無飛車流のすすめ

将棋のことをつぶやきます。

泣きの入った手

2024-05-14 00:27:00 | 日記
 「泣きの入った手」という表現があったように思います。今回、この文章を書くにあたって調べてみましたが、それらしい検索結果に行き当たりませんでした。
 そこで、私の認識している「泣きの入った手」について書いてみようと思います。認識が間違っていたら、ご指摘いただけるとありがたいです。

 私のイメージする「泣きの入った手」とは、過去につらい負け方やみじめな負け方をして、もう二度とこんなひどい将棋は指さないと誓い、体に刻むようにしてもっと良い指し手を選ぶようになる…というものです。「鍛えの入った手」という言葉が近い気がします。
 ハチワンダイバーというマンガで、主人公が「将棋で負けた時の悔しさが世の中のどんな感情より勝るからです」と語るシーンがあります。ああ、このマンガわかってるなぁと思ったものでした。

 現実の将棋界でも、王位戦で谷川九段に挑戦した森九段が「体でおぼえた将棋を教えてやる」と言い放ったことがありました。「教えてやる」っていう言葉が強すぎてびっくりしますね。この「体でおぼえた将棋」という表現も「泣きの入った手」に近い気がします。
 とは言え、谷川九段にしたって、子供の頃、負けた悔しさで駒を噛んだという逸話の持ち主ですから、負けてないと思いますけどね。森九段もタイトル戦を盛り上げるリップサービスでおっしゃったのかもしれません。

 マンガにしろ、現実の将棋界にしろ、こういう熱い想いを聞かされると、こちらも熱くなりますね。