貧者の一灯 ブログ

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貧者の一灯・特別編

2023年02月21日 | 貧者の一灯

















※ 雄太へ優しい気持ち

いつも、ママを見て気遣ってくれていた、雄太
のために良いママになりたかった。

仕事柄色んなママを見ていたから結構高い
ハードルを作ってしまった。

手作りの服、手作りのおやつ、憶えている
だろうか?

友達の家に行く時も「ママの作った物が良い」
って言われて作っていました。

雄太が喜ぶから作っていたんだよ。今思い出
しても楽しい良い思い出になっています。

二人分しかない食べ物を雄太と将太に出す
と必ず「ママの分は?」って聞いてくる。

「ママはいらないよ」って言うと「僕の分を食
べて」、そう言ってくる。 こんなやり取りは数
えきれないくらいたくさんあった。

物心が付く頃からずっと家族を思いやって
我慢のできる子でした。

どうしてそうなったかは分からない。パパ
に言わせると「俺に似てる」ということになる。


※…少年の船

小学校の六年生の時、「少年の船」のイベント
に参加したいと言ってきた。抽選で参加が決
まると聞いて、外れると思って申し込んだら
当たってしまった。

心配で不安で、帰ってくるまでハラハラして
いた。この頃から雄太はママから少しずつ
離れていった気がする。

自由じゃなかったんだね、きっと。 パパに
「雄太君を自由にしてやってくれませんか?」
なんて言われたことを思い出す。

雄太はどう思っていたんだろう?

