このアルバムを最初に知ったのは、JAZZ仲間の東京のブロガーから、【「くう」で録音された石田幹雄のアルバムはご存知ですか?】であった。しかし、その時点で廃盤となっていた。
正直なところこのピアニストの名前は知っていたが、その当時はまだ聴く機会はなかった。
アルバム「張碓」は、ピアノトリオによるフリージャズである。このアルバムに参加している、3人のミュージシャン石田幹雄(p)瀬尾高志(b)竹村一哲(ds)は、その後、「奥野義典カルテット/赤い月」で聴くチャンスが巡って来た。4人の力量を存分に発揮し、北海道だけではなく関東方面にもツアーが組まれたほどのアルバムとなった。
ベースの瀬尾、ドラムの竹村は以前から噂が立つほどのプレーヤーで、特に「張碓」を録音した時点で若干17歳であった竹村は、天才ドラマー現ると札幌では話題となっていた。
石田幹雄は、奥野義典カルテットで数回、ネガティブサンと呼ばれるピアトリオ(秋田祐二(b) 三輪雅樹(ds) 石田幹雄(p))でも聴くたびに、すっかり魅せられた。
話しは前後するが、自主作製盤として発売された「張碓」は、既に完売、市場からは姿を消していた。そのアルバムがドラムの竹村一哲さんご本人から譲って頂く機会があり、発売後約2年を経過して私の手元届いた。受け取ったその日は、感動して竹村さんの前では殆ど言葉にならないほどであった。(苦笑)
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●石田幹雄トリオ Live at くう『張碓』
石田幹雄(p)
瀬尾高志(b)
竹村一哲(ds)
1.低音限界
2.高速限界
3.張碓2
4.張碓1
5.雪風
6.郵便屋さん
録音2007年4月1日 ¥2,700(既に完売です)
現在の石田幹雄の演奏は、今もこのアルバムに凝縮されているものと感じる。そして、近年、札幌でしか聴くことのできない、ネガティブサンにおける演奏の進化も、このアルバムが根底になっているものと感じる。
前衛的な音楽もこなす瀬尾(b)と石田(p)、これに加えて当時17歳の竹村(ds)の奥行きの広いドラミングには驚くばかりである。この時点でトリオとしての力は素晴らしい領域に達している。
そしてここでも、石田(p)は、既に即興演奏家として開眼した感じが伝わってくる。体中から止め処もなく沸いてくるメロディーをピアノに叩きつけ、鬼気迫る勢いに圧倒される。石田(p)の才能はまだまだこれから進化を続けるのだろう。
不思議なことにフリージャズでありながら、飽きることのない曲の数々は、石田、瀬尾、竹村が築き上げた一種独特な世界のジャズを感じさせるものがある。3曲目の張碓2、5曲目の雪風のメロディーは実に美しい・・小樽に近い地名゛張碓゛に通じるものがあるのだろうか・・・
機会があれば、この3人でピアノトリオを再び聴いてみたいものだ。
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最後にこのアルバムを入手する機会を偶然にも作ってくれた、ブログ「Drumstick 一哲ファン コミュニケーションクラブ」の執筆者`noaさん`とドラマーの竹村一哲さんご本人にこの場を借りて感謝したい。ご両人の益々のご健闘を微力ながら応援したいと思います。