自分のブログ、そして大手マスコミ予想を上回る、自公で2/3以上という翼賛選挙が終わりました。
これからは、増税、増税また増税、あるいはハイパーインフレが起きて、日一日と世の中は悪くなります。今の内にやれる事は、やって起きましょう。
御託は置いといて、我が国で行われている選挙の比例区においては「ドント式」(ベルギーのドント博士が考案した)というやり方で議席配分をしています。
その党が獲得した票を1、2、3・・・と割っていき、この数が大きい党に順番に議席を与え、定員になるまで割り続けます。
実は、このやり方は大政党に圧倒的に有利で、自分の知る限り日本以外では行われていません。
他の国で行われているのは、
ヘア・ニーマイヤー式 その選挙区の総得票数を定員で割った数で、各党の獲得票数を割った値の整数をまず配分。
残余は商の余りの数が多い党に配分。
例 定員4の選挙区でA党が24万票、B党が17万票、C党が9万票を獲得した場合、総得票数を定員で割ると12.5万。A党は1余り11.5万、B党は1余り4.5万、C党は0余り9万。まずA党とB党に1議席づつ配分され、余りの多いA党、C党に残りの各1議席づつが与えられる。
このやり方はドイツ、スイス等で行われ、「定員+1」で割るドループ式(イタリア等)、「定員+2」で割るインペリアル式もある。
小政党には、ヘア・ニーマイヤー>ドループ>インペリアルの順で有利である。
小政党に格別に配慮したやり方が、サン・ラグ式です。
これはドント式が1、2、3・・・で割っていくのに対し、サン・ラグ式は1、3、5・・・と奇数で割っていきます。
ただ、これは小政党に有利過ぎ(特に最初の1議席を獲得しやすい)、修正サン・ラグ式が使われる様です。
修正サン・ラグ式は北欧諸国等で行われていますが、最初に割る数を1ではなく1.4にし、あとは3、5、7・・・と奇数で割っていきます。
詳細はウィキペディアを見て下さい。
あとアメリカ下院式というのが比例にも使える様ですが、時間がないので調べませんでした(平方根を使うらしい)
ドント式の問題点は、本当の意味での比例なら小政党に配分されるべき最初の1議席、あるいは2議席目が取りづらく、その議席が大政党に流れるからである。
論より証拠、今回の衆院選で検証してみよう。
左から政党名(略称)、得票、得票率、獲得議席(ドント式)、ヘア・ニーマイヤー式、ドループ式、修正サン・ラグ式である。
北海道ブロック
民主 1,090,727票 33.8% 3議席 3 3 3
自民 940,705 29.1% 3 2 2 3
大地 433,938 13.4% 1 1 1 1
公明 368,552 11.4% 1 1 1 1
共産 241,371 7.5% 0 1 1 0
社民 152,646 4.7% 0 0 0 0
当選→落選 吉川貴盛(自民) 落選→当選 宮内聡(共産)
東北ブロック
自民 1,901,595 36.5% 6 5 5 5
民主 1,748,165 33.6% 5 5 5 5
公明 620,638 11.9% 1 2 2 2
社民 362,523 7.0% 1 1 1 1
共産 325,176 6.2% 1 1 1 1
国民 244,933 4.7% 0 0 0 0
当選→落選 二田孝治(自民) 落選→当選 若松謙維(公明)
北関東ブロック
自民 2,892,780 40.2% 9 8 8 8
民主 2,260,717 31.5% 7 6 6 6
公明 937,345 13.0% 2 3 3 3
共産 477,958 6.6% 1 1 1 1
社民 323,979 4.5% 1 1 1 1
日本 294,952 4.1% 0 1 1 1
当選→落選 並木正芳(自民) 山岡賢次(民主) 落選→当選 長沢広明(公明) 平山誠(日本)
東京ブロック(自民の名簿登載不足はないものとする)
自民 2,665,417 40.2% 8 7 7 7
民主 1,962,225 29.6% 6 5 5 5
公明 820,126 12.4% 2 2 2 2
共産 586,017 8.8% 1 1 1 1
社民 300,782 4.5% 0 1 1 1
日本 290,027 4.4% 0 1 1 1
当選→落選 松原仁(民主) 落選→当選 小林興起(日本)
南関東ブロック
自民 3,510,617 42.4% 10 9 9 9
民主 2,439,549 29.5% 7 6 7 6
公明 1,007,504 12.2% 3 3 3 3
