2024年9月8日(日)、放送分。
興味ある人は、
NHKの聞き逃し配信から聞いてください。
多少省きましたが、メモ量は凄く多いです。
間違いあれば、
私の聞き間違いか、理解不足です。
また、" " 内は感想だったり私が追記したものです。
10.依存という病
・依存症の場合、病気にするのは自分自身。
・人類と酒類との付き合いは非常に古く、
ワインは6000年前にジョージア、アルメニアあたりで、
作られていた形跡があるが、
起源はもっと古いと言われている。
・ビールは、メソポタミアなどが始まりではないかと言われている。
・米、芋でもどんな食べ物でも、何処であっても、
文明のあることろでは必ず酒はある。
・ギルガメッシュ叙事詩など多くの古文書にもみられる。
・ノアの洪水の話にもある。
・スサノオノミコトノミコトの八岐大蛇退治も有名。
"日本って、酒飲ませて倒すとか、
多いのだろうか?。
ヤマトタケルとか酒呑童子退治とか。"
・古い時代には酒は貴重品で、
アルコール依存症になれる人も限られていただろう。
"第5回の藤原道長の糖尿病と同じことですかね。"
・17世紀にオランダでジンが作られた。
元は熱病の治療薬として、作られていたようだが、
これが酒として流行する。
同時期に雑穀を使って、
ジンを作ることが出来るようになり、
イギリスで大流行する。
このあたりから、
一般庶民にアルコールが浸透していった。
・身近なものになったことにより、
貧困や社会問題と関わりが深いものとなった。
・飲酒は道徳や社会規範と関わりがある。
・例えばイスラム教徒は酒を飲まない。
・イスラム教徒は、
2010年で16億人で世界人口の20%で、比率は増加傾向である。
・日本では飲酒に寛容な文化で、
人間関係の潤滑油で飲酒を活用していた。
中国、韓国も同様、
韓ドラでは実によく酒を飲んでいる。
・唐の時代の李白の漢詩にもある。
・酒を楽しむのは、
東アジア文化の一つであるが、
害が過小評価されてきた。
"東アジア人には、
酒が弱い人が多いと言う話があったと思う。
その方が有利だったとか。
良くわからんが。"
・警句、
一杯は人、酒を飲む。
二杯は酒、酒を飲む。
三杯は酒。人を飲む。
千利休の言葉ともいわれる。
・人と酒との相互関係については、
酒が人に及ぼす影響、
人が酒を摂取する行動、
という二つの味方がある。
・アルコールは、
中枢神経系に対し強い抑制作用をもたらし、
酔った状態をもたらす。
・脱抑制が起きる。
アルコールの抑制作用は脳の、
外側から内側に段階的に効いてくる。
・ほろ酔いの段階では、
大脳新皮質が抑制される。
大脳新皮質が辺縁系に抑制をかけているのが通常の状態。
このブレーキが外れる(脱抑制)によって、
大脳辺縁系の活動がそのまま言動に現れる。
慎みにかけるが、リラックスして打ち解ける効果もあるので、
社交場面で酒を活用している。
・酩酊段階では、大脳辺縁系や小脳の働きが落ちてきて、
感情表出が激しくなり、
同じ話を繰り返したり、周囲に絡んだりする。
・小脳は運動を調節したり、
体のバランスを取ったりする働きがある。
そのため、千鳥足になり(歩行障害)、
ろれつが回らなくなる(構語障害)。
・アルコールが肝臓で分解されてできる、
アセトアルデヒドは毒性の強いもので、
その結果、気分が悪くなったり、嘔吐したりする。
・さらに進むと、脳全体に影響がおよび、
酔いつぶれた状態になる。
・脳幹に及ぶと、
体温調節や呼吸などに影響が出て、
昏睡を経て、
死に及ぶ危険性がある。
・大量の飲酒を習慣的に続けた場合、
アルコール性の肝炎や肝機能障害がおこり、
進むと肝硬変にもなる。
大量飲酒による急性膵炎は命にかかわる危険なもの。
心臓病、脳血管障害、糖尿病のリスクが高まる。
栄養の偏りや抵抗力の低下も起きて、
肺炎などの感染症に罹りやすくする。
・アルコール依存症の人は、
平均寿命が10-20年短い。
肝硬変、心臓病、肺炎、自殺などの、
死亡率が10-20倍高くなる。
・認知症との関連。
施設に入所している高齢者では、
29%が大量飲酒によるものという調査もある。
・アルコール乱用や大量飲酒の体験のある高齢男性は、
認知症発症の危険性が5倍近い。
・各種の病気を合計した、
アルコールによる健康損失を見ると、
国民病であるという指摘もある。
・チューハイ(7%)350mlx3は大量飲酒。
ストロング系のチューハイ(9%)では350mlx2で大量飲酒。
ビールでは中瓶500mlx3で大量飲酒。
・このような飲酒を続けている人は、
健康リスクがあるだけでなく、
耐性が形成されてアルコール依存症の予備状態である。
・厚生労働省のwebサイトによると、
大量飲酒者が860万人いる。
アルコール依存症患者は80万人いる。
・しかし、アルコール依存症で治療を受けている人は12万人(2016年調査)。
