「マイケアプラン研究会」活動報告

マイケアプランは高齢者の権利宣言
いつまでも自分らしく生きるために・マイケアプランを応援します

ほっとなマイケアプランニュース176号より

2017-03-03 | ほっとなマイケアプランニュース


 「だまってたら あかん! どんどん変わる介護保険
     ~京都市の新総合事業ってなに?~

  3月12日(日)200名余の参加を得て、盛会裏に終わることができました。
 日下部 雅喜さんによるわかりやすい、しかし“京都市にとっては大変厳しい”
 解説を聞き、参加者よりも多くの切実な質問や意見が寄せられました。
 詳細は次号マイケアプランニュースにて報告する予定です。
 また、遅くとも今月中に「よりよい介護を作る市民ネットワーク」として要望書を
 京都市に提出する予定です。
 4月からの実施状況を注視しましょう!
   2017・3・14


あらためて「介護の原点」を問う
                マイケアプラン研究会代表世話人 小國 英夫

                                                         

2月4日に開催された今年度の公開企画は60名以上の参加者によって活発な意見交換が行われ参加者の満足度も高かったと思う。その第1の理由は「新総合事業」に焦点を絞ったことによって参加者が抱いている疑問、不安、不満等々を大いに吐き出すことができたからではないかと思う。第2の理由は3月12日に共同で「だまってたらあかん! どんどん変わる介護保険~京都市の新総合事業ってなに?」を主催する団体(よりよい介護をつくる市民ネットワーク=構成団体「きょうと介護保険にかかわる会」「京都ヘルパー連絡会」「高齢社会をよくする女性の会・京都」「助けあいグループりぼん有志」「マイケアプラン研究会」)のメンバーがかなり参加して下さったことではないかと思う。
 また3月12日の「だまってたらあかん!」には以下のような団体が後援して下さっている。京都新聞社会福祉事業団(助成も)、認知症の人と家族の会京都支部、男性介護者と支援者の全国ネットワーク、京都市地域包括支援センター・在宅介護支援センター連絡協議会、ケアの会-京都
 これらの団体は当然その成り立ちや考え方は異なっている。しかし新総合事業に関して大いなる危機感をもっているという点においては一致している。新総合事業においては介護保険のサービスの一部が行政サービスにとって代わる。今回は要支援1・2が利用する訪問介護と通所介護がその対象であるが、今後は要介護1・2へも拡大されることは確実である。そうなれば介護保険の被保険者の3分の2が行政サービスの対象者となるのである。
 そもそも介護保険制度は超高齢社会が進行するなかで社会保険制度による介護の社会化を目的に創設されたものである。介護保険制度以前は病院等への社会的入院(医療保険)や特養等への入所(措置制度=行政処分)、そして最も多かったのは在宅での家族による介護である。こうした現実を改善しようとして介護保険制度が誕生した。その趣旨は介護が必要になっても地域で自分らしく暮らし続けられるようにというものであった筈である。
 「措置から契約へ」「サービスの自己選択・自己決定」といった言葉が飛び交った。しかしその後も入所型サービスは増え続け現在では約100万人が介護保険施設(特養、老健、介護療養型)に入所している。それだけではなく有料老人ホームに42万人以上、認知症グループホームに19万人以上、更には近年急増しているサービス付き高齢者住宅にも19万人近くが入居している。これに軽費老人ホームや養護老人ホーム等を加えれば一昨年時点で約200万人が自宅以外で生活している(せざるを得ない)ということである。
 政府は新3本の矢政策の中で「介護離職ゼロ」を目指しているのであるが、これとてその中身は大量の入所型サービスを提供するというものである。ただでさえ介護分野の労働力が数十万人規模で不足するといわれる中で、こうした政策を強行すればどうなるかは火を見るよりも明らかである。しかも人生の最後を自宅ではなく施設でしか暮らせない人々が更に増え続ける結果となる。これが介護保険制度の目指していたものであろうか。「尊厳」と言った言葉が実に空しく思える。
 そもそもこうしたでたらめな制度や政策がまかり通るのは「介護の本質(原点)」が無視されてきたからである。実は介護保険制度を立ち上げるための議論においても急ぎ過ぎたためか本質論はほとんど議論された形跡がない。これがボタンの掛け違いの最大の理由である。社会的入院の解消による医療費の削減、措置から契約への転換による公費(税金)支出の削減といった財政面での議論のみで一挙につくりあげたのが介護保険制度である。
 それでもわれわれは「介護が必要になっても自分らしい暮らしができる」と介護保険制度に大いに期待した。しかしその期待は制度発足から数年にしてドンドンと裏切られてきた。そしてついに保険給付から行政サービスへの一部先祖返りが始まった。それが新総合事業である。京都市においては行政サービスだからという理由でケアプランの自己作成も認めていない。更に生活援助は誰でもできるものだからと8時間の研修修了者に担当させることにしている。
 生活援助は身体介護以上に個別性があり、その人の生活そのものへの援助であることが忘れられている。近隣同士の自発的な助け合いと行政サービスとの根本的な違いも無視されている。
 介護は生活の一部であり、人生の一部である。 またその本質は人と人との関係性にある。より良い人間関係(家族関係、近隣関係、友人関係等々)が土台となってこそ社会的サービスとしての介護サービスはその効果を発揮する。介護の本質は決して食事・排泄・入浴などの援助(いわゆる三大介護)にあるのではない。より良い人間関係がないところに食事・排泄・入浴などの援助だけが提供されても人間らしい生活とはいえない。
 こうした根本的な議論がない中で今国会では「地域包括ケア強化法」なるものが議論されようとしている。これは介護保険法、医療法、社会福祉法、障害者総合支援法、児童福祉法等の一括改定をするというものである。 そもそも地域包括ケアとは何なのか。現在ですら200万人が自宅以外で(家族、近隣、友人等と離れて)生活せざるを得ない状況であるにも関わらず、地域包括ケアの名において特養やサ高住が増設され、更に新たに「介護医療院」というわけのわからない施設が創設されようとしている。これが地域包括ケアの実態なのである。
 われわれはこうした制度政策に振り回されることなく、自分たちで自分たちの暮らしやコミュニティを再生しなければならない。そのためには地域福祉だけではなく、産業福祉の開発が必要である。これらが車の両輪となって初めてより良い暮らしの土台(コミュニティ)が形成される。このことに関しては別の機会に述べたいと思う。





