな顔してた！
むかし、チョーちゃん、門のカギを忘れて
夜中に帰ってきて、寝ている 
家の者を起こすのも、ちょっとと思い、
え～い！ 塀を乗り越えちゃおうと思いましてね
ヨッコラショって、塀に乗ってまたがり、内側に飛び降りれば完了ってとこで、
塀にまたがってたら
ピカ～ッと懐中電灯で照らすヤツが居る
なんだコンチクショーと思って光の向こうをすかし見たら
なんとパトロール中の警官でした
いやいや、ははは、ここ俺んち、カギを忘れちまったもんで・・・・・エヘヘ！
てな具合に、しどろもどろになってヘタな言い訳してたよ
警官の方は、
夜中に民家の塀にまたがってる見るからに、怪しいヤツだと思ったろうね
なんせ夜中の１時ぐらいだったもんだから夜中に寝てる
家族を起こさないように
というチョーちゃんの配慮も水の泡でね
警官が呼び鈴を押して家族を起こしちまって
本当にこの男、ここんちの息子かどうか確認してやんの
そして、今後出入りは門からするようにってね
俺に言って行っちまった！！
昔ね、渋谷の道玄坂を３人で歩いてたときに
仲間の一人が,
おいちょっとひやかして行こうぜなんてね
Ｇパンだの革ジャンだのを、
店先に並べてる店に入って行っちゃった
こっち二人はしばらく行き過ぎて、
待ってたんだけど、なかなか出て来ないんでね、
様子を見に戻ろうとしたら
くだんの男が紙袋を抱えて店から出てきました
ひやかしのつもりで奥に入ってみたら最初は細かく説明なんかしてくれてたけど
奥まで見通せないほど、商品を並べてた店でね
少しづつ奥へ、奥へ、と誘導されて奥まで入ってみたら、
いつの間にか恐そうなお兄ちゃん３人に取り囲まれてて
何か買うまで
店から一歩も出さないって雰囲気だったそうで
仕方なく手近に有ったモノを２～３点
買ってきたんだそうです
ははは、
昔、チョーちゃんが勤めてた会社は
結構楽しい会社だったな～
みんなギャンブル好きだったからね
麻雀はもちろんのこと、
トランプに花札でしょ車で出かけりゃ、
対向車のナンバーでオイッチョカブだし、
土曜日になると競馬場だね
なんだって賭けの材料にしちまうんだ
そもそもこの会社に入って最初に先輩から頂いた言葉は、
若い内は借金してでも遊べ～ って、
ありがた～いお言葉でした
そんなことしててもね
我が営業所はトップの成績をあげてたから
会議で本社へ行っても
杉並さん、杉並さんって調子でね
では杉並営業所の推移を見てみましょうなんて云われたりして
チョーちゃんも大きな顔してられたな～
なにせ数字の達成率でみると
本社の営業部よりも上だったからね
そんな頃だったから
ギャンブルに狂ってても、
会社は何も云わなかったし
他の営業所からも
羨望の眼差しで見られてたよ！！
チョーちゃんは、２０代の頃ちょっとだけ
子ども会みたいなのをお手伝いしてた時期がありました
小学生の子供たちを連れて、
近くの公園に行った時のこと
ただっ広い芝生の場所があってね、
そこでなんか知らんが、
アベックが男性のコートを身体に掛けて、
抱き合って寝転がってた
こいつは、チトまずいかとチョーちゃん思ったね
子供たちを別の方へ別の方へと何気なく誘導してたんだけど
いち早くそれを見つけた子供たちが
そっちへ走って行っちゃった 俺＜し～らないっと＞
子供たちは、寝転がって抱き合ってるアベックを
みんなで取り囲んでね
思い思いに質問してる、眠いの？ ここで寝たら風邪ひくよ？
なんて言ってる内はまだ良かったんだけど
コートの下で何してるの？
その内にみんなで指差しながら
や～らしい、や～らしい、なんてコールが始まると
公園に来てた他の人たちもこっちを見るし
ははははは、
アベックは恥ずかしがって頭までコートを被っちゃうし
