![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/ef/273677f0be41d78cad02e1f0d412ff06.jpg)
(写真は、「鉢石宿」の地名の由来となった「鉢石」)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/0a/085336cf49ea13e388c72817d43a93fc.jpg)
昨晩宿泊したJR日光駅前の「日光ステーションホテル
クラシック 」で朝食をとり、ホテルの直ぐ近くの
「鉢石(はついし)宿」に向かいます。
日光街道には、21の宿場が設けられ、「鉢石(はついし)
宿」は、最後の21番目の宿場でした。
鉢石宿も、日光街道の”地名ルール”の通りに、日光に近い方
から順に、上鉢石、中鉢石、下鉢石の順に並んでいました。
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鉢石宿は、本陣2軒、旅籠19軒で、人馬継立問屋は中鉢石宿
に1か所ありました。
![]() | 完訳 日本奥地紀行1―横浜―日光―会津―越後 (東洋文庫) |
イザベラ・バード | |
平凡社 |
英国の旅行家であるイザベラ・バードは、「日本奥地紀行1」
の中で、明治11年の鉢石宿について、以下の様に書いています。
「勾配のきつい屋根と深い庇(ひさし)を持つ家々が続き、
色合いが暖かく、所々に段差のある急勾配の道をなす
「鉢石」の長い表通りにはスイス的な美しさがある。
この町の通りは息が詰まるほどに清潔だ。」
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(バードの見た鉢石宿 :「聖地日光へ」(隧想舎)から)
鉢石宿の中を通る街道は、日光山に向けて、少しずつ上って
います。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/body_walk.gif)
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街道沿いには、両側に土産物屋が並びます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/98/fadbc75a702af6b4137c999fc4614eb9.jpg)
街道を暫く歩いてから、右手に入って行くと、写真の
「竜蔵寺」があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/ad/bebd7aa4312223979b06d26bd4d7cea1.jpg)
境内には、上の写真の「畠山重慶の墓碑」があります。
1213年、日光山・座主の弁覚は、重慶が謀反を企てていると
鎌倉幕府に訴え出ます。
将軍実朝は、重慶のこれまでの功績を勘案、事実をよく調査
するつもりでしたが、先走った下野国の長沼五郎が、重慶の首
を切って鎌倉に届けてしまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
怒った実朝は、弁覚らを責めて再調査をさせ、その結果、謀反
が誤解であったことが判明します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0143.gif)
弁覚は、自分の誤解から起きたこの事件を悔い、この「竜蔵
寺」を建てて、重慶を供養したそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0211.gif)
この「畠山重慶の墓碑」の横には、戊辰戦争で戦死した下の
写真の「芸州(広島)藩八戦士の墓」もあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/b6/70bec229b0e6dbeb3b4bb9b22431acb0.jpg)
葬られているのは、ほとんどが20代の若者で、最年少は
17才だそうです・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0211.gif)
竜蔵寺の奥の稲荷神社に、写真の「西行戻し石」があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/6c/30057b86e560dfaab95038c0e3bf3645.jpg)
籠を背負い鎌を持ってこの石の上にいた子供に、西行が「小僧
どこへ行く?」と聞くと、子供は「冬萌(ほ)きて 夏枯れ草
を刈りにゆく」と答えました。
(麦は、冬には青々としていて、夏に収穫の時期を迎えるので、
麦のことを「冬萌きて夏枯れ草」と言うそうです。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_3.gif)
西行はその意味が分からず「それは何だ?」と聞くと、「世に
あまねく知れる麦という草を知りたまわずや?」と笑われて
しまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0200.gif)
西行は「手強い相手だ。歌比べでは勝てそうにない。」と、
名もない子との問答に負けた自分が恥ずかしくなって、
この場で黒髪山を拝して、日光を見ずに引き返したそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_5.gif)
「西行戻し石」の隣りに、次頁の写真の「西行法師歌碑」が
ありました。
”ながむながむ 散りなむことを きみも思え くろ髪山に
花さきにけり”
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0148.gif)
(じっとよく見て、桜が散ってしまうのを感じなさい。
くろ髪山(日光山)に桜の花が咲きましたよ。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/d0/a791a3f6f28ed1e9294065b68b01f2ef.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/01/87/b2d477048bfb79eeaefc2fc7b66188b9_s.jpg)
日光街道に戻って少し歩くと、上の写真の「そば処 魚要」
がありますが、ここが「入江本陣」の跡地だそうです。
そして、その先の街道沿いの青空駐車場の裏の本陣だった
「高野家」の庭に、芭蕉句碑が少しだけ垣間見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/9b/0da639a295bb68e6db1713d151eedeeb.jpg)
上の写真の様に、何故か、芭蕉句碑は、この個人のお宅の
庭の中です・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_5.gif)
更に、街道の右手の脇の坂を少し下ったところに、写真の
「鉢石」がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/bd/ccda16d25085757ae5e179071dd091c0.jpg)
「鉢石」は、鉢を伏せた様な形状の直系2メートルの石で、
「鉢石(はついし)宿」の名前もここから来ています。
日光山の開山の祖である「勝道上人」が、この石に托鉢の鉢を
置いて一休みしたのが、この「鉢石」の由来だそうです。
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「はちいし」ではなくて、「はついし」と読みます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_5.gif)
日光街道に戻ると、その先に「鉢石山 観音寺」の案内板が
あったので、急な石段を上って行きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0090.gif)
この観音寺は、弘法大使の開基と伝えられ、石段を上り詰めた
山門からは、日光街道の鉢石宿が一望出来ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_4.gif)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/c8/0e5a4f5451959c42652856139aad279d.jpg)
日光街道に戻ると、上の写真の”日光の美味しい水”「磐裂
霊水」(いわさくれいすい)がありますが、この辺りまでが
鉢石宿でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0140.gif)
日光街道(日光道中)のゴールです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ee_1.gif)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_happy_s.gif)