A Single Woman

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英国王のスピーチ The King's Speech #2

2013年02月01日 | 映画
 2010 イギリス The King's Speech 118分 #2


 ☆ 感想 ☆

 goo Wikipediaであらすじを調べたらまさかの初めから終わりまで書いてあって驚きましたが、そのまま引用させていただきました。補足で、元々記事を一つにまとめるつもりでしたが、やはり感想はきちんと書きたかったので二部に分けさせていただきます。

 この『英国王のスピーチ』は、コリン・ファースファンとしては見逃せない作品の一つです。なんといってもついにオスカーの栄光を掴んだのですから!おめでとう、コリン・ファース!今まで私が観てきたコリン・ファースは、『アナザー・カントリー』『真珠の耳飾りの少女』『ラブ・アクチュアリー』『マンマ・ミーア!』『シングルマン』の最高に魅力的なコリン・ファースや、『恋に落ちたシェイクスピア』『裏切りのサーカス』の嫌なコリン・ファース、『アーネスト式プロポーズ』『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズの面白いコリン・ファースなど色々観ましたが、本作では今まで未開拓であった“可愛い”コリン・ファースが見れました。ジョージ6世はとても真面目な人で、ライオネルとの練習だったり、ライオネルに挑発されて怒ったりと、その真面目さが面白いというか可愛い!

 王妃エリザベスを演じたヘレナ・ボナム=カーターは『ファイトクラブ』や『レ・ミゼラブル』、ティム・バートン作品での特殊メイクの印象が強くて、まさか素顔がこんなにも綺麗だとは驚きでした(笑)この王妃の献身的な支えがジョージ6世としても吃音症を治して、家族のために国民のために胸を張ってイギリスを支えたいというやる気を起こさせます。この夫婦の絆がとても強くて、観ていて心が温まります。

 アルバート王子(後のジョージ6世)の専属言語療法士で生涯親友となったライオネル・ローグをジェフリー・ラッシュが演じています。大前提としてアルバート王子は出会った頃、ライオネルを見下しています。というのも、ライオネルはイギリス人ではありません。イギリスが植民地にしている国の一つであるオーストラリア人なのです。でもライオネルはイギリスが大好きで、アルバート王子を“バーティ”と呼びつけます(笑)ですがライオネルもアルバート王子の扱いに結構苦労していて、アルバート王子は「なんて失礼な奴なんだ!」と何回もライオネルのもとを去るのですが、ライオネルもまたどうしたら心を開いてくれるか探っているのです。でも兄デイヴィッド(後のエドワード8世)が即位してしまうことに不安を覚えたアルバート王子は、エリザベス妃に話すのではなく、わざわざライオネルのもとを訪れて、ついに自分の生い立ちについて話します。金属の矯正具を昼夜足に付けさせられたこと、左利きを無理矢理矯正させられたこと、乳母から虐待されたこと、三男ジョニーはてんかん持ちでわずか13歳で世を去ったのに両親は王家の恥だとして隠したこと、何より両親の関心が兄にばかり向いて自分に目を向けてくれなかったこと…。ここで初めて二人は先生と患者以上の友人関係となるのです。ライオネルを演じたジェフリー・ラッシュの豊かな表情や話し方が面白く、個性的です。もう一つライオネルについて。ライオネルは役者志望なんですが、老いすぎという理由で落選しまくります(笑)でも優しい息子たちが、「お父さん、『シェイク』やろうよ!」と言うと意気揚々と扉の外へ行くライオネル。こちらからすると〈『シェイク』って何だよ(笑)〉と思っていたら、末の息子が「『マクベス』かな~?」って言うんです。すると次男が「どうせ『オセロー』だよ」三男が「また~!?」と。〈『シェイク』はシェイクスピアか!〉と思っているとライオネル登場。肩に何か入れてる!(笑)次男がライオネルを見ずに「『オセロー』」ライオネル「たまたまだろ~」 -ピンポーン。「次の患者だからまたな!」ここでバーティ登場。バーティ「突然すまない。その…肩の詰め物は?」ライオネル「ああ!!息子たちと遊んでたんだ!(肩からブランケットを取る)」 。このシーン、大笑いしました(笑)愛すべきオーストラリア人ライオネル!

 コリン・ファースより年下のガイ・ピアースが兄デイヴィッドを演じているのですが、コリン・ファースのうるうるしたブラウンの瞳が普通にガイ・ピアースよりも年下っぽく見えました。

 優しくて、真面目で、気弱な王様は、ライオネルに心を開き、ライオネルは王様に自信を持たせ、最後はスピーチを完璧にこなして胸を張って国民に手を振ります。そして最後にジョージ6世はローグをドクターではなく『ライオネル』と呼び、ライオネルはバーティではなく『陛下』と呼びます。このシーンには本当感動しました。元々初めて出会ったときにお互いが呼んでほしかった名前を最後に呼び合っただけなのに…。

 今年感動で涙が溢れた二本目の映画です。一本は元旦に観に行った『レ・ミゼラブル』。そして二本目がこの映画です。どちらもトム・フーパー監督の作品ですね。結末は全世界の映画ファンみんながご存知だとは思いますが、この感動を味わっていない方は一度観ていただきたい作品の一つです。


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