微生物学研究BANK(Microbiology Science Study(MSS))

微生物学研究BANKのニュースブログ。生物学・遺伝子工学などのニュースを掲載。(記事時系列は無視して下さい)

口腔病変を有する高齢患者への口腔ケア 微生物学的検討(群馬大学医学部保健学科)

2003-03-30 22:11:37 | Weblog
 口腔に病変があり,外科的治療を必要とされる,高齢患者を対象とし,口腔微生物叢を調査した.
 口腔に病変がある患者に対して,5%濃度の緑茶とイオン交換水を用いて含嗽による口腔ケアを施行した.誤嚥性肺炎の起因菌として問題となる,Staphylococcus属,P.aeruginosa,C.albicansの3種類を検出目的微生物とした.
 口腔に病変がある患者群の方が微生物の検出数が多かった.緑茶を用いた口腔ケアでは,検出目的とした微生物に対して,コロニー数の減少と,増殖がみられないことが確認された.よって,口腔に病変がある高齢患者は誤嚥性肺炎に,罹患するハイリスクグループであることが明かとなった.又,口腔ケアに緑茶を用いることは,口腔の清潔維に応用可能ではないかということが示唆された.

口腔病変を有する高齢患者への口腔ケア 微生物学的検討(群馬大学医学部保健学科)
林かおり(群馬大学 医学部 保健学科), 佐藤馨, 深町早苗, 長嶺竹明
群馬保健学紀要(1343-4179)23巻 Page89-94(2003.03)

市販食品を骨髄移植患者へ提供するための細菌学的検討(愛媛県立中央病院看護部)

2003-03-11 22:51:20 | Weblog
 市販食品を骨髄移植患者へ提供するための細菌学的検討を行った.方法は,常温保存の菓子類20食品と4店舗(A・B・C・D店)の電子レンジ加熱処理用食品3種類(おにぎり,パン,一品皿)各10食品を対象に細菌学的検査を行った.
 非加熱の菓子類で大腸菌群・ブドウ球菌数は検出されず,一般細菌数は7食品から検出された.過熱食品でパンの過熱前は一般細菌数7食品,ブドウ球菌数1食品,大腸菌群は検出されず,過熱後は一般細菌数のみ2食品(味付けパン,あんパン)で検出された.おにぎりの過熱前は一般細菌数10食品,大腸菌群8食品,ブドウ球菌数1食品,過熱後は全て検出されなかった.一品皿の過熱前は一般細菌数10食品,大腸菌群とブドウ球菌数は各1食品,過熱後は一般細菌数のみ1食品(オムライス)で検出された.室温保存可能な菓子類は非加熱で,他は電子レンジ加熱処理で安全に提供できると考えられた.


市販食品を骨髄移植患者へ提供するための細菌学的検討(愛媛県立中央病院看護部)
渡部ルミ(愛媛県立中央病院 看護部), 山下広恵, 田井野佳奈, 中川美帆, 岡本あい子, 北尾孝司, 篠原信之
愛媛県立病院学会会誌(0289-5463)38巻1号 Page31-36(2003.03)