「マイケアプラン研究会」活動報告

マイケアプランは高齢者の権利宣言
いつまでも自分らしく生きるために・マイケアプランを応援します

ほっとなマイケアプランニュース139号より

2013-11-04 | ほっとなマイケアプランニュース


大雨にあふれた嵐山・渡月橋からも“もみじ便り”が聞こえてきます。
自然の回復力に応援されながら、災禍真っ只中の皆様にエールが届きますように。


「義民の郷」にて
      -ケアメンサミットJAPANのご案内-津止 正敏会員

介護退職ゼロやケア‐コミュニティ等を掲げて「ケアメン☆サミットJAPAN」を11月16日17日に開催する。その広報も兼ねて先月から各地のイベントに顔を出している。兵庫県相生市、群馬県沼田市、京都府綾部市、福岡市と続いて先月末の26~27日は長野県の上田市。男性介護ネットの甲信越ブロックの交流会に参加してきた。参加者も多彩。介護真っ最中の人はもちろん家族を看取ったOBの方も、ケアマネージャーや介護士、看護師などの専門職の参加も多数あった。
26日の懇親会の後、主催した知人の紹介で宿をとったのが上田市から車で2~30分の隣村、青木村の沓掛温泉。ぬるま湯の温泉で有名だが、実はこの村、とても熱い熱いところだった。恥ずかしながら不勉強で知らなかったが「義民の郷」とも呼ばれている。昔から「夕立と騒動は青木村から」とも言われてきた戦闘的な村だったらしい。村の資料によると天和2年(1682年)に上田藩の圧政に抗して最初の一揆が起こり、以降明治2年の騒動まで5回を数えるという。歴史上最多の村だ。
いずれの一揆でも村民の願いの一部は聞き入れられたが、それと引き換えにリーダーは極刑に曝され、刑場の露と消えた。最初の一揆で直訴した天和の一揆から300年にあたる昭和57年に青木村全体の顕彰活動として「義民祭」が開催され、義民の功績を後世に伝えるため「義民太鼓」がつくられたという。義民太鼓は「竹に挟んだ訴状を掲げ、訴状を掲げた男が倒れるとつぎの者が、力尽きるとまた他の者が仲間の屍を乗り越えてゆく、けなげでたくましい農民の意気と根性」を演じる。
村民の犠牲になって逝った義民の子孫はその後村民によって手厚く庇護されたという。いまそれぞれの義民の墓の傍らにはその旨が掘り込まれた大理石の碑が立っている。胸打たれ手を合わせてきた。義民たちとは、時代も違えば抗いのテーマも形態も違うが、今を生きる介護者の世界と重なった。刑場の露と消えた義民たちの命の訴状を引き継ごうとする抗いの小さな社会運動も訴状を手にする仲間もまた生まれている。