「だまってたら あかん! どんどん変わる介護保険 ~京都市の新総合事業ってなに?」
日 時:2017年3月12日(日)13:30~17:00
会 場:京都アスニー 3階 第8研修室(丸太町七本松西入る ☎802-3141)
内 容:講演・コーディネーター:日下部雅喜氏(大阪社保協介護保険対策委員会委員長)
    パネルディスカッション:
     きょうと介護保険にかかわる会………中川 慶子
     京都ヘルパー連絡会……………………櫻庭 葉子
     高齢社会をよくする女性の会・京都…岡田 郁子
     マイケアプラン研究会…………………小國 英夫
資料代:300円
申込み:fax 075-366-8421 mail Helpkyoto@yahoo.co.jp
締切り:2017年3月10日   定員:200名 先着順

後援・助成:京都新聞社会福祉事業団
後援:認知症の人と家族の会京都支部・男性介護者と支援者の全国ネットワーク・
   京都市地域包括支援センター・在宅介護支援センター連絡協議会
   ケアの会―京都
 まだ間に合います。ご参加お待ちしております。


公開企画「こんなん? あんなん? どんなん? わっからへん!介護保険」のワークショップから~ 自立意識の確立、そしてさらに拡充と拡大を
                 大手 理絵会員

先日行われた公開企画で行われたワークショップでのコメントをまとめました。そもそも新年度から始まる新総合事業への問題点を話し合うことが主目的だったセミナーですが、事業以外の部分でも、現在の要介護予備軍の人たちが「介護保険制度」についての理解と期待度のようなものがくっきりと表れていたように見えます。
第1部の「要支援者家族の立場から」という佐竹さんのお話からは、もちろん佐竹さんご自身が「マイケアプラン」を実行しておられるために、そこを基本にお話になっておられたせいか、新制度についての疑問/不満に関するコメントと並び、「マイケアプラン」に関するコメントが多く寄せられました。多くは肯定的なものであり、新事業では利用できなくなることに対しても、批判的な意見が大部分です。しかし疑問点もいくつかあったことにも注目すべきかと思います。
それから「総合事業」に関する疑問に並び、従来の介護保険システムに関しても、現状での基本的な知識がまだ不十分であるため、その点を心配するコメントも少なからず見られました。おそらく実際に介護保険を利用していない参加者からのコメントだとは思いますが、やはり通常は、介護認定されて慌てている段階でさっさと決められてしまうというのが現状での主流かと思いますので、自分でも家族でも「いずれは通る道」として、まだまだ「基本から」浸透させるべきなのでしょう。
第2部の「ヘルパーの立場から」では、櫻庭さんが事業所としての問題点を指摘してくださったせいか、単なるヘルパーとそこへのボランティア支援のことだけではなく、それを社会の中でどう回していくのか、という視点のコメントも散見されました。生活援助がボランティアへ移行されるかもしれないということには、やはり不安を訴えるコメントが多いように思えます。また、居住地域内を中心とすることに対しても懸念を示すコメントがあり、地域の力をどこまで頼れるのかについては文字通りの「地域差」が出てきそうです。
第3部の「地域包括センター」からのお話では、堀田さんが「制度の施行側からの」という前置きをされたせいか、現行の制度、行政、組織に対する不満や要望が目立ったのですが、しかしそれ以上に「自分で」という枕詞のついたコメントが多かったことに驚かされました。
もちろん行政が「介護予防は自分で」というキャンペーンに類することをやたらとアピールしていることもあるのでは、と曲解したりもしますが、やはり第1部でのマイケアプランに対する肯定、賛同ぶりなどを合わせて考えると、これからの新・高齢者は主体的であれ追従的であれ、改めて「自立」を志向しているのだろうと思われます。「勉強しなくては」「情報が欲しい」という内容のコメントも少なからず見られました。
情報を提供する場、方法について、まだまだ考えることがありそうです。これからの会の活動にとっても期待できる内容だったと思いました。



