雨癒~喜びは悲しみによって支えられている~

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穂村弘先生に講評してもらった日

2023-05-31 14:33:49 | 日記

5月27日、せんだい文学塾で行われた短歌講座に出席した。


アドバイザーに文芸評論家の池上冬樹先生、講師には、な、なんと、大ファンの穂村弘先生。

穂村先生の本との出会いは、育児に没頭していた頃、親友から『面白いから読んでみて、電車で読んじゃだめなやつ。』と『本当はちがうんだ日記』をプレゼントされたのがきっかけ。


育児ノイローゼ寸前の私を救ってくれた本だ。

親友と私しか共感できないだろう現実における『驚異=ワンダー』をこんなにも面白く表現できる作家さんがいるなんて。


衝撃を受けた。その後、彼の作品を読み漁り、大ファンに。

そんな憧れの穂村先生の講義を生で聞けて、し、しかも!私が作った短歌が採用され講評してくださることに!

まさか、あの穂村弘先生にお会いできて、しかも私の短歌を講評してくださるなんて。

講評してくださると決まった日から、約40年生きてきて、経験のないたぐいの緊張が。


過去あれだけ頑張っても成功しなかったダイエットが、何もしなくても3キロ痩せる事態に。


どれだけ頑張っても夕飯づくりと共に飲むビールがやめられなかったのに、あっさり禁酒成功。

これはただ事ではないぞ。

ただ事ではないとはいえ、私もいい大人。


いい大人どころか、太ったただのだらしないおばさん。穂村先生の前では、冷静沈着に、いち生徒として理性的に振舞おう。

とはいえ、穂村先生はモテると耳にしたことがある。生穂村先生がいくら素敵であろうとも、動じるなどハシタナイこと。心に鎧を纏わせ、いざ出陣。

何を隠そう、岩手のバスと、東京のバスしか乗ったことがなかった拙者。仙台のバスに乗ることがこんなにも恐ろしいとは。

まず、駅から乗り場が見えているのに、出れない。飛んでいく方法しか思いつかない。


なんとかバスに乗るも、思ったより遠く、本当にこのバスでよかったのか終始、ハカハカ。


無事、文学館前について降りようとしても、

おつりを入れるとこに料金をいれてしまい

小銭がじゃらんじゃらん落ちてきて、焦る焦る。

仙台のバスを甘く見ていたよ、まさに『驚異=ワンダー』

運転手さんに『仙台のバスに乗るのが初めてなんですが、どこに運賃を入れればいいですか。』と聞いて、やっと下車。


この年齢で『初めて』なんて言葉、久しぶりに使った。


穂村先生に会えるのが楽しみで3時間も早く着いて、仙台文学館の周りを散歩。

想像していたよりワイルドな公園、散歩というより、登山。さすが杜の都仙台。駅はあんなに都会なのにこんなにも自然にあふれている。

仙台文学館でいわさきちひろ展が開催されていて、見学しながら待つことに。


ちひろよ、ごめん。今日ばかりは、こんなに素晴らしい絵を見ても緊張でなにも頭に入らない。


わびとばかりに、カフェでちひろ展限定のドリンクを飲む。

のどを潤し、落ち着きを取り戻してお手洗いへ向かっていると

向こうから、ふわふわと不思議そうに歩く人影が。


きたーーーーーーー!!!!!

穂村先生だ!!!!




しかもこちらに向かって歩いてくる。

どうしよう、あこがれの人が目の前に。

予定通りトイレに入ってしまう。

一言話すチャンスだったかもしれないのに。

穂村先生に会えた衝撃で出るものもひっこみ、手だけ洗ってトイレを去ると、目の前を穂村先生が通過!!!!!

なんだか、心にすんごい衝撃が。


目の前を通っただけなのに、こんなにも衝撃をくらうなんて、二時間の講義もつのかな。

緊張で体調が悪くなった時のため、出口に一番近い席を確保!!!