ママのために 小学校の時の算数教室、
料理クラブ、何でもかんでもママのため
に頑張ってやっていたように思う。

料理クラブのお菓子は全部お土産で持っ
てきてくれたよね。

レシピは雄太が「捨てないで」って言った
から今でも残してあります。

レシピを見てスノーボールのクッキーとか
作ってくれたよね。美味しかったな、また
作ってもらえるかな? 。 …


※…敏感な性格

夫婦喧嘩、憶えている限りだと片手に収まる
程度だけれど何となく気まずい雰囲気とかは、
たまにあったと思う。

将太は全く感じない子で空気を読まない。
反対に雄太は敏感でちょっとした一言で
感じ取ってしまって気を遣う。

それはかなり小さい時からで、雄太の様子
に親としてどうしたものかと、よく悩んだのを
思い出します。

不機嫌そうなやり取りのちょっとした一言が
雄太の心を傷付けてしまうようで、雄太の
顔色を見てしまうことが多くなって、…

それをまた雄太が感じ取ってしまう。何とも
言えない負の連鎖だったと思う。

もっと、子供の前で夫婦喧嘩を見せておけ
ば良かったかと……今となってはどうにも
できないことだけれどね。

ママは夫婦喧嘩の絶えない家庭で育った
から子供の前で喧嘩しないことに、かなりの
こだわりがあった。うまくできたかは分かり
ませんけどね。


※…チック

小学校二年の時、クラスの女の子が「死ぬ」
って言って大騒ぎになった。

雄太はチックという症状が出てしまい眼科を
受診することになる。

目をグルグルと回したりパチパチと瞬きを
ずっと繰り返す。

実はチックという症状は眼科で受診するまで
気が付いていなかった。

医師に 「これは目の疾患でチックというもの
です。何かありませんでしたか」

「まつげが一本もないですよ、自分で抜い
たと思いますが」。

もう、目の前が霞んでしまうようなショックで、
どうやって治せばいいのか分からなくて泣い
てしまいました。

雄太の話だと「飛び降りて死ぬ」って言って
る女の子を自分が助けたんだ、と。

どんなショックを受けたんだろう。

毎日毎晩、抱きしめて寝ました。 どれくらい
かかったかは忘れてしまったけど、…

しばらくして元に戻りましたが、雄太のデリ
ケートな部分をまた感じて不安の種になっ
てしまいました。

心配しすぎて先の先まで予想して心配を
どうにかしようと四苦八苦していた。心配は
尽きない。どこまでも続くエンドレスだった。

雄太の気持ちを考える余裕もなく自分の
気持ちを優先して色々やっていたね。
今、振り返ると「ごめんね、雄太」、


※…そんな気持ちになってしまう。 不安

雄太は人と係わることが好きで、いつも
友達が周りにいる印象でした。

でも、小学校の高学年になった頃から「一人
が不安なんだな」って思うようになってきた。

心細そうな様子を見て、またまた不安が募っ
て雄太から目が離せなくなってしまった。

パパは「そこまでしなくても、いいんじゃないか」
って言ってた。言われても止められなかった。

困ったもんだね。ママのやりすぎを感じて
いたと思うけど言葉にして拒否したことは
なかったように思う。

あったのかもしれないけど気が付かなかっ
たのかもね。…

つづく










author 「金八先生」のモデルで知られる
坂本光男さんの記事

今の子どもたちは政治家とか学校の先生とか、
世の中のことや大人のことをあまり信用しなく
なってきました。  

それは周りにいる大人が信用されるようなこと
をしていないからです。こんな世の中になっ
ている今だからこそ、本がとても大事だと思っ
ています。  

うちの孫たちに人気があるのはシートン動物記
の『狼王ロボ』です。

孫が小学1年生の時でした。

私の娘がその本を読んであげていると、
「お母さん、僕の目どうかしてる?」と聞
いてきたんです。  

「どうして?」と聞くと、その本を読んで感動
して涙が出ていたんです。

だけど小さいから何で涙が出てくるのか分か
らなかったんですね。  

娘は「素晴らしい本を読むとね、自然に涙が
出てくるときがあるのよ。お母さんもこの本を
読んだ時はいっぱい涙が出てきたんだよ」
と言ったそうです。


※…『大きなかぶ』という絵本をご存じですか。

「うんとこしょ、どっこいしょ」と、ネコやネズミ
まで一緒になって大きなかぶを引っこ抜く
お話です。  

「これを家でやろう」ということになり、私が
かぶの役になって、家内と娘を呼んできて
やってみたんです。

でも家族では足りなくて、最後には隣のおば
さんまで呼んで「うんとこしょ、どっこいしょ」っ
てやりました。  

その時、娘が「いいね、いいね。力を合わせ
れば抜けるよね」と言ったんです。

知らない間に『大きなかぶ』の中から大切な
ものを学び取っていました。


※…
相田みつをさんの作品に『トマトとメロン』と
いうのがあります。

これを小学1年生の公開授業で使いました。
トマトとメロンの絵を見せながら、「トマトとメロン
はそれぞれ自慢できるものを持っています。

さぁ、どんな点が自慢できるでしょう。

グループで話し合ってください」と投げかけ
ました。  いろんな答えが出ました。

「トマトは赤いのが自慢で、食べるとピュッと
甘い汁が出る」とか、「トマトは安くて数が多く
買える」とか。

メロンについては、「いや、こっちのほうが甘い」
とか「おいしい」など。  

中に1人、「メロンは病気のお見舞いに役立つ」
と答えてくれた子どももいました。  

相田みつをさんはこの作品の中で何が言い
たかったのかというと、…

「それぞれ良い点があるけど、自慢し合うばかり
じゃなくて、良い点を認め合っていくことが大事
じゃないか」ということでした。  

そこで子どもたちに問題を出しました。  

「トマトとメロンが自慢し合ってるだけじゃケンカ
になっちゃう。どうしたらこの両方が仲良く生き
ていけるだろう」  

どんどん手が挙がりました。「半分ずつ食べて
みればいい」という意見も出ました。  

もうそろそろ40分の授業が終わろうとしていた
とき、1人の女の子が手を挙げました。  

「人それぞれに違いがあって、それぞれに
いい点があるんだから、認め合って生きて
いけばいいと思います」  

この授業を後ろで見ていた20人ばかりの
先生たちが「おぉ」と驚きの声を上げました。  

授業が終わって、私は担任の先生に聞き
ました。「あの子のあの表現力って何でしょうね」  

すると担任の先生は、「あの子はよく本を読ん
でいる子です」と答えてくれたんです。  

だからあんなに素敵な言葉で表現できる
力があったんですね。 ……












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