××××は飲み物です

「ゴールデンスラバー」を観るくらいだったら「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」を見たほうがよいです。

ハプニング 7月26日公開の映画をいまさらレビュー

2008-08-19 | 笑える(かもしれない)映画
  在米インド人のシャマランさん。一代で身代を築き上げた人なのですが、その名の通り適当な方でございました。このシャマランさんには三人の息子さんがあった。

 問題はこの内、誰に映画監督を継がせるかでございます。不心得の息子に継がせたら、せっかく苦労して築いた身代をいっぺんに潰される。順に行けば長男ですが、ここは分け隔てなく三人の息子の内で一番見所のある者に譲ろうと一人一人の考えを聞く事にしました。

 まず長男のマツ・シャマランを呼んで、

 「私が死んだら、どんな映画を作るのか」
 「映画は作らないが」
 「いや、作れよ」
 「そうですか、面倒くせえな。まぁ適当に金を集めて金を集めるだけ集めてあとはトンズラします」
 「それじゃ、すまねぇだろうよ」
 「旦さん!安心なさいな」
 「お父さんです。旦さんじゃないし」
 「役者を揃えます」
 「ほう、どんなキャストでぃ?」
 「へい、ベン・スティラーを筆頭に…」
 「なんだか、嫌な予感がしてきたねぇ」
 「ジャック・ブラック、ロバート・ダウニーJr、そしてしんがりはトム・クルーズ!!」
 「ほうそれは面白そうだねぇ。…ところでお前さん、トロピック・サンダーって映画知っているかい?」
 「何ですかい、それは?」
 「お前さんは映画の勉強以前の問題じゃないかい。山田くん帰ってもらいなさい」

 そこで次男のタケ・シャマランを呼んで、

 「お前だったらどうするね」
 「私だったらお兄さんとは違います」
 「違ってくれなくてはいけないよ」
 「ゾンビ映画をやります」
 「おぅ、何か面白そうだねぇ」
 「ただのゾンビじゃございません。登場人物が全員ゾンビという斬新な…」
 「嫌な予感がしてきたねぇ」
 「ゾンビなんで当然セリフなんて粋なもんはございません。一言もセリフなしでゾンビが呻くだけで」
 「オチはどうするんだい」
 「はい、ラストはお父様がゾンビのラスボスとして登場。装甲車に乗って威勢よく爆走しているとこを電柱に首を引っ掛けて首チョンパで終わりという…」
 「おめぇはお父さんを何だと思ってやがんでぃ。とっと、うせやがれ!!」
 
 末っ子のウメ・シャマランに聞くと、

 「もっとシンプルにしたい」
 「いいね!その調子!」
 「映画冒頭で全米各地でミツバチがいなくなっていると大学の先生が語ります」
 「ほう、でぇ原因は何だい?」
 「いえ、とくに考えてませんけど雰囲気で何とかなりますって。お父さんの映画を観る人ってそこまで深いこと気にしないと思うし」
 「おまえさんは父さんの映画をよく見ているねぇ。それで?」
 「でぇ、何だかんだで人が自殺しまくるんだけど下手にパニックムービーにするとフィルムコミッションで協力してもらえないし、金もかかるので田舎に逃げます」
 「その理屈は?」
 「いいじゃないですか。雰囲気で何とかなりますよ」
 「まぁ、そうだな。ところで父さんは今回は映画に登場できるのかな?」
 「それは…やめたほうが」
 「何か言ったかい?」
 「いや、今回は父さんは電話の声だけの主演ということで」
 「しょうがねぇなぁ。そんなこともあろうかと脚本を書いてきたんだけど」
 
 と言いながら分厚い脚本を手渡す。脚本を読むウメ・シャマラン。

 「父さん浮気相手はいいけど…このティラミス食べただけの仲って…」
 「スイーツといえば、ティラミスじゃねぇかい。クリーム・ブリュレのほうがよかったか」
 「いいです。そのままでいいです。でぇこのあとでやんすが、ぶっちゃけ思いつきません。冒頭のミツバチ関係ないし、自殺する原因が不明なのに呑気にTV中継しているし、パニック映画お約束の襲われる軍人のシーンを州兵さんだけで逃げ切ろうとするし、死ぬ人たちから逃げるシーンは雨に濡れないために雨の間を避けて通るような理屈もどうかと思うし、ライオンに腕食われるシーンはギャグにしか見えないし、お天気予報みたいに主役たちを自殺ウイルスが追いかけてくるし、電気がない家に住んでいる謎の婆さん意味不明だし…、どうやって、この映画をまとめればいいでしょうか?」
 「心配するな! 死に水は…」
 「父さん!!」
 「ごめん間違えた、この脚本は責任をとってお父さんが片棒を担ぐ」


 ※ 片棒どころか片翼飛行で墜落したような映画。B級映画好きならお勧め。






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