キス★キス★バン★バン

　何の予備知識もなく鑑賞。「コメディーなのかな？」と思っていたら「ブラックなコメディー」だったけど、予想以上に面白かった。

　鈴木清順　監督作品・ピストルオペラのような「殺し屋同盟」のNo.1の殺し屋だったステラン・スカルスガルドのプールでの殺しのシーンから映画ははじまるのだが、

　あんた、そんな派手な殺しやったらすぐ捕まるやん？と思う人は10人中12人くらいいると思うけど、これはコメディなんだからそんな些細なことは気にするな！

　ステランは、腕に衰えを感じ、自分が教育していたレクター博士よりも怖いポール・ベタニーにすべてを託し、引退を宣言する。


　しかし、「殺し屋同盟」は「死ぬまで殺し屋」が掟だと、ステランの暗殺をポール・ベタニーに命じる。


　そんなことを知らないステランは、カタギに戻るために仕事を探すがうまくいかず泣く泣く、お金のために引き受けたアンティークの密輸業者にベビーシッターの仕事を依頼される。

　しかし、そのベビーシッターというのが、33才のオッサンのクリス・ペン（笑）の子守り。33年間も子ども部屋に住んでいたために世間の常識を全く知らないクリス・ペンにマジ切れのステラン。このコントも面白かった。

　クリス・ペンのニット帽（これが、いい伏線なんだよね）とキリンのぬいぐるみなど小道具のセンスも抜群です。たぶん、映画を観た後にニット帽を買いたくなると思います。


　長年、連れ添ったステランの恋人の妊娠に戸惑い険悪なムードになっていたのが、クリス・ペンと交流してから段々と殺し屋しかやったことがないステランは人間としての心を取り戻してゆく。

　だが、「殺し屋同盟」からの総攻撃をうけ最後の戦いがはじまる…。



　特に予備知識もなく観たのだが、本当に傑作。クリス・ペンの子ども部屋のインテリアの美しさや、「殺し屋同盟」のアジトとか、「殺し屋同盟」の連中のキャラの濃さなど何度観ても楽しめます。

　ポール・ベタニーの最後のシーンのセリフなど、クサイかもしれないけど俺は泣いた。

　海のシーンも伏線になっているのでよく注意して観てね。