子供たちは、一緒に付き添ってたヤツが止めさせようとしてるのを、
チョーちゃん、実害は無さそうだから
＜もう少し、やらしとけ～！＞ なんて言って
離れて見てた
昔、チョーちゃんがまだ若かった頃
同僚と二人で仕事で甲府に行ったよ
午前中の仕事を終え、さ～て昼めしでも食うかってね
車を止めて、近くにあった食堂に入りました
壁にズラズラ～っと張ってあるメニューを見て
ほうとうって何だ？
なんて云いながら、品定めしてたら相棒がね、
おばちゃ～ん俺、かつ丼！！
むむむ、チョーちゃん、こんなヤツに遅れをとっちゃった
でね、仕方なくチョーちゃんもカツ丼にしたんだけど
出てきたのを見てビックリ
丼にご飯が入ってるとこまではいいんだけど
ご飯の上にキャベツととんかつが鎮座してやんの
東京みたいな、肉を揚げてさ、卵でとじたカツ丼が欲しかったら
向こうでは、煮カツ丼って注文するんだってさ
壁のメニューを見たら
なるほど、煮カツ丼ってのがあったよ
そんなこと、チョーちゃん知らんもんね！
さ～て、その変なカツ丼が目の前に出てきて
同僚と二人、おい、
どうやって食えばいいんだ？
なんて悩みながらも
上からソースをかけて食っちやいましたけど
なんか他に食い方があったのかね～？
所変わればなんとやらでね
いつも食べてるもんでも
地方によっては
結構違うんだろうな～！！
と思った次第です
授業も終わり、さて帰ろうとしたら
雨が降って来たんだそうな
丁度学校のロッカーに
傘を置いていたのを思い出し
それをさして学校を出たようです
チョーちゃんの通ってた大学は近所に女子大があってね
その友達がバス停に行った時、
女子大生がひとり雨に濡れながら
立ってたそうです
そこでそいつは、彼女に一緒に入りませんか？
ってね、声をかけたんだ＜奴さんにしちゃ～上出来だったね＞
有難うございます、＜彼女＞
そしてていろいろ話してるうちに
その友達、何気なくクニ＜故郷＞はどちらですか？って
聞いちゃった、
そしたら、その女子大生、日本です！ って言って
サッサと行っちゃったんだってさ
＜ハイ、それま～で～よ～！ っとね＞
その後、その男、ずっとショげてました
俺は、ふるさとのつもりで聞いただけなのにナ～？ ってね
この男も地方から
東京に出てきてた
さびしい学生だったんですね～
涙なしでは聞けない話しです
チョーちゃんが２０代半ばの頃だったかな～？
時は高度経済成長の時代だったね
会社で読んだ新聞記事の話しです
青森だったかな～？ に母親と中学生の弟の３人で
住んでた女の子がね、高校卒業と同時にね
東京に働きに来てたんだよ
そして東京の会社に勤めても
倹約、倹約、の生活の中で
自分は食べるものも食べずに、給料のほとんどを田舎に居る
母親と弟の為に仕送りしてたらしい
本人は着るものも、田舎に居た時に着ていたものを
自分で直しながら着ていたそうです
会社の別の女の子が
アンタ、ちゃんと食べなきゃダメだよ
なんて言ってね
会社の近くの食堂でカツ丼を、ご馳走したら
こんな美味しいもの、生まれて初めて食べた！ってね
感激してたそうだけど
ついに、その娘が寮の屋上から飛び降りてしまいましたって話しでした
目立たない、おとなしい、真面目な性格のその娘は
寮の生垣の後ろに落ちたせいか
かわいそうに、死んでからも誰にも発見されることなく
一週間も過ぎていたそうです
この話しを新聞で読んでね
ギャンブルキチガイの揃った我が営業所の面々も、いたく同情してね、
我々はこんなギャンブル生活してていいのか～なんてね、
それまでの行状を改めるべく
みんなで誓いあったんだけど
翌日には全員、
また雀荘に集結してた
そう云えば
先日のスパゲティの話で思い出したんだけど
スパゲティが、
いつの間にか
パスタと呼ばれてたって話しなんですけど