ついに講義がはじまった。

終始穏やかにゆっくりと話されていてすぐに緊張が和らぐ。

声が、やさしくとろとろで、鼓膜を柔らかく整えてくれているようだ。

講義もとにかく面白い。池上先生の進行もお上手。生徒の皆さんの短歌も素晴らしく説明もお上手。

ついに、ついにラスト、私の短歌が発表される番だ。マイクをもって話すも、話したかったことの1割も話せず、しかもマイクのスイッチを入れ忘れる。

こんな説明でも、池上先生が世界観を十二分に理解してくださり、穂村先生からは『エロい』『アウト』と評価してもらえた。

よし、穂村先生を短歌で赤面させることができた。

『エロい』だなんて最高の誉め言葉。

上手く話せなかったけど、短歌で赤面してもらえて光栄だった。

しかも短歌のなかでわざと『主人』と表現したところを、一瞬で見抜いていた。


『看護師っていってんのに、主人っていってんだよ』と。


さすが穂村弘。

あなどるなかれ!!!

穂村弘は伊達じゃない。

短歌を詠む天才であるもはもちろんだけど、他人の短歌の心情を読む天才なのだ。

前日まで心に鎧をまとい、武装していたのに

一瞬で、心がはだかんぼうに。

講義後のサイン会では

あんなにふわふわと優しい声を出していたのに渋く鋭い声をだされていて、驚異。

しかもサインを書く動作がなんとなく荒くって、別人のよう。黒い用紙に黒いペンで書く動作をされて、私の口からこんな声出たんだと、本人も知らなかった類の声を出してしまった。

理性的にふるまうと誓って出陣したのに、惨敗。

こんなに魅力的な人いるんだな。

モテるなんて簡単な言葉では表現してはならない、壮絶な魅力を感じた。

5月27日の1日で、1年分相当の感情が突き動かされた日だった。

あの時も、あの時も、あの時も、死ななくてよかった。

死にたかったあの時の自分に

『憧れの穂村弘先生に、短歌をよんでもらえる日がくるよ』

と教えてあげたい。


逃亡

2023-05-10 19:31:06 | 日記
今日は旦那が在宅勤務。

なぜか朝から機嫌が悪く、
こちらまで息ぐるしくなる。

娘を送り出したあと、ガチャガチャと食器を洗い、マッハで洗濯を干し、車で逃亡🛫

自宅から遠くにいけばいくほど
息はしやすくなり、こころは軽くなる、
逃げに逃げる。

辿り着いた先は



御所湖

車から降りて深呼吸。
やっと落ち着いて空気が吸える。


御所湖は雫石川を塞き止めてつくった
人造湖だが、波が激しいときもあり、
今日は波ひとつなく、今まで訪れたなかで
一番穏やかで神秘的な様子だった。




湖が鏡のように景色を写し出す


橋の向こうを覗けば
鹿妻穴堰も水面に写し出されている


まるでGW頑張って働いていた
つなぎ温泉の従業員の方々を
労っているような
おそろしくきれいな湖だ





御所湖をあとにし、逃亡は続き
気がづけば
道の駅『雫石あねっこ』まできていた


いつも逃亡時すぐに日帰り温泉に行けるように車にタオルを常備している。

正解だった。

入浴料520円を払い、いざ出陣!


シャワーがしゅわしゅわで、
このシャワーだけで
520円を払う価値がある
自分のタイミングで
止めたいときに止めれるタイプで嬉しい

全身くまなく洗い、
纏わりついた嫌な気を洗い流す

しゅわしゅわしゅわわわ

嫌な感情よ、あばよ。

とぷん。

ぬはぁ~

湯船に浸かった瞬間、声がもれる

こんこんとわき出る湯は
濃厚な化粧水に浸かっているようだ

ブクブク泡のお風呂で腰の痛い場所に
ジェットをあてる

くぅ~~~

効くぅ



のぼせないうちに露天風呂へ

雫石川のせせらぎに耳を傾けながら
新鮮な空気を吸い
外の新緑をながめる

緑色のもみじの葉っぱがゆらゆら

あぁ、この葉っぱみたいにゆらゆらと
何にも誰にも縛られず
自分のペースで
ゆっくり生きていけたらなぁ




湯上がりは休憩スペースで
緑を眺めながら
タフマンをぐいっと飲む!


