ぴんとぐらす

Jazz Rock Photo & Essay

クラプトン&ウィンウッド@雨の武道館 (本編)

2011年12月10日 10時08分41秒 | 音楽
さて今日はいよいよ本編のお話です!
ですがその前にこのコンサートの前々日エリックが敬愛するブルースギターリストの
ヒューバート・サムリンが亡くなった事をご報告しなければなりません
ヒューバートはエリックのプレーに影響を与えたギターリストでもあり
この日のコンサートは彼に捧げたコンサートでもあったのです

そういった特別な要因があったからか
メンバー全員気持ちの入ったプレーが
随所に見らてとても質の高いLIVEだったと思います
何事にも「気持ち」が大きな要素になりますものね

さて本題に入ります
武道館に入るとブルースが小さな音で流れていました
僕はこの小さな音という所がPAのセンスを感じます
最初はら大きな音で音楽を掛けているPAも多々いますが
客席の耳を最初から大きな音にレベルを合わせてしまうと
その後の設定がさらに大きくなり細かなニュアンスが伝わらなくなる事が多いからなんです
始まってみると案の定とても良いバランスで各楽器が鳴っています

クラプトンはブラックメタリックボディーのメイプルネックのストラト
ウィンウッドはミントグリーンボディーのメイプルネックのストラトで
最初の曲はブラインド・フェイスの「泣きたい気持ち」からスタートです
これはDVDにもなっているマディソン・スクエアー・ガーデンでのLIVEとまったく同じです
ただドラムがスティーブ・ガットに代わり更に2人の女性コーラスが加わり
あの時のLIVEより更に強力になっているメンバー、演奏も半端ではありませんでした
ガットのドラムはバスドラが強烈な上に安定していて
タムやシンバルがバスドラのキックの上に乗ってくると独特なグルーブ感が生まれます
それに一打一打を大切にするドラマーでバンドの太い骨格を作って行きます
それに更にウィリー・ウィークスのベースが乗るわけですから
もう何も言う事はありません!
クラプトンもウィンウッドもこのリズム隊の作り出す
安定したリズムの中で泳ぐようにギターを奏でます
特にツインギターでリードをとる後半はもうウットリするばかりです

さて2曲目以降はウィンウッドがオルガンに廻ったりピアノを演奏したりで
ギターはプラプトン一人の事が多かったです
考えてみるとバンド内にギターがクラプトン一人という事は
しばらく歴史を遡らなければな無かった事かもしれません

今回のユニットでは2人が2人分の力をプラスして2にするのではなく
2人で一つのものを作っていると言った様相
したがって2人のヒット曲オンパレードではなく
自分たちが影響を受けたアーティスト達のカバーも何曲も演奏されました
それこそがユニットの素晴らしい所で
例えば自分のオリジナル曲でさえ分かち合って歌う事で
このバンドのものになっていたと思います

そしてクラプトンのギターワークも流石だと感じました
感情がギターに乗り移って
聴いている方をどんどん引き込んでいきます
今まで僕は3回クラプトンを観ていますが
これほどEmotionalなギター弾く彼は初めてです

そのギターのセッティングは
マディソン、、ではピックアップセレクターをミドルで演奏する事が多かったですが
今回の武道館ではフロントにして弾いている事が多く
リードで12フレットあたりを弾くときにリアピックアップを使っているように見えました
会場の特性によってピックアップを使い分けているのかもしれませんね

アコスティックでの「ワンダフル・トゥナイト」ではあのイントロのギターフレーズを
ウィンウッドが弾いていました
ウィンウッドは本当に何でも器用に楽器をこなす人でそつがありませんその上歌えるのですから
このLIVEを観た人はたとえクラプトンファンであっても彼を
凄い人だと思ったに違いありません(僕を含め)

キーボードプレーヤーのクリス・ステイントンについても触れておきましょう
彼はプレーはマディソン、、のDVDで観る限りサポート的イメージでしたが
この日の彼は違いました
心から演奏に入り込んでいる感じで
長い髪を振り乱しながら懸命にプレーしていました
きっとヒューバートへの鎮魂の思いがあったのでしょう

さて話はLIVEからちょっとずれますが
僕はプラプトンという人は「ロックスター」というものに自らならなかった人だと思っています
それはブルースが好きでそれを追い求めて極めようとしている
彼の姿勢こそが表していると思うんです
今回もドームなどの大きな会場でやるのではなく
武道館で何日も予定を組んで演奏したのも(彼はソロの時も何時もそうです)
身近にブルースを味わってもらいたいと思っているから
逆に言えばドームのような場所では伝えられないと思っているのかもしれません
それに彼は音楽に余分な言葉や説明はいらないと思ている人です
今回のLIVEでも曲の終わりに「サンキュー!」ぐらいで
メンバー紹介もありませんでした
観ればそして聴けば分かるでしょ!
音楽がギターの音が僕の言葉だよ と言っているかのようでした
それでいいと思います!

最後になりますが
この日のステージには観客に向けて集音マイクが立てられていました
もしかしたらLIVEのレコーディングがされていたかもしれません
マディソン、、、、より深みを増した演奏のLIVE盤がココ日本から出たらどんなに良いでしょう
そんな淡い期待を胸に抱きつつ今回はこれにて終了です

*写真は会場でiphoneをいじっていて間違って撮れてしまった
多分LIVE終了直後の僕の足元の写真


追記
LIVEが終わって武道館の外に出ると開始前降っていた冷たい雨は止んでいました
なんとなくですがこの日の演奏が天国のヒューバートに届いたんだな~ という気がしました

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ライブよかったですよね。 (numatch)
2011-12-15 00:06:01
そう、ヒューバートサムリンが亡くなったんですよね。ストーンズやベックも追悼のFBコメやツイート出てましたね。
クラプトンはここのところ、自分のルーツや友人のためにギターを弾いてますよね。もうオリジナルは作らないのでしょうか。自らも名声や金はもういらない的な発言もしてますし。
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numatchさんへ (mukunohige)
2011-12-15 10:31:39
コメントありがとうございます!
そうですね
クラプトンは自ら売れようとしたりしないですよね
それに世間の流行路線から離れれ事によって
それが彼らしい音楽を生む
この事が逆に
彼があまり求めない名声やお金になっていて
自分の歩いて来た道が
間違っていなかった証明のようにもなっていると思います
僕はどんどんオリジナルも作ってもらいたいし
ルーツのブルースを極めてももらいたいと思っていますが
本人はどうなんでしょうね
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Unknown (KONDOH)
2012-01-01 17:09:40
明けましておめでとうございます。
音楽、私の苦手な分野なのでコメントが出来ませんでしたが、例えどういう音楽であろうと音楽は人の心を和ませてくれると思います。
本年もよろしくお願い致します。
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KONDOHさんへ (mukunohige)
2012-01-04 09:59:56
明けましておめでとうございます!
新年のコメントありがとうございます

カメラも音楽も大切な心の癒しになっております

本年もどうぞよろしくお願い致します
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