  
  公開企画の感想
                   森 洋次会員

公開企画が成功裏に行われたことをうれしく思います。参加者も多く、雰囲気も良好ではなかったでしょうか。感想としては1分間スピーチで言えなかったことを少し書きます。

 第一に、新総合事業では、マイケアプランができないだけではなく、利用者の選択権が否定されているのです。新総合事業を含まない介護保険給付は、要支援、要介護のいずれも利用者の選択権が保証され、介護支援専門員や地域包括支援センターの専門職は認定調査の結果により、利用者が選んだサービの手続きを援助しているのです。実態としては建前になっている部分もありますが。 ところが厚生労働省が定めたガイドラインに書いてあるのですが、新総合事業では「適切なサービス内容を公正中立に判断するために、介護支援専門員や地域包括支援センターの専門職が介護予防ケアマネジメントによりサービス提供につなげる」となっています、さらに新総合事業を展開していくとそれは地域包括ケアシステムだと説明しています。その地域包括ケアシステムの一番重要な点は、「市町村は、介護保険事業計画等で目指すべき方向性を明確にし、……その基本方針を介護サービス事業者・医療機関・NPO。地域組織。住民等のあらゆる関係者に働きかけて共有する……「規範的統合」という表現がある。」と書かれており、そのあとに介護保険法4条1項「国民の努力及び義務」が続きます。このようなやり方は、日本で明治以降現在も行われている最も一般的な政治手法ではないでしょうか。ともかく、国民の心を支配するのです。ある体制に従うことだけが問題で、その体制に賛同する前提でなければ何も受け入れず、異端者をノケモノにするか厳しく取り締まるだけと考えますが言い過ぎでしょうか。
 ともかく、「規範的統合」により新総合事業が運営され、それがあるからこそ「今後の介護保険法の縮小、利用者負担の強化、医療との統合が可能」と考えられていると私は思わざるをえません。それを少しでも防止するため、マイケアプランだけでなくすべての利用者の選択権の問題を考え、とことん納得が行かなければ計画書に印をつかない取り組みが新総合事業で必要です。介護は生活の一部で利用者が自分で体を動かさなければ、自分で選択しなければ、そもそも介護が成り立たないのです。介護給付が利用できません。だから押しつけの介護はありえないと思います。
 もう一点は利用者が、介護支援専門員、地域包括支援センター、介護サービス事業者、市町村の介護保険担当課に出向き、具体的な新総合事業の内容やその部署の考え方をできるだけ聞いておくことが大切ではないかということです。これは利用者にとって内容がわかる、わからないではなく、聞いているうちに新総合事業の考え方がそれなりに理解できると思います。なにより、私たちの切実な希望、心配していることを繰り返し伝えることは大きな圧力になります。
私は城陽市で事業者に新総合事業にどのように関わるかを聞いて回ったのですが、残念ながら、それはあまり相手にされませんでした。 その事情はマイケアプランニュース172号、174号に書いてあります。しかし応対に出た人とは知り合いになれましたし、電話で厳しい応対されるだけで、城陽市がどんな所か少しずつわかってきましたので少し安心しました。今後の参考にさせていただきます。ともかく、介護保険は人と人の関係の中でしか動きません。そのための第一歩を私が踏み出せていないのは悔しいのですが、いつの日にか第一歩を踏み出したいと思っています。 最後になりましたが、私たちが地方議会の動きをよく把握し、必要な働きかけをすることが大切です。それは、新総合事業は全て自治体によって決定されるものですが、その決定の場は地方議会だからです。以上を公開企画の感想とします。
           