たそがれ通信  
            藍 植男会員
今の世の中は、言葉があまりにも軽々しく消費され、忘れ去られてゆきます。昔、マスコミ論をK先生から教えられたころ、「新聞の社会的な機能は?」と問われ、〈民意の代弁者〉とか〈歴史的木鐸〉の声が上がるなか、〈広告を伝えるための媒体(容れもの)なのだ〉と言われたことを思い出しました。「テレビはともかく、新聞はそうでもなかろう」と思っている方は多いと思いますが、今の新聞紙面の中から、ついこの間に争点として挙げられていた選挙公約のその後(例えばTPPの日々の交渉内容・経過)をどれくらい拾い上げることができるでしょうか。本当に知らせてほしいことは皆無と言ってよい状況です。言葉が発言の責任を問われずに使い捨てられ、次のものが拾い上げられます。
「流通・経済はそうだとしても、政治・行政等ではそうでもなかろう」と思う方があるかもしれません。しかし、「百年前の田中正造のような政治家を挙げてください」と言われて、今日の国政に影響力を及ぼしている政治家の名前を思い浮かべられるでしょうか。ひんぱんに紹介され伝わってくるのは、事実と本心を隠し、うわべの表現で期待を持たせようとする政治家とその言葉です。
  例えば、「福島では原発の放射能汚染水は0.3平方キロ内に完全にブロックされている」という言葉。マスコミは、建前として〈真実の報道〉を掲げています。また、中にはまじめに真実を追い一所懸命書いている人達がいます。(ある新聞は毎週、福島第一原発1号~4号機の現状を 週間の問題・課題等を含め、色つきの図解で整理して伝えています。)読者が長い目で冷静に見ていれば、真実を選び取れますから、変なメガネを掛けなければ「オリンピック開催地の東京は安全」という言葉と同様、ためにする発言であると多くの人は理解しています。(世界に向けて毎日300トン以上の核物質による汚染水―洗浄によるものその他は計算のしようもない―を垂れ流し送り届けていて、こんな言葉を堂々と発信する神経は どのようにして育つのか、驚くほかありません。)
 〈オリンピックで三兆円〉のおこぼれに期待する人は原子力村に群がる者に比べれば悪気はないでしょうが、公共事業などで、支持・献金する者に地位や利権を与える米国流の政治で、支持者もそうでない一般国民もスポイルする(心根を腐らす)とすれば、ゆゆしき所業です。原子力発電に限らず、兵器・傭兵・薬品・石油・穀物・医療・保険さらには種子~技能の特許等の分野で政財界が繋がって、役割を(回転ドアで行き来するように)入れ替えあうことで、私利をとことん貪る米式のやり方の一部は、日本でも既に下地ができています。
  それは、20年以上も前でしたか田原総一朗が『日本のパワーエリート』で示した システムです。長年、財界人・政治家がこの両者間はもちろん(自分の子どもを材料にして)官僚・学者を釣り上げる形で、閨閥を広げていくシステムです。今日では、マスコミの影響力が強まり、言論人の買収ないし婿取りも増えていることと思います。当時は、鳩山由紀夫などは鳩山家の図のなかには出てきていなかったように思います。(その重なり合った相関図はいやでも利害が共通することを見事に物語っています。)いまは、安倍・麻生がわが世を謳歌する時世ですから、同類の政・財・官・学界それにおこぼれをあずかろうとするマスコミ界の一部は、ますます身内の結束を固めて、より私益の膨れていく将来に備える決意を固め、日々うごめいているに相違ないと思われます。
  私事になりますが、先日こんなことを知りました。独り暮らしで高齢の叔母が入院し弱ってきたというので見舞いに行き、今のうちに聞いておきたいことに答えてもらうことになりました。「叔父さんは若い時にエスペラントを勉強していたということは知っているのですが、そのことで何か話しておられませんでしたか。」「学生時代に、それで憲兵に捕まった と言っていたわ。」この問答をその息子・娘に話すと、「初めて知った。自分達は聞いたことがなかった」と言っていました。80年も前の、国粋主義の時代のことと看過はできません。
  このごろになって、時の為政者の思いのままに運用できる〈秘密保護法案〉のことが新聞でも大きく取り上げられるようになりました。行政機関の長が指定すれば、裁判所も含めて口出しはできず、国民の知られたくないことを永久に隠しておくこともできるというものです。トランプである人の手にした札はどれもジョーカーにできるとしたら、ゲームそのものが成り立ちません。こんなにもひどい法案を閣議決定して出す政治家と官僚の 質の悪さが世界に知れ渡りました。新聞も、これをこのまま放置できないと、腰を上げたようです。
歴史上の悲惨な体験から作り出された、国民が主人公だとする今の憲法をひっくり返して、国の許す範囲で国民は生きるのだぞという憲法改正案の各論的なやり口と言えます。米国の思惑に輪をかけたような、軍事最優先の姿勢が指摘できます。(ここまで大っぴらにやられると、米国も〈もう少し柔軟にやってくれ〉と言ってくるかもしれません。)その米国も、スノーデン氏の言ったとおり、一般市民から同盟国の首脳に至るまで あらゆる人の秘密を一手に握り、あらゆる分野で活用して相手に勝ち続けてきました。舞台が太平洋なので、秘密主義のTPPに西欧の怒りがどれくらいこだますのか予想できませんが、盗聴とか秘密とかに対する世界の目が厳しくなることは間違いないでしょう。
秘密保護法の成り行きはどうでしょう。為政者・高級官僚・財界は自分たちの利益を護るために、なりふり構わず進むのでしょうか。少し色をつけて強引に落とし所に押し込むのでしょうか。いずれにしても、要介護者とヘルパーの会話・社会問題をテーマにした私たちのような会合でさえ、特定情報を当局の意図に反して利用しないかとか、国の方針に反対の動きをしていないかとかいう、監視・盗聴の対象にされかねません。少なくとも、今のような〈下層はますます苦しみ上層は好きなように楽しむ仕組み〉を維持するには、田中正造とかスノーデン氏のような人が出てきては困る、歴史が違った方向に進まないようにするのが効率的な国家の使い方だと彼らが思っていることは 判明したわけです。私達の少国民時代の合言葉は〈壁に耳あり、障子に目あり〉。心情は〈人を見たらスパイと思え〉でした。人間関係を冷たく疎遠なものにする中味のない言葉やこのような法律は介護福祉の世界にも害悪をもたらすでしょう。



次 回 定 例 会
★ 第155回11月定例会 
   11月15日(金)13:30~16:30 3F 第3会議室
    内  容:・公開企画に向けて
         ・マイトピックス・・・緊急通報システムについて
         ・その他
    読書会 :17:00~19:00
    『今なら間に合う老後のために出来ること
     ・2025年介護保険は使えない?!』大阪社保協介護保険対策委員会編
      日本機関紙出版センター発行

     
次 々 回 定 例 会                   
★ 第156回12月定例会
  12月20日(金)13:30~16:30 3F 第3会議室
     内  容:・公開企画に向けて
          ・その他
     読書会: 12月20日(金)17:00~
    
~つぶやき~
先日TVで介護のために退職する人が多いという番組を見た。もっといろいろな制度を利用すれば、退職しなくても何とか乗り切れるのではないかとの意見があった。そのためにも介護や利用できる制度についての知識を持つことが大切だと思った。