共産 566,945 6.8% 1 2 1 2
社民 444,753 5.4% 1 1 1 1
日本 309,851 3.7% 0 1 1 1
当選→落選 浮島敏男(自民) 田嶋要(民主) 落選→当選 大森猛(共産) 新党日本は名簿登載者が皆得票率10%以下なので該当者なし
北陸信越ブロック
自民 1,665,553 38.3% 5 4 4 4
民主 1,414,392 32.5% 4 3 4 4
公明 403,203 9.3% 1 1 1 1
国民 300,140 6.9% 1 1 1 1
共産 293,045 6.7% 0 1 1 1
社民 272,649 6.3% 0 1 0 0
当選→落選 萩山教嚴(自民) 村井宗明(民主) 落選→当選 木島日出夫(共産) 宮崎増次(社民)
東海ブロック
自民 3,066,048 38.6% 9 8 8 8
民主 2,766,443 34.8% 8 7 7 7
公明 987,290 12.4% 3 3 3 3
共産 502,501 6.3% 1 1 1 1
日本 327,768 4.1% 0 1 1 1
社民 300,574 3.8% 0 1 1 1
当選→落選 馬渡龍治(自民) 田村謙治(民主) 落選→当選 青山丘(日本) 大島令子(社民)
近畿ブロック
自民 4,003,209 36.8% 11 11 11 11
民主 3,157,556 29.0% 9 8 8 8
公明 1,626,678 15.0% 4 4 4 4
共産 1,051,949 9.7% 3 3 3 3
社民 619,883 5.7% 1 2 2 2
日本 420,908 3.9% 1 1 1 1
当選→落選 奥村展三(民主) 落選→当選 土井たか子(社民)
中国ブロック
自民 1,537,080 36.7% 5 4 4 4
民主 1,196,971 28.6% 3 3 3 3
公明 658,702 15.7% 2 2 2 2
国民 330,546 7.9% 1 1 1 1
共産 247,073 5.9% 0 1 1 1
社民 215,636 5.2% 0 0 0 0
当選→落選 橋本岳(自民) 落選→当選 中林佳子(共産)
四国ブロック
自民 821,746 38.3% 3 2 3 3
民主 711,927 33.2% 2 2 2 2
公明 317,575 14.8% 1 1 1 1
共産 175,994 8.2% 0 1 0 0
社民 119,089 5.5% 0 0 0 0
当選→落選 西本勝子(自民) 落選→当選 春名直章(共産)
九州ブロック
自民 2,883,048 37.1% 9 8 8 8
民主 2,287,753 29.4% 7 6 6 6
公明 1,240,007 15.9% 3 3 3 3
社民 607,008 7.8% 1 2 2 2
共産 451,158 5.8% 1 1 1 1
国民 307,454 4.0% 0 1 1 1
当選→落選 安次富修(自民) 大串博志(民主) 落選→当選 東門美津子(社民) 金城浩(国民)
合計(自民、新党日本は名簿登載不足はないものとする)
自民 78 68 69 70
公明 23 25 25 25
与党101 93 94 95
民主 61 54 56 55
共産 9 13 12 12
社民 5 11 9 9
国民 2 3 3 3
日本 1 5 5 5
大地 1 1 1 1
野党 79 87 86 85
計算してみて驚いたのだが、ヘア・ニーマイヤー、ドロープ、修正サン・ラグの各式が近似値を出したのに対し、ドント式だけ異様に大政党(自民、民主)に有利になっている事だ。
ドント式でなければ新党日本は全ての比例区で当選者を出し、大地、国民新党と合わせると11の比例区の内9で当選者を出した事になる。
これが民意だろう。
ヘア・ニーマイヤー式なら与党:野党=93:87で接戦である。
これも民意だと思うのだが。
これからは、増税、増税また増税、あるいはハイパーインフレが起きて、日一日と世の中は悪くなります。今の内にやれる事は、やって起きましょう。
御託は置いといて、我が国で行われている選挙の比例区においては「ドント式」(ベルギーのドント博士が考案した)というやり方で議席配分をしています。
その党が獲得した票を1、2、3・・・と割っていき、この数が大きい党に順番に議席を与え、定員になるまで割り続けます。
実は、このやり方は大政党に圧倒的に有利で、自分の知る限り日本以外では行われていません。