  
 会員より ふたこと みこと  たそがれ通信 47 

     納得できる情報をもとに判断して行動したい
 
                                藍 植男 会員 
 世界があちこちでガタガタしています。小さなことに気を取られているうちに、大きなことが、あるいは強引に・あるいはこっそりと進められているようで、何となく不安です。例
えば「共謀罪」。年末、3年前強行採決で制定した機密保護法について、強行突破の作戦行動の再検証やその後の動きなどを追って載せた新聞はあまりなかったようです。それで強気になったのか、今回の共謀罪提案についても、K党さえ抱き込めばよいとばかりの戦術で、まともな説明はされていません。(もともとが好き放題に取り締まろうとして考えたものなので、きちんと説明する気もないし、筋の通った説明はできないのでしょう。)以前の「通信」で、哲学者が治安維持法で逮捕され、敗戦後も釈放されないまま獄中で死亡したことを記しましたが、彼をわざと非衛生的な環境に閉じ込めて、疥癬で悶死させたのではないかとの考察もあるそうです。創価学会初代会長の牧口常三郎氏がどのように獄死に至らされたのかを私は知らないのですが、K党幹部は治安維持法や宗祖の最期という厳粛な史実をどう捉えているのでしょう。共謀罪は、機密保護法と密告の免罪を組み合わせることで、高度の謀略を隠密裏に行なえる・権力にとって万能の武器なのです。昔はこうしたときにまともに対応する姿が見られ、婦人層等に評価されていました。
 謀略・謀略・諜報・特務工作といえば、多くの媒体はこのところ何かにつけて北朝鮮のあくどさを伝えていて日本人の9割以上がそれをまともに受け取っているかもしれません。しかし〈その世界の常識でこんなあからさまな手口はプロのやり方とは思えない〉との見方があります。また〈死に体の朴槿恵派特務機関の実行説〉もあるといいます。〈かの朴正凞の権益・縄張りを受け継ぐ者となれば、そうしたこともしかねないかも⋯〉と思う人もあるかもしれません。でも、スパイ小説の世界に入りすぎないように用心せねばなりません。
 起こってしまった事件は、世界の大勢に大した影響はないと言われます。しかし、これも奇想天外のシナリオですが、米大統領が暗殺されたり北朝鮮統領が自殺したりして、混乱を機に「戦闘行為」が起こったりしたら今の日本の指導者はどう対応するのでしょうか。核の発射ボタンは彼ら数人に握られているという現実のなかで、彼らが死んだらそれ以上の自己中心・強硬派が控えているとのことです。〈天が落ちたらどうしよう〉という杞の男の心配は笑って済ませられる憂いでしたが、原子炉は外から見える形で攻撃しなくても破壊できるので、〈空からの他にどんな手があるだろうか〉とあれこれ疑いだしたらきりがなくなり、人間の知恵と時間を超越した原子炉を撤去しない限りは、あらゆる人が〈敵かもしれない〉と取り締まりの対象に組み入れられるのです。
 そんなことを、あれこれ考えていても際限がないので、一会員としての現実に戻ります。ちょうど1年前に最高裁判所は「認知症になった家族に、配偶者を監督せよと一般的に責任を負わせることはできない(介護の実態を個々に判断するように)と判示しました。JR東海の杓子定規な誅求が否定されてほっとした家族も多かったことでしょう。法律の面から考える人は〈現行憲法からいって当たり前の判断だ〉と評したかもしれません。(この日にA首相は議会で「在任中に憲法改正をなしとげたい」と言明しましたので、こんなことを言っただけでは、ほとんど意味がありません。)福祉業界では〈社会のあるべき方向性示す、妥当な判決〉と言う人もあり、〈特養ホームで徘徊老人が事故に遭ったばあいのことが明示されていないから頼りにできない〉とする人もいます。後者は、(社会保障制度と法制度一般の二重の面で)制度にもたれきりの実態を正直に語っていると思います。前号でも強調したのですが、生活をしている私たちが、何か(権威など)にもたれかかることなく、現実・真実と倫理・論理をおさえて、自らが方向を模索し、方法を考案していくことが肝心だと思います。
