山仲間男女5人で2泊の屋久島登山に行った時のことです。
5月の連休のため、すでに登山前から屋久島行フェリーは満席状態で山小屋泊は難しいことが予想できました。
淀川登山口から登山開始、昼過ぎですが淀川小屋はすでに半分以上登山者で埋まっていました。
予想した通りなのでそのまま先へと進み花之江河を楽しみ、ひとつの岩屋でビバーグすることにしました。
屋久島では指定場所以外では宿泊は禁止されていますが今日は緊急と言うことでビバーグさせてもらうことにしました。
岩屋の下は結構広く持ってきたツェルトは使わなくてもシュラフだけで大丈夫です、食事も終わり暗くなり岩屋の下で5人はくっつき合うようにして寝ました。
私は闇夜の静まり返った屋久島を満喫するようにシュラフの中で一人で目を開けていましたがふと下の方の私たちが登ってきた登山道に目をやると、遠くにヘッドライトの明かりか?それよりも少し暗い光がゆらゆらと一つ見えます、しばらく見ていたのですがやがてすぐ下のほうまで近づいたのか見えなくなってしまいました。
こんな遅い時間に一人で登っているのか?この登山道は1本なので多分あの人もこの岩屋でビバーグするのだろう。
でもいくら待ってもその人はここに到着しません、そのうち私は登山の疲れから眠ってしまいました。
夜中何時ごろでしょうか、突然私の上に誰かがいきなり覆い被さってきました。
暗くてわかりませんがバサッと長い髪の毛が私の首元にまとわりつきました、一緒に寝ている人で長い髪の人は隣で寝ていた美人のAさんだけです。
「何を血迷ったかAさん、こんなところで」事を大げさにしまいと寝たふりの私はそのまま再び寝込んでしまいました。
そして朝になって隣のAさんがおかしな事を言うのです「昨夜怖かった~髪の長い女の人が私の上に乗ってきたの」
怖くなった私は「俺も同じことがあった」とは言ってはいけないと思い今もその事は誰にも言っていません。
yasu