

(Brasil/RJ)
今週の土曜日(2/5)からブラジルではカーニバルが始まる。(現地ではカルナバルという)
現地では週末の大騒ぎを控え、今頃はもう仕事モードではなくなっているはずだ。
今のブラジル人の頭の中は仕事10%、カルナバル90%くらいといっていいだろう。
ちなみにカルナバルはリオのものが最大規模で豪華絢爛なため世界的に有名だが、この時期はブラジル全土がカルナバルだ。サンパウロでも規模は劣るが同じようなスタイルのカルナバルが行われる。最近では東北部バイーア州サルバドール、ペルナンブーコ州レシーフェ/オリンダのカルナバルもリオに負けないくらい規模が大きく、ヨーロッパ人を中心に観光客が押し寄せる。ちなみにバイーア、ペルナンブーコのカルナバルは市民参加型のストリート・カーニバルであり、観客席を設置した通りを行進するリオやサンパウロのものとは別のスタイルだ。これら東北地方では既に1ヶ月くらい前からカルナバルは始まっている。その熱狂とパワーは世界でも類を見ない祭りと言えるだろう。
話がそれたが、リオのカルナバルのイメージキャラクターに『Globeleza』と言う女性がいる。TV局、新聞社などを持つブラジルの大手マスコミGlobo(地球の意)が1993年に初めてオーディションを行い、一人の女性が任命された。
彼女の名はValeria Valenssa。典型的な黒人系ムラータ(混血)美女だ。(写真左)
私は1992年に初めてリオのカルナバルを見て以来ずっと見続けているが、彼女を始めて見たときは正直かなりの衝撃を受けた。なぜなら『衣装』がほとんどなく、全裸に近い状態なのだ。
毎年ボディペインティングや紙らしきものを貼ったりして最小限のものは隠蔽しているのだが、、、このような女性が毎日テレビをつけると画面いっぱいに踊りまくっているので、当時は『いいの?こんなの?』と思った。
Globoは日本で言えばNHKみたいな存在だから、日本でやったら女性団体などから大変な抗議がくるに違いない。ただ確かにいやらしさは全くないし、当人も周りも恥じらいのようなものは感じられない。もちろん盗撮しようなんてヤツはいないしカメラを向ければ堂々とポーズをつけてくれる。見ているブラジル人も軽く笑い飛ばして終わり。この辺が文化の違いだろう。どちらがいいということはないが、私はこういうことに寛容で明るいブラジルの国民性は大好きである。
こんな彼女なのでリオのカルナバルと言えばGlobelezaというくらいブラジル人のハートをつかんでいたし私にとっても青春時代の思い出として存在感は大きかった。
しかし20才そこそこでデビューした彼女もGlobelezaを12年務めた。今や結婚して子供もいる。デビュー当時より若干ふくよかになった。世代交代の時が遂にきたのだ。
昨年末に2代目のGlobelezaが決定した。
名前はGiane Carvalho。同じく混血ムラータである。(写真右)
新しいGlobelezaには先代同様国民に愛されるよう頑張って欲しいが、Valeriaの交代は自分も年を取ったなあということを改めて痛感させられ、淡い寂寥感を感じずにはいられなかった。