 最高裁に関連して、昨年8月冤罪が認められた大阪の女児焼死事件について、10年前の前回審理の際にT裁判官が、〈犯罪の証明は全ての証拠を総合してもできない〉との少数意見を残していたことが、この2月末に判明したとのことです。 (退任時期の関係で判決に反映されず、他の4人の全員一致ということで一旦決着していたが、今回の再審で無罪が確定。)いまは裁判内容のことを措くとしても、これに関しても、制度というものの危うさや、真実を見極めようとする姿勢の大切さなどを、教訓にしないといけないのだと思います。
 そういえば、よく勉強する法学専攻の人が「ザッハリッヒ」という言葉をいつも熱を込め
て言っていたのを思い出しました。この際、辞書で「sachlich」を見ると「物の・事柄の・事実の・客観的の・核心に触れた・本質的の・公平な」といった内容が示されています。最近の日本の裁判所の判決について知る範囲では、行政の要請に沿った・あるいは意向におもねたものがあれこれ目につきます。客観・公正の精神がないがしろにされているかのような腐臭が鼻につくこともあります。 多くの裁判官が、机上の暗記だけで任官した世間知らずな人なのでしょうか。それとも、その世界に棲み続けて世慣れすぎたのでしょうか。影響力のある方は、かの判事のように〈もの言わぬ庶民の目線で実態をみて、本質に目を向けるよう世間に示唆を与えてもらいたい〉、と言うのは、今どき寝言・戯言に類するものでしょうか。
 無位無冠の者の冗句なら人を和ませる効用もあろうと言えますが、このところの政治家の答弁・役人の説明・経営者の弁明などどれをとっても、心穏やかではいられません。目くらまし・言い換えの造語・慇懃無礼な迷彩・自己矛盾・その場限りの言い逃れが、あきれるほど次々と発せられます。 首相以下まともに日本語が理解できない・話せない閣僚、高い年俸(+退職金+年金)を取って一部と自分のためにうごめいている官僚、利益を確保し・好き勝手をして損失が出れば国民に払わせるよう政官界の抱き込む大会社経営者⋯、とても名前を挙げきれません。そして、それらの傲慢・横暴をただすはずの教育界・言論界もタガが緩んでふやけがちです。
 この号が出る頃には6年前の3.11の未曾有の大事故が話題になっていることでしょう。5年以上経ってやっと明らかになってきたこともたくさんあります。大新聞やネットのニュースで、まともな報道・解説がどのくらいされるものか、被害者(避難した人・避難できなかった人)の実態・展望等がどこまで掘り下げて伝えられるのか、こちらから近づくように努めながら、各地からの実態に根ざした情報を得たいと思います。足腰が弱っても、自分の足でしっかりと立ち、できるだけ歩いて真実を受け止め、行動に結び付けたいと思っています。
   ◇ 茨木のり子 「椅(よ)りかからず」   1999年刊(7年ぶりの詩集)から抄録 
      もはや / できあいの思想には椅りかかりたくない /  ⋯略⋯
      もはや / できあいの学問には椅りかかりたくない / 
      もはや / いかなる権威にも椅りかかりたくはない /   ⋯略⋯
      自分の耳目 / 自分の二本足のみで立っていて / 
      なに不都合のことやある /            ⋯略⋯
  




