微生物学研究BANK(Microbiology Science Study(MSS))

微生物学研究BANKのニュースブログ。生物学・遺伝子工学などのニュースを掲載。(記事時系列は無視して下さい)

コンタクト使用者用の目薬・涙の蒸発抑える(ライオン)

2008-05-31 13:08:46 | Weblog
 ライオンは、コンタクトレンズ使用者向けの目薬「スマイルコンタクトドライテクト」を16日に発売する。

 粘り気のある保水成分「ヒプロメロース」を配合、涙の蒸発を抑えドライアイ(目の乾き)を改善する。コンタクトレンズ装着時に使える目薬は市場が拡大しており、ドライアイを改善するタイプはうち2割を占めるという。

 12ミリリットル入りで希望小売価格は630円。全国の薬局やドラッグストアなどで販売する。

食品の安全衛生に向けて90分以内に細菌数を自動計測することのできる装置を開発(日立)

2008-05-22 11:03:07 | Weblog
 株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)と株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス(取締役社長:瀧澤 照廣)は、このたび、食品の安全衛生に向けて、食品などに含まれる細菌数を、簡便に短時間で自動計測することのできるカセット式細菌数自動計測装置を開発しました。本装置は、細菌の数を蛍光染色して計測する「フローサイトメトリー法*1」を用いたもので、細菌を計測するための全工程を、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術*2で形成した微細流路の計測部を使い捨てカセットに搭載することにより、計測の自動化を実現したものです。これにより、試料原液を注入したカセットを装置に挿入するだけで、これまで1~2日かかっていた食物試料中の細菌数の計測を、90分以内に自動計測することが可能になります。

近年、食品の安全性確保や品質管理についての社会的な関心が高まることにより、食品の微生物検査の重要性が増してきています。従来、食品などの微生物検査では、寒天培地で細菌を培養して、生存している菌を算定する培養法が用いられていますが、培養法では細菌を見える状態にするために24~48時間の培養時間を要することから、簡便に短時間で計測することが困難でした。

そこで、日立は、簡便に自動計測が可能で、さらに迅速な細菌数計測の実現をめざして、このたび、食品向けのカセット式細菌数自動計測装置を開発しました。本装置では、細菌の数を蛍光染色して計測する「フローサイトメトリー法」を用いているため、細菌を培養する必要がなく、また、手作業のプロセスを自動化することにより、簡便に短時間で、食品などに含まれる細菌数を計測することが可能になります。今回開発したカセット式細菌数自動計測装置の特長は、以下の通りです。

1. 90分以内での細菌数計測を可能にしたMEMS技術を用いた「フローサイトメトリー法」
MEMS技術の微細加工を用いて微細流路(寸法:長さ2mm×幅100µm×深さ20µm)の計測部を形成して使い捨てのカセットに搭載することで、送液機構の簡略化および洗浄機構を不要とすることができました。これにより、装置の小型化を図りつつ、「フローサイトメトリー法」を採用することが可能になりました。「フローサイトメトリー法」では、細菌数を直接計測するために細菌の培養が不要となり、本装置では、計測終了までを90分以内に行うことが可能になりました。

2. 前処理から計測までの全工程の自動化を可能にしたカセット方式
試料原液の食品屑除去および細菌染色などの前処理から細菌数計測までの工程に必要なフィルター濾過部、染色容器、微細流路の計測部などの要素をひとつの使い捨てカセットに集約しました。カセットには細菌染色の蛍光色素が1回の計測に必要な分量だけ内蔵しているため、使用者は試料原液を注入したカセットを装置に挿入するだけで作業は完了し、装置が全自動で前処理と計測を行います。

今回開発したカセット式細菌数自動計測装置は小型で取り扱いが容易なため、簡便に食品衛生検査を行う環境を提供できます。また、計測結果を短時間で得られるため、さまざまな付加価値を加えた利用方法が期待されます。

http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2008/05/0522a.html

感染制御を目的とした病院内の細菌学的環境調査(東京薬科大学薬学部病原微生物学教室)

2008-05-19 03:44:20 | Weblog
 6年間にわたり、病院内の空中・床・流しの約250ヶ所の細菌調査を行い、院内の環境細菌の分布を調査し、分離菌数の推移及び部署ごとの比較を行った。
 また分離菌種を同定し、菌種の推移及び院内感染・日和見感染に関与するMRSAと緑膿菌の分布について調査した。
 その結果、病院環境細菌の分布は、個々の部署で独立しているのではなく、病院全体で推移し、ヒトの動向や環境変化に影響を受けることが明らかになった。
 また、空気200Lあたり約40個、床100cm2あたり約650個、流し1綿棒あたり約500万個の細菌が存在し、MRSAや緑膿菌の分布についても知ることができた。今回の調査により、流し付近の整理整頓や頻回清掃などの衛生的な環境保全に向けた努力が各部署に見られ、環境に対する意識の変化が感じられた。衛生的な環境保全、環境細菌の分布を知る上でも細菌学的環境調査を行うことは有用と考えられた。


感染制御を目的とした病院内の細菌学的環境調査(東京薬科大学薬学部病原微生物学教室)
成井浩二(東京薬科大学薬学部病原微生物学教室), 松永宣史, 野口雅久, 能條純一, 富澤崇, 石井隆之, 並木勇太, 山中義裕, 熊木雄一, 諏訪淳一, 奥山清, 明石貴雄, 那須豊, 小山正晴, 内海健太, 若杉和倫, 高沢謙二, 笹津備規
医療薬学(1346-342X)34巻5号 Page441-447(2008.05)

無培養での土壌細菌の電子顕微鏡観察(九州大学医学部細菌学)

2008-05-11 03:33:00 | Weblog
 凍結置換固定法を用いて福岡県の水田土壌の細菌を電子顕微鏡で観察した。細菌の大部分は芽胞、グラム陽性タイプ、グラム陰性タイプ、Mycobacterium様及びArchaea様の5群に分類された。
 しかし、少数の菌は、グラム陰性菌に似た細胞壁構造を持ちながら、グラム陰性菌のペプチドグリカン層に相当する層が芽胞の皮層のように非常に厚いという独特の形態を示し、分類困難であった。土壌中に棲息する細菌が無培養で示す形態学的特徴は、核様体が濃縮状態にあり、細胞質が収縮していることであった。
 同様の形態はSalmonella sp.を低温及び低栄養下で培養することによりin vitroで作成できた。これらの特徴的な形態はresting又はdormantのステージの細菌の特徴と考えられた。


無培養での土壌細菌の電子顕微鏡観察(Electron microscopic examination of uncultured soil-dwelling bacteria)
AmakoKazunobu(九州大学医学部細菌学), TakadeAkemi, TaniaiHiroaki, YoshidaShin-ichi
Microbiology and Immunology(0385-5600)52巻5号 Page265-269(2008.05)

食中毒原因菌の種類判別試薬(タカラバイオ)

2008-05-10 13:06:12 | Weblog
 タカラバイオは8日、食中毒の原因菌であるカンピロバクター3種類を検出する遺伝子検査用試薬を20日に発売すると発表した。遺伝子検査のため検出時間を従来の1週間から2日間に大幅短縮でき、食中毒などの際に原因や感染経路の早期究明が可能になる。価格は50検体分で8万9250円。

 試薬は扶桑薬品工業と大阪府立大学の持つ技術をもとに開発した。