Myselves

言葉と音楽に隠された魔法を探して放浪中。
そんな『自分自身』たちの旅の様子は?

バレエ『シルヴィア』

2006-03-12 00:06:49 | 舞台
今更ながら『シルヴィア』のDVDを見ました。貸してくれたまやまやには感謝です。

……曲の解説書いてるときに知ったんですが、DVDにもなってるバレエ版とオケのスコアに書いてあるストーリーは話が少し違うんですよ。ジョン・ノマイヤーという人が新たに振り付けしたものだから、らしい。一応スコア版のほうはバランシン振り付けのパ・ド・ドゥとフレデリック・アシュトンによるものがあるらしい(DVDの解説による)。
ノマイヤー版でもシルヴィアがディアナに仕えるニンフでアマンタと恋に落ちるとか、アムール(エロス)が進行役っぽかったりとか、オリオンがシルヴィアを誘惑するとかは一緒だ。しかし、このバレエではオリオンはアムールが変身した姿だし、ディアナがひそかに想いを寄せるエンディミオンはスコアの方には出てこない。何より結末が違う。スコアの方では結ばれるアマンタとシルヴィアだが、バレエでは別れてしまうのだ。
でも愛し合ってるのは確かなんだなーと思った。愛しているからこそ別れる、そんな選択肢もあるんだなと。
いや、バレエが表現してるのは違うのかもしれないけど、台詞も歌詞もないからダンサーの動き・表情とオーケストラの演奏をどう解釈するのかは観客の自由っていう面もあるわけで。最後の場面でシルヴィアが別の男性と去っていくのを見て、アマンタのことを愛しているけど、その男性を好きになったんだなと感じた。何度もいうようだが「好き」と「愛してる」は違うのだ。
「好き」な人と「愛する」人が同じなら問題はないが、違うときは難しい。このことについてはまた別の機会に譲るとしよう。

で。
楽しめましたよ。秋定でやった6曲が聞こえると、その曲にまつわるあんなことやこんなことを思い出したりして。「ああ、ここではK先生がこんなことを言ってたな」とか「このホルンはまさみん先輩のソロに聞き惚れてたっけ」とか「苦労したな、Asの音程」とか。単に筋を追うだけでなく、そんな見方もありかな、と。
話違うけど、『狩の女神』の金管のメロディー、あれはシルヴィアのテーマじゃなくてディアナのテーマみたいです。シルヴィアのテーマはたぶん組曲に入ってないんじゃないかな。たぶん『シルヴィアのヴァリアシオン』みたいなのがあるんだと思う。シルヴィアが1人で踊ってるときにかかってた曲じゃないかなあ。

見ながら思ったんだが、定演前に見たかった。そしたら「どう演奏するか」っていうことの参考になったと思うんだ。その通りに演奏すれば良いかというと必ずしもそうじゃないと思うけどね。オケだけのとバレエがあるのでは似ているけど違うと思うので。
そんなわけで、もし次の秋定の曲がバレエ音楽(『シンデレラ』『くるみ割り人形』『白鳥の湖』)のどれかになったら、時間を作ってバレエを見た方が良いと思うんだ。『道化師』ももしあるなら見た方がいいと思うけどないだろうな。乗る人全員で合奏の時間とかに……。時間たりない? ムリかな?


やっぱり『シルヴィア』は前奏曲が一番好きかもしれない。いや、全部好きだけどね。好きな曲のトップが吹けたなんて幸せだ。
そして『シルヴィア』をもとに物語が書けそうだなと改めて思った。

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