                                         
「マイケアレディ」について 
  
            樽谷庵山住子(ダルタニアンさんじゅうし)さん
ミュージカル映画「マイフェアレディ」(’64米)は、
オードリー・ヘプバーン演ずる貧しい花売り娘イライザ
奮闘努力の末、淑女になるお話。
 マイケアプランは、受け身だったサービス依頼者
いらいしゃが自立してケアプランのマスターになる取り組み。
これに携わるご婦人方に敬意を表して「マイケアレディ」
とお呼びしたく思います。


     
次 回 定 例 会 
 ★第192回3月定例会
     3月17日(金)13:15~16:50 ひと・まち交流館京都 3F 第3会議室
      内容:・公開企画ワークショップ分析結果について
         ・よりよい介護をつくる市民ネットワーク主催
          「だまってたら あかん! どんどん変わる介護保険
            ~京都市の新総合事業ってなに?~」開催報告
         ・新総合事業開始直前事情   ・その他
      読 書 会:15:40~16:50 「みどりの冊子」改訂検討
      ニュース発行・発送:4月7日(金)10:00~ 
 
      

次 々 回 定 例 会 
 ★第193回4月定例会
    
       4月21日(金)13:15~15:30 ひと・まち交流館京都 3F 第3会議室
      内 容:・新総合事業開始報告
          ・よりよい介護をつくる市民ネットワーク開催その後
          ・5月総会に向けて
            2017年度活動予定について   ・その他
      読 書 会:15:40~16:50 「みどりの冊子」改訂検討
      ニュース発行・発送:5月5日(金・祝)10:00~  
 
~つぶやき~                                        
*いつものことながら公開企画は当初の心配をよそに、約70名のご参加を得て、盛会裏に終わることができた。
 「わっからへん」ままにしないで、声をあげていこうと多くの方の賛意を得られたのではないかと思っている。
 4月からの実施に注視し、これからが大事だと肝に銘じた。 
*4月実施に向けて、各自治体は懸命の準備作業に追われていることと思う。つい先日、ある区役所で事業所向けの
 実務者会議の資料を見た。利用者に関係するところを見ると、大変分かりやすい説明であった。
 いくつかの自治体への問い合わせで、「何も変わりませんよ」といった答えが返ってきていたが、
 同じく何の心配もいらない、と思えてくるから困るのだ。水面はさらさら流れ、水底には、何か
 ドロドロしたものが渦巻いている、といった構造。知らぬ間に為政者の意図する流れにのっかっている市民。いつか来た道?
*東日本大震災・原発事故から6年。忘れまい。



マイケアプラン研究会 事務局
〒600-8127 京都市下京区西木屋町通上の口下ル梅湊町83-1 「ひと・まち交流館 京都」
 都市市民活動総合センター メールボックス33  TEL・FAX075-581-9956
Email :mycare_hitomachi@yahoo.co.jp  
ホームページ:http://blog.goo.ne.jp/mycareplan
郵便振替:00900-5-120923 マイケアプラン研究会



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