他の国で行われているのは、
ヘア・ニーマイヤー式 その選挙区の総得票数を定員で割った数で、各党の獲得票数を割った値の整数をまず配分。
残余は商の余りの数が多い党に配分。
例 定員4の選挙区でA党が24万票、B党が17万票、C党が9万票を獲得した場合、総得票数を定員で割ると12.5万。A党は1余り11.5万、B党は1余り4.5万、C党は0余り9万。まずA党とB党に1議席づつ配分され、余りの多いA党、C党に残りの各1議席づつが与えられる。
このやり方はドイツ、スイス等で行われ、「定員+1」で割るドループ式(イタリア等)、「定員+2」で割るインペリアル式もある。
小政党には、ヘア・ニーマイヤー>ドループ>インペリアルの順で有利である。
小政党に格別に配慮したやり方が、サン・ラグ式です。
これはドント式が1、2、3・・・で割っていくのに対し、サン・ラグ式は1、3、5・・・と奇数で割っていきます。
ただ、これは小政党に有利過ぎ(特に最初の1議席を獲得しやすい)、修正サン・ラグ式が使われる様です。
修正サン・ラグ式は北欧諸国等で行われていますが、最初に割る数を1ではなく1.4にし、あとは3、5、7・・・と奇数で割っていきます。
詳細はウィキペディアを見て下さい。
あとアメリカ下院式というのが比例にも使える様ですが、時間がないので調べませんでした(平方根を使うらしい)
ドント式の問題点は、本当の意味での比例なら小政党に配分されるべき最初の1議席、あるいは2議席目が取りづらく、その議席が大政党に流れるからである。
論より証拠、今回の衆院選で検証してみよう。
左から政党名(略称)、得票、得票率、獲得議席(ドント式)、ヘア・ニーマイヤー式、ドループ式、修正サン・ラグ式である。
北海道ブロック
民主 1,090,727票 33.8% 3議席 3 3 3
自民 940,705 29.1% 3 2 2 3
大地 433,938 13.4% 1 1 1 1
公明 368,552 11.4% 1 1 1 1
共産 241,371 7.5% 0 1 1 0
社民 152,646 4.7% 0 0 0 0
当選→落選 吉川貴盛(自民) 落選→当選 宮内聡(共産)
東北ブロック
自民 1,901,595 36.5% 6 5 5 5
民主 1,748,165 33.6% 5 5 5 5
公明 620,638 11.9% 1 2 2 2
社民 362,523 7.0% 1 1 1 1
共産 325,176 6.2% 1 1 1 1
国民 244,933 4.7% 0 0 0 0
当選→落選 二田孝治(自民) 落選→当選 若松謙維(公明)
北関東ブロック
自民 2,892,780 40.2% 9 8 8 8
民主 2,260,717 31.5% 7 6 6 6
公明 937,345 13.0% 2 3 3 3
共産 477,958 6.6% 1 1 1 1
社民 323,979 4.5% 1 1 1 1
日本 294,952 4.1% 0 1 1 1
当選→落選 並木正芳(自民) 山岡賢次(民主) 落選→当選 長沢広明(公明) 平山誠(日本)
東京ブロック(自民の名簿登載不足はないものとする)
自民 2,665,417 40.2% 8 7 7 7
民主 1,962,225 29.6% 6 5 5 5
公明 820,126 12.4% 2 2 2 2
共産 586,017 8.8% 1 1 1 1
社民 300,782 4.5% 0 1 1 1
日本 290,027 4.4% 0 1 1 1
当選→落選 松原仁(民主) 落選→当選 小林興起(日本)
南関東ブロック
自民 3,510,617 42.4% 10 9 9 9
民主 2,439,549 29.5% 7 6 7 6
公明 1,007,504 12.2% 3 3 3 3
共産 566,945 6.8% 1 2 1 2
社民 444,753 5.4% 1 1 1 1
日本 309,851 3.7% 0 1 1 1
当選→落選 浮島敏男(自民) 田嶋要(民主) 落選→当選 大森猛(共産) 新党日本は名簿登載者が皆得票率10%以下なので該当者なし
北陸信越ブロック
自民 1,665,553 38.3% 5 4 4 4
民主 1,414,392 32.5% 4 3 4 4
公明 403,203 9.3% 1 1 1 1
国民 300,140 6.9% 1 1 1 1
