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冒頭の路上ライブのシーンの音声が商業映画としてはあまりにも安っぽい音声だったので
「このままこれを映画館で観なければいけないのか?」
と不安になりましたが、演出だったようで「しみったれた路上ミュージシャン」が同じく「しみったれたピアノが弾ける花売り娘」や、「路上バンドマン」たちとデモテープを作るためにコラボしていくとだんだんと音声がよくなっていくという演出でした。いい演出だっ!!
かなり低予算で作られていたようで、キャメラはほとんどが手持ちで移動車はバイクと車のシーンだけ、そしてピアノを引く姉ちゃんの自宅のとこはクレーンを使っているようだがほとんど自主映画のような公開だったのにもかかわらず口コミで大ヒットしたという低予算映画のお手本のような映画。
TVでばんばん宣伝している映画に飽きている人にはぜひ観てほしい映画です。
冒頭から、路上ミュージシャンのチップを盗むチンピラや、路上ミュージシャンの歌詞について突っ込む姉ちゃん。
仕事しているときに、いちいち喋ってこられると迷惑だし主人公が「掃除機の修理の仕事」をしていると聞くと翌日、街中を掃除機を転がしながらやってくるというのは笑えるけど迷惑だわなぁ?
「本当になぁ、俺は仕事しているんだから暇つぶしにずっと話しかけるのもいいんですけども仕事の邪魔だけはやめてくれないかなぁ?」
という悲哀が伝わってきたんですけど、勝ち組の人間にはわからないでしょうね? 俺は負け組だからよくわかりました(泣)
夢を追いかけているのに、いつまでたっても芽がでない男が女を自宅に呼ぶことができると思いきやリビドーには逆らえず、
「今晩、うちに泊まらない?」
と言ってしまったがために、彼女に嫌われてしまうとこなども自分の黒歴史を思い出して泣けてきた。勝ち組にはわからないだろうが俺は負け(略)
で、やっと彼女の家に招待されるも彼女には子どもがいてしかも結婚していると聞き落ち込むとこも自分の黒歴史を思い出して泣け(略)
やっと録音のチャンスをつかむもお金がなくてディスカウントの交渉をするとこの情けないとこも自分の黒歴史を思い出し(略)
そして、念願の彼女とのツーリングをするも
「私はあなたのことが好きよ」
と言われたのに、外国語だったので通じなかったのでチャンスを逃してしまい、そのときに押しが強ければなんとかなったのに何とかならなかったという自分の不甲斐なさも黒歴史。俺は負け(略)
何だかんだで、でっかい夢を叶えるために上京するも押しが弱かったために…という自分の不甲斐なさにガッカリして、やっぱり俺はチキン野郎だということに気づき、どう転んでも俺は負け(略)
ということで、勝ち組は観なくていいです。
明石屋サンタの出来に満足してなかった負け組の皆様は劇場で観ましょう!!
スクリーンに映っているのはあなた達(おい)です!! 必見の映画!!