「マイケアプラン研究会」活動報告

マイケアプランは高齢者の権利宣言
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ほっとなマイケアプランニュース126号より

2012-08-08 | ほっとなマイケアプランニュース

残暑お見舞い申し上げます。 秋を感じる時間があることに感謝です。



母を送り 今、考える 自分の最後

         本多 幸子会員 


1997年 母90(独居老人) 娘50(スープの冷めない距離に居住) 母の要望により退職、週3回 車で整体医院への送迎を開始、家の掃除は週1回、ヘルパーに依頼。
 2000年 母93 娘53 母へのかかわり方に悩み、ヘルパー2級の資格を取る。知識を生かし希望通りの介護計画をケアマネジャーに提案し介護保険を利用、母の身体状況に応じて内容を変更しながら、要介護4まで自宅で生活、白内障の手術で新聞も読め、友人への手紙を書くことも出来た。
 2006年 母98 娘58 トイレからベッドに戻る時?に転倒、大腿部が骨折していたので救急車で入院、手術となる。手術は成功、歩行訓練に励むが、食べ物も飲み物も飲み込みにくくなる。理学療法士の話では飲み込みのためのリハビリがあるのでできることもあったとのこと、母は骨折入院なので立ち上がりと歩行の訓練の指示しか受けておらず飲み込みの事はわからなくて対処できなかったと後で聞いてしる。手後れだった。病院側の提案を呑み、家に帰るため、もう少し頑張ってみようと説得、胃ろうを決断。胃ろうの手術で再びベッドにしばられ、リハビリも後退。自力で立ち上がることは更に難しくなっていった。家の前の道路は斜面になっており、石垣で囲われた敷地にガレージはなく、玄関までは石段、家の中はバリアフリーでも、歩けなくては出入りが困難。家の外構を変える事までできなくて、リハビリの継続を望み、とりあえず老健に入所。
 結局そのまま老健で100歳を迎えた後、新築の有料老人ホームの個室に移る。最高齢という事もあり大切に接してもらえたようでした。調子が良い時は体操やゲームにも参加。イベントを楽しんだ日もありました。母がそういった生活環境を不満に思っていた様子はありませんが、理解していたとも考えられませんでした。
 2010年 102歳になる寸前に帰らぬ人となりました。慢性心不全、1か月以上頑張りました。自宅介助ではなかったため、介護に拘束されることはなく、母自身の年金でやっていけたので経済的な心配もなし、施設探しの苦労もしませんでした。ほぼ毎日、母と共に時を過ごし、節目節目で孫やひ孫とも交流して、私には恵まれた介護生活であったと思います。しかし母にとって最良だったとは思っていません、母の意志は確認出来ていないからです。
 長寿が珍しくなくなっている時代、母やその友人を通じて知った、老後の姿は必ずしも
目出度いものではありませんでした。では、私はどうするのか答えは定かではありません。
でも今出来ることはある。65年間のゴミの処理、自分の分と捨てきれていない母の分、
父の思い出の品も含めて、なかなか進まないけれど、日々減少させながら、極力人の手を
わずらわせる事なく生きられる生活術を探り続けて、万一に備えたいのです。
 とりあえず延命治療は拒否、葬儀、法要不要それだけは今の段階でも決めていますが、
マイケアプランの仲間の皆さんの提言に助けてもらって、もっと中身を詰めていけたらと
思っています。
 いつ、どうなるかは予測できませんが、出来ることを知っていれば人の無責任に振り回
されずに自分にとっての最良を選択できると考えるからです。
                     




70歳の課題
                     貝沼 三枝子会員

先日中村仁一先生の「大往生するなら医療とかかわるな」という本を読み、その後先生の講演を聴く機会があった。死に向かう体の自然な流れに、竿さすような行為(医療行為のみでなく周囲の家族のかかわりも)は本人を苦しめるに他ならない。食べられなくなるというのはもう食べなくてよいということ。静かに見守っていけばよいらしい。
講演会の会場から「いつも診ていただいている在宅医にお願いして、安らかに夫を送るつもりだったが、急変した時先生が学会で不在、救急車を呼んだら病院到着前に死亡し、検視などが入って大変だった」との声。先生曰く「救急車呼んだらあきませんがな。医者が帰ってくるまで待ってればいいのですよ」
う~ん それは難しいやろ~。いざという時に、そこまで腹を括って行動できるか?

知り合いの一人暮らしの女性(80歳)、持病はあるが日々の暮らしではまだ介護を要しない。医者との関係もあり病気(健康)管理はかなりできている。従って元気な時は問題ないのだが、ちょっと体のリズムが狂うと体のみでなく心のバランスも大きく揺れる。別居の家族を大きく巻き込んだり、医者に通い詰めたり。常々の彼女の思いは「私の性格は施設などの暮らしには向いていないし、デイサービスなどの利用も無理」「私は自立しないといけない」というものなのだが、それは健康であるという前提条件下での思いであり、いったん条件が崩れるとどっと不安が襲う。
健康年齢と言うのがあるそうで、だいたい74歳あたりとか。ということは、それ以後は大なり小なり病気と道連れを覚悟する必要がありそうだ。高齢に向かう中での「自立した暮らし」「いつまでも地域で」というには「体の病気」「心の弱り」をしっかり計算に入れないと、絵に描いた餅になるばかりか、返ってしっかり現実を見据える目を衰えさせ、自分の不安を大きくしてしまうことに繋がるのではないだろうか? う~ん これも厳しい現実やな~。

現実を見据えたマイケアプランを、覚悟を持って実践できるようにするためには、どうしていけばいいのか…これが近く70歳を迎える私のこれからの課題かな。


次 回 定 例 会
★ 第143回9月定例会                 
   9月21日(金)13:30~16:30  2F 和室  
   内 容:・介護保険改定関連問題
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     勉強会:17:00~19:00
 

8月は定例会はお休みです。    

9月ニュースはお休みです。 

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   10 月19日(金)13:30~16:30 3F 第5会議室
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自然環境も社会情勢もフツフツとしていますが、クールダウン、クールダウン・・・