冷え込みのきつい朝だったのだと初めて分かりました。

散水ホースが凍っていたのです。
水道の蛇口はタオルを巻いているので大丈夫ですが、ホースに取り付けた散水器の中が凍っていました。

一瞬困惑したのですが、10時半頃には水がでるようになり、やれやれ一安心でした。
朝食後の休憩をしていた母は、寒いから入りたくないと難色を示すのです。
「ベッドの横に魔法のお風呂を作ってくれるから、寒くないのよ~」と言い聞かせても、
「もう良いよ~、今日は。
じっと寝ていたいから・・・」
体温も血圧も正常だし、きっと喜ぶと分かっているので、やや強引に湯舟に入れてもらいました。
とたんに、「わぁ~♪」と歓声をあげ始めご満悦です。

今はお昼寝タイムでぐっすりと心地よい眠りに入っています。
午後は第2週の水曜日ですから、老先生が看護師さんを1人かばん持ちとして伴い、在宅往診してくださいます。
何も言うことはなくご機嫌ですが、血圧の薬をいただくために母を連れて病院に行くのが困難になってきたので往診くださるのです。
ドライブが大好きだった母でしたが、膝が伸びないから車に乗り込めなくなったのです。
テレビの音も最大にして聞こえるようにリモコンで調整していましたが、聞こえないので不思議そうに手に持って操作をし続けています。

聞きたいのだなあと見ていて思うのですが、補聴器を誕生日プレゼントで娘一同として贈ってあげたけど、使いこなすことができませんでした。
すぐにポケットにしまいこんでしまいました。
だんだん自由な世界が狭くなっていきます。

左手の指も親指と人差し指の2本が動くだけで、ぐうができません。
シャツを着るときに指を広げたままだとあちこちにつっかえて危ないから、
「ぐうにしましょう♪」といつも声かけをしていたのでした。
3日くらい前に異常に気がついたのです。

スプーンを持つ右手も握力が弱くなり、ふわりと握っているだけなので、よく落としてしまいます。
10日前に出来ていたことがぽろぽろこぼれ落ちていくという焦りにも似た気分を私は感じます。

永久の命はないとわかっていても、消えていく機能を数えるのはとても辛いものがあります~
声は聞きなれた母の声です。
笑い声も~
じっと私の動きを見守る視線も以前と同じ。
10品目を目安に彩を工夫して、毎食見た目で喜ばせてあげようと心がけています。
見て喜ぶ・食べて喜ぶ・歌って喜ぶ

残っている機能を目いっぱいに使って一日でも長く楽しい日が続くように組み立ててあげたいと願っています

それが私のかけがえのない大きな喜びなんです

続きはまたあしたね~♪