共産 293,045 6.7% 0 1 1 1
社民 272,649 6.3% 0 1 0 0
当選→落選 萩山教嚴(自民) 村井宗明(民主) 落選→当選 木島日出夫(共産) 宮崎増次(社民)
東海ブロック
自民 3,066,048 38.6% 9 8 8 8
民主 2,766,443 34.8% 8 7 7 7
公明 987,290 12.4% 3 3 3 3
共産 502,501 6.3% 1 1 1 1
日本 327,768 4.1% 0 1 1 1
社民 300,574 3.8% 0 1 1 1
当選→落選 馬渡龍治(自民) 田村謙治(民主) 落選→当選 青山丘(日本) 大島令子(社民)
近畿ブロック
自民 4,003,209 36.8% 11 11 11 11
民主 3,157,556 29.0% 9 8 8 8
公明 1,626,678 15.0% 4 4 4 4
共産 1,051,949 9.7% 3 3 3 3
社民 619,883 5.7% 1 2 2 2
日本 420,908 3.9% 1 1 1 1
当選→落選 奥村展三(民主) 落選→当選 土井たか子(社民)
中国ブロック
自民 1,537,080 36.7% 5 4 4 4
民主 1,196,971 28.6% 3 3 3 3
公明 658,702 15.7% 2 2 2 2
国民 330,546 7.9% 1 1 1 1
共産 247,073 5.9% 0 1 1 1
社民 215,636 5.2% 0 0 0 0
当選→落選 橋本岳(自民) 落選→当選 中林佳子(共産)
四国ブロック
自民 821,746 38.3% 3 2 3 3
民主 711,927 33.2% 2 2 2 2
公明 317,575 14.8% 1 1 1 1
共産 175,994 8.2% 0 1 0 0
社民 119,089 5.5% 0 0 0 0
当選→落選 西本勝子(自民) 落選→当選 春名直章(共産)
九州ブロック
自民 2,883,048 37.1% 9 8 8 8
民主 2,287,753 29.4% 7 6 6 6
公明 1,240,007 15.9% 3 3 3 3
社民 607,008 7.8% 1 2 2 2
共産 451,158 5.8% 1 1 1 1
国民 307,454 4.0% 0 1 1 1
当選→落選 安次富修(自民) 大串博志(民主) 落選→当選 東門美津子(社民) 金城浩(国民)
合計(自民、新党日本は名簿登載不足はないものとする)
自民 78 68 69 70
公明 23 25 25 25
与党101 93 94 95
民主 61 54 56 55
共産 9 13 12 12
社民 5 11 9 9
国民 2 3 3 3
日本 1 5 5 5
大地 1 1 1 1
野党 79 87 86 85
計算してみて驚いたのだが、ヘア・ニーマイヤー、ドロープ、修正サン・ラグの各式が近似値を出したのに対し、ドント式だけ異様に大政党(自民、民主)に有利になっている事だ。
ドント式でなければ新党日本は全ての比例区で当選者を出し、大地、国民新党と合わせると11の比例区の内9で当選者を出した事になる。
これが民意だろう。
ヘア・ニーマイヤー式なら与党:野党=93:87で接戦である。
これも民意だと思うのだが。
長年ドント式を採用してきたドイツでは、18年前にドント式を廃止、ヘア式に変わりました。現在、欧州諸国でドント式を採用している国はほとんどないようです。ましてや日本のようにブロックに刻んだ上にドント式なんてところはありません。
日本でも、選挙区の議席配分には戦前以来ヘア式が使われているのですが、比例選挙にこれを導入しようという動きはないようです。とことん大政党の論理で選挙制度が語られていることは問題でしょう。
ところで、アメリカ下院方式というのは、選挙区の議席配分に用いるもので、各選挙区に1議席を保障する配分法です。よって阻止条項を用いない比例選挙には使えないと思われます。
特に日本では小選挙区が大政党に有利で、比例でも大政党が有利では小政党は益々小さくなり、民意が反映されないと思います。
ただ大政党が議会を牛耳っている以上、改正はされないはずですし、こういう細かい点で世論が盛り上がる可能性も低いのが。
オリーブの木の様な、民主、社民、共産、その他の小政党、地域政党が各選挙区で統一候補を出し、自公を上回る状況が来ない限り改正が議題に上がる事はまず無いのではと思います。