過疎の村なので、人影を見るのはヘルパーさんが初めてです。
朝からまだ誰にも会っていないわ~と思っていました。
最近は声をかけてあげるまで母はベッドに横になっています。
目は開けているが、指示待ちといった感じで動こうとしないのです。
何かにつけてスローモーな動作になってきました。
お化粧を忘れず、新しいブラウスを喜び、ドライブの好きだった母はもう思い出のかなたに消えてしまって、無気力な顔つきが哀れで悲しくなります。
親孝行できる喜びを毎日感じて上機嫌だった私ですが、最近では疲れてきたのかいつまでかわいそうな姿を見ないといけないのかと寂しい気持ちになることが多いのです。
どんどん回復して活き活きした表情になることを願っても無理だけれど・・・
哀しい姿を見せている母が認知症だから良かったんだとさえ思われてきます。
自覚できていたら悲しむに違いないはず~
皮膚も弱っているので、脇の下や乳房の下に湿疹ができやすく毎朝の清拭と手入れは欠かせない日課です。
痛みやかゆみにも鈍感なのが幸いしていて、かきむしることもないのです。
治療を受けている目的も理解できていないようです。
痛みや苦しみや悩みを感じないで、天寿を全うする母なのだ~と思います。
楽しみはまだまだ残っています。
好きな果物(スイカ・ブドウ・ミカン)や蛸やイカを食べること~
そして、歌謡番組の録画を見ること~
ヘルパーさんの介護を受けながら活き活きしている母を見るのはうれしいものだと感じました~
「マサエさんは詩吟が上手だったから、声に張りがあっていつまでも大きな声がでますねえ~」とほめ言葉をかけてくださっていました。
最近の私は腕の痛みがあるので、優しさのかけらもなかったと気づきました。
ほめてあげたくっても褒めることがなにもないのです。
丁寧な言葉で人間扱いをしてくれ、声を荒げることもなく事を進めてくださる様子を見ながら、たくさんのことを反省させられたし、教えられました。
原点に返ったようなショックを受けていました~
入浴介助は私のとげとげしさに気づかせるための、元の優しい気持ちを取り戻すための時間でもあったのでした。
お風呂上りできれいになった母の顔を見て、
「お母さん、別嬪さんになったわね~
ピンク色でとってもきれいよ~♪」と心のそこからの言葉が出ていました~
うれしそうに笑いながら品を作っている母~
私の優しい一言に飢えていたのかもしれません~
申し訳なかったと心の中で詫びていました。
火曜日と金曜日に入浴介助をお願いしているのです~
良い刺激をたくさんいただけて母娘ともに喜んでいます。
話し相手のいない過疎は本来の人の優しい気持ちまで蝕んでいたのですよね~
気分転換がうまく図れずに曇りよどんでいたのですね~
要介護3の認定で新しく生活を見直せてよかったとつくづく感じているのです。
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