・アルコール依存症では、
否認という心理規制が強く働くので、
病識を持てず、治療を受けようという気にならない。
・アルコール問題は、昔は壮年の男性に偏っていたが、
現在では年齢、性別も拡散している。
・飲酒は不適切なストレス解消法の一種である。
慢性的なストレスがあるところでは、
常に問題化する危険がある。
・女性では、短期間、少量でアルコール依存症になる。
・人がアルコール摂取する行動を、
制御できなくなったものが、
アルコール依存症。
強迫的で制御不能な飲酒欲求。
・飲酒をコントロールできないことが、
依存症の重要な点である。
・一杯だけと思ってもそれで済まない、
飲酒量のコントロール喪失。
30分だけと思ってもそれで済まない、
飲酒の持続時間のコントロール喪失。
・飲酒するために仕事など、
大切なものを犠牲にするのも同様。
・WHOの診断基準では、
酒を飲めない状況で強い飲酒欲求を感じたことがある。
という項目がある。
・アルコール依存症には身体的な依存もある。
アルコールが体内にあるのが、
普通になってしまい、
アルコールが抜けると、
生理的なバランスが保てなくなる。
・具体的には耐性の形成や離脱症状で示される。
・耐性について。
酒に強くなるっても、体に良いことは何一つない。
アルコール依存症に近づいているだけ。
・離脱症状について。
アルコールが切れてくると手指が震える。
幻覚、全身の痙攣、振戦せん妄(全身の震え意識障害)。
・アルコールはモルヒネやヘロインなどの麻薬に次いで、
身体的依存を強く起こす。
・心理的依存と身体的依存のために、
酒が全てになってしまうのがアルコール依存症。
・この20年、日本人の平均飲酒量は低下しているので、
アルコール問題は下火になってゆく可能性はあるかもしれないが、
ギャンブル、ゲーム、スマホなど、
特定の行為に対する依存(行為依存)が、
急速に問題化してきている。
・日本にはパチンコ依存という問題があった。
パチンコ、パチスロ依存者数(ギャンブル依存者)は、
300-500万人ともいわれていて、
諸外国よりも高い比率である。
・ICD(国際疾病分類)には、
ゲーム障害が取り入れられた。
ゲームをすることを制御できない。
その他の関心事や日常の生活よりもゲームを優先すること。
ゲームに浸ることで問題が起きているのにゲームを続けること。
家庭、学校、職場、地域での活動に支障がでること。
・ネット依存は、
厚生労働省の調査では、
20歳以上では、421万人、
中高校生では93万人と推定されている。
・ネット依存の90%が、
ゲーム障害に該当するという調査もある。
・ゲームやスマホへの、依存を防ぐ工夫として以下の提唱がある。
ゲームやスマホの、
使用開始年齢を遅らせること、
使用時間を始めから少なく制限すること、
全く使用しない時間を作ること、
家族全体でスマホ使用を減らす、
リアルの生活を豊かにすること、
子供では体を動かす楽しみを、身に着けさせること、
本の読み聞かせ。
・家族全体がスマホ使用を減らすことは、
社会がスマホ使用を減らすことに繋がる。
・電車に乗ると、
乗客が一様に首を曲げて、
スマホに見入っているのは、
異常ではないのか?。
"確かにね、会社の休憩時間とか、
ほぼ全員スマホ見ている。
異常と言えば異常だな。"
・依存症は社会の経済システムにより作り出される。
酒は昔からあるが、
スマホ、ゲームはつい最近まで、
なくても生きてきた。
・スマホの開発は、
人が現に欲しがっているものではなく、
開発したら人が、欲しがるであろうもの、であろう。
人の需要を先取りしなければ、
そうでないと、厳しいビジネス競争に生き残れないから。
人の欲求を待つのではなく、
掘り起こし存在しない需要を作ることが勝利につながる。
であれば、次々に新しい依存症が作りされて行くだろう。
・依存症との戦いに勝ちたいならば、
社会の在り方や、人の欲求を取り扱うやり方を、
根本的に考え直す覚悟が必要。
・人はなぜ依存症になるのか?。
メカニズムには謎が多いが、
脳の回路の報酬系が関係していると、
考えられている。
・報酬系とは、快感に関係する神経回路であり、
欲求が満たされる、満たされると分かったときに活性化され、
幸福感、充実感をもたらす。
例えば、褒められるとやる気が出るとか。
・アルコールなど依存性物質は、
報酬系を直接刺激し、報酬系を乗っ取るのではないかと、考えられている。
ひたすら、依存性物質を摂取するように、個体を誘導する。
・行為依存、摂食障害、強迫性障害のように、
本人の利益に反する行動に没頭する障害には、
報酬系の異常が、広く関与している可能性がある。
・アルコール依存症は不治の病と考えられてきた。
唯一の効果のある治療法は断酒会である。
"おや?、過去形?。"