よしっ、全ては整った



































雨の岩手公園

2023-05-06 18:55:15 | 日記
今日は待ちに待った雨の日。

雨の音でほっとしながら目が覚めた。

雨の日は頑張らなくてもいい気がして
落ち着く。

街に人が少ないのもいい。


雨の岩手公園

石垣と緑のトンネル


ぐにゃぐにゃとした泥道を歩き
童心に帰る

昔よくした『どろんこ遊び』を思い出す



水分をたっぷりふくんだ新緑が
目にも心にも栄養をくれる


巨大な歴史ある木


マイナスイオンをたっぷり浴び
マスクをずらして深呼吸

澄んだ空気に肺も潤う



池に水が落ちて模様ができている


雨の音を聞きながら
公園さんぽするのもよいものだ
























静寂な博物館にて粗相

2023-05-04 17:30:25 | 日記

愛車をのろりくらり走らせ

『岩手県立博物館』へ🚙



駐車場から入口にかけての階段
トンネルのような作りが冒険心を刺激する


壮大な外観とシンボルツリー


巨大な仏像が出迎えてくれる
コロナ前と変わらない、堂々たる姿に、ほっとする。


巨大な恐竜、一度生でお会いしたかった




復元された展示が多かったが
これは実物。
コロンとしていて愛らしい。
平安時代の人がお守り代わりに大切に胸に忍ばせていたのかな。



今流行のレトロかわいい扇風機

中目黒あたりのオサレな雑貨やさんにありそう


時間に追われずゆっくりと観覧していたが

・・・娘、終始、放屁

気づいただけで5回

博物館の厳かな静寂のなか堂々たる放屁


あまりに堂々としていて
注意するほうがおかしい気がしてくる


優秀な学芸員さんの前を通る際も
労いのつもりか、はたまた
あいさつのつもりか、タイミングよく放屁

家に着いたあと、愛車で放屁
降りてからじゃねんだな。


娘曰く
『次乗る時の楽しみに
だそうだ。





子育て・・・・・成功









難事を慰める老舗喫茶店 車門

2023-05-01 18:51:51 | 日記
背徳の立ち食い天ぷらの至福から一転

昨日は子ども会の役員行事があった。

人は距離が近いほど争いは起こりやすいという定説があるが、まさに、子ども会の母親同士なんざ、危険性をはらみにはらみまくっている


中年になり思うのは、人と人なんざ、うまくいくほうが珍しいと。


ましてや、ただ同じ町内といふだけの母親同士なんざ、うまくいくなんて奇跡よりはるか上の何かかと。


それでも、娘のため、なんとか当たり障りなく無難にこなしたい。


不器用な拙者、そんなことなどできるはずもなく。

誤解されてしまったかもしれない、なんとなく当たりが強い。
ぼこぼこになりながら、なんとかこなし、得体の知れない疲労感が。


今朝は娘を送り出したあとは吸い込まれるようにベッドイン。


現実逃避の睡眠


起床後なんとか気力をとり戻し、
録画しておいた『ずん喫茶』を見る。


そこには、外国人あいてに、
お笑い芸人の飯尾和樹さんが


『忍法。メガネ残しっっっ👓️』


とギャグを披露。


ちっともかっこつけない姿と、優しいギャグに、ほろりと涙が溢れそうになる。


お笑い芸人さんはすごいなぁ。

疲れた人を一瞬で笑顔にして、
自分はカッコ悪くて構わない。
素敵すぎる。


『ずん喫茶』に励まされ、
気分転換に『雨癒喫茶』を開催。


場所は盛岡の老舗喫茶
『車門』さん



素敵すぎる店構え


電球と南部鉄瓶の風鈴のコラボレーション



赤絨毯の階段を上がれば



味わい深い異空間



素敵な電球が心に灯火をくれる


あんみつと迷ったが、黒パフェを注文


雰囲気ぴったりな店員さんが階段を一生懸命上がりパフェをはこんでくれる。

それだけで、感動。





チョコレートの甘味とふわふわのクリーム、
コーヒーゼリーが、昨日の難事を徹底的に、慰める。

車門さん、ありがとう。

よしっ、明日からもなんとかやるか!!


残したい言葉

お洒落ではないけど、唯一のダサさで、
君が笑えたらいい By back number