毎週土曜日に為替トレンド確認のために個人的に行っているトレンド分析の12月2日分(10月30日~12月1日)。
分析結果と各ペア動きのまとめ
トレンド分析のサマリ部分(見方の説明は2020年2月3日の記事参照)。
分析結果と各ペア動きのまとめ
トレンド分析のサマリ部分(見方の説明は2020年2月3日の記事参照)。
各通貨ペアの日足チャート
出所:セントラル短資FX|為替チャート一覧
ドル円は、先月の記事に追記したように10月に為替介入がなかったことや日銀が金融緩和の継続を決定したことを受け、10月31日には3円近く急伸して151.7円台を付けた。しかし、11月1日発表のISM製造業指数が3カ月ぶり低水準だったことに加え、FOMCで利上げ見送りを決め、パウエル議長が利上げ終了の可能性を示唆したため反落した。さらに、11月3日発表の雇用統計で米雇用は予想以上に伸びが鈍化していたこと等で一時149.1円台まで下げた。
その後は順調に戻す中、11月9日のIMF会議でのパウエル議長の一段の引き締めをためらわない旨の発言も受け、11月13日には151.907円の高値を付けた(昨年の10月高値は151.942円)。しかし、11月14日発表の消費者物価指数が予想より0.1%悪かったことを材料に追加利上げ観測が後退し、150.1円台まで急反落した。翌日には反発の動きもあったが続落となった。
その後は順調に戻す中、11月9日のIMF会議でのパウエル議長の一段の引き締めをためらわない旨の発言も受け、11月13日には151.907円の高値を付けた(昨年の10月高値は151.942円)。しかし、11月14日発表の消費者物価指数が予想より0.1%悪かったことを材料に追加利上げ観測が後退し、150.1円台まで急反落した。翌日には反発の動きもあったが続落となった。
11月21日には一時147.1円台まで急落したが、特に目立った材料はなく、ドル買ポジションの解消の動きだろうとみられた。その後149.7円台まで反発したが結局反落し、11月29日にタカ派のウォラーFRB理事の一般論としての利下げへの言及を受けて146.6円台まで下げた。
翌日は反発したものの、12月1日発表のISM製造業指数が13カ月連続の縮小圏となったため一時146.6円まで下げて、11月29日の安値をわずかに更新し、146.8円台で終えた。11月13日の高値から上値と下値を切り下げる動きとなっていて、本日のトレンド分析でもついに売転換となった。
ユーロドルは11月1日安値$1.05166を起点に11月29日高値$1.10172までの上昇トレンドとなった。トレンド分析でも11月4日、11日と日足ベースの分析では中立の値となり、11月18日には買転換した。
しかし、11月29日に発表されたユーロ圏インフレ率は2年ぶりの低水準となり、その後は利下げ開始を織り込む動きとなって、11月30日には来年4月の利下げを開始を完全に織り込んだ。市場では来年4回の利下げを見込んでいる。11月29日以降は急反落となって、一時$1.082台を付けた後、$1.087台で終えた。
ユーロ円は上昇トレンドで11月16日に164.308円の高値を付けた。その後はドル円とユーロドルの綱引きの中で反落、少し戻したものの下げが勝り、ドル安とユーロ安の重なった12月1日には159.6円台まで下げ、159.7円台で終えた。
各国の動きとニュース
ユーロ円は上昇トレンドで11月16日に164.308円の高値を付けた。その後はドル円とユーロドルの綱引きの中で反落、少し戻したものの下げが勝り、ドル安とユーロ安の重なった12月1日には159.6円台まで下げ、159.7円台で終えた。
各国の動きとニュース
米国関連
11月1日 ISM製造業指数
11月1日 FOMCとパウエル議長の記者会見
11月3日 雇用統計
11月9日 国際通貨基金(IMF)会議でのパウエル議長の発言
11月14日 消費者物価指数
11月29日 ウォラーFRB理事の講演
12月1日 ISM製造業指数
EU関連
11月29日 ユーロ圏インフレ率
11月30日 市場では来年4月に利下げ開始を完全に織り込み
EUでは昨年から続くウクライナ戦争に加え、イスラエルとハマスの衝突もあり、地理的に近いため経済に悪影響が出ている。しかし、そもそもEUの経済的中心であるドイツの政策がおかしくなって経済も変調をきたしてきたことの影響が大きいのだと思っている。以下の2つの記事はその辺りのまとめとしてよいと思う。日本の政治を見ていると他人事ではないが。
日本関連
日銀は基本的に変わらず、植田総裁も金融政策の正常化を急ぐ考えはない旨の発言を続けている。しかし、11月29日に日銀が開催した実務者会合ではマイナス金利解除に向けた各社の準備状況などについて意見交換があったらしいので、実務的には検討されているのだろう。現実のインフレは無視し続けているが、来年4月の賃上げの状況を見て緩和解除に動くというシナリオができているのかもしれない。
11月9日 植田日銀総裁のインタビュー
11月29日 日銀の開催した実務者会合
日銀が変わらなくても米国の金利低下で少し円高方向に振れ始めている。米国やEUの利下げと日本の利上げが重なると、実際の金利差は大きいままでも円高材料として見られて案外円高が進む可能性もあると考えている。