いつごろからパスタと呼ばれるようになったのか
誰か、ご存知の方は教えてください
チョーちゃんが気づいた時には
もうパスタの呼び名が定着してましたね
ところで、
日本人はナイフとフォークの使い方がうまいらしいよ
スパゲティを食べる時に
上手にスプーンの上に一口分載せて
スプーンの上でフォークをクルクルっと器用に回して
からめて食べるだろう
先日、外国人に聞いたら、
あんなこと誰も出来ないよ！
って云われちゃったじょ
極めつけはご飯だね
何であんな載せにくいフォークの背にライスを載せて食うんだとね
自慢じゃないけど、えっへん、チョーちゃんはね
どっかのパーティなんかに行っても
ちゃんと＜？＞
お箸を貰って食べてる
コーラが日本に初上陸したのは
ペプシコーラが最初だと思うよ
＜チョーちゃんがはじめて飲んだのは、どっちだったんだろう？＞
コカコーラの方が後から来た様に思います
ファーストフードでは、
ケンタッキーフライドキチンが入って来てから
マクドナルドが来たように思います
初めてのフライドチキンの感想は＜フライドキチンって何だろう＞でした
食べてみて＜うん、旨いね～！＞
店先に立ってたカーネルおじさんの頭を叩きながら
お店に入ってた記憶があるね
チョーちゃん戦争世代じゃないのに
＜これじゃ～戦争に負けるわけだと思ったよ＞
ケンタッキーもチキンだか
キチンだか
キチンとはわからなかったしね
昔、誰かにどこかで見られたらしい
チョーちゃん、２０才ぐらいの頃に、
知り合いのおじさんにオメ～えれぇとこ見られてるぞって、
脅かされたことがあったな～
このおじさん、チョーちゃんが２０才ぐらいの頃、
５０才くらいだったから
そうか！ もうあっちの世界に行っちゃってるね！
えっ、誰に？ どこで？って
聞いても教えてくれなかった、 さてはラブホテルかなんか、
出入りするトコでも見られたか？ ＜う～ん、思い当たらない＞
と思いきや、どうも違うらしい
よくよく聞いた話しをまとめるとね
新宿駅で、彼女と手をつないで歩いてたってことらしい
女の子と手をつないで
歩いてただけなのに ＜それも新宿駅のホームでね＞
まだまだ、
チョーちゃんの若い頃は
そんな時代だったんですね～
初めてのタバスコとの出会い
昔ね、サークルの仲間たちと昼メシでも食おうってことになり
近所のレストラン？ う～ん食堂～だな、へッヘッヘ
行ったときのこと
１０人ぐらい居たもんだから
みんな一緒には座れなくて
チョーちゃんと一人の女の子だけが離れた席に座りました
みんな同じものを注文した方が早いだろうと云うことで
全員、スパゲティのナポリタンを注文したんだけど
チョーちゃんたち二人、先に出来てきた
ははは、やった～！ なんてね
そしたらテーブルの上に何やら見なれぬものがある？
これな～に？ って女の子に聞いたらわかんないけど、
色からしてケチャップじゃないの
なんて云いながら自分のナポリタンに
ピャッピャッピャッピャッ振りかけてる
チョーちゃんも、何だか知らないけどあんな小瓶じゃ、
すぐ無くなっちゃうぞ、なんてあさましさも手伝って
こっちも頼まぁ、なんて云って
ピャッピャッピャッピャッ振りかけてもらったのさ
お陰で、皆様のご想像の通りとても食えたもんじゃなくてね
彼女はひと口かふた口
チョーちゃんはね、俺辛いの好きだからなんて
やせ我慢して４分の１ほど食べて
あとは残念ですが、残しちゃいました
他のメンバーも食べ終わり店を出る時
他の女の子に彼女、どうしたの食べないの？
なんて云われて、うん、あんまりお腹空いてないんだ～！
なんて云いながらチョーちゃんにウィンクしてた
ははは後で二人でラーメン
食いに行ったよ
＜後日、気が付いたら、スパケ゜ティがパスタって呼び名になってたよ＞
