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森の里ホームズのブログ

橋本脳症(Hashimoto encephalopathy)

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 橋本脳症(Hashimoto encephalopathy)とは甲状腺自己免疫疾患に関連した脳症である。甲状腺機能異常に伴う神経症状としては甲状腺機能低下症による意識障害、認知症、運動失調などをきたす粘液水腫脳症、甲状腺機能亢進症に伴う痙攣、躁状態、妄想、不随意運動をきたす甲状腺中毒脳症などが知られている。これらは甲状腺ホルモン値の正常化によって改善するが、内分泌学的な治療によって神経症状の改善が認められずステロイドなど免疫学的な治療により改善を認める群が知られ、今日の橋本脳症といわれる疾患群が含まれる。このような症候群は英国のLord Brainらによって1966年に報告された。その後の検討では精神神経症状が存在し、抗甲状腺抗体が陽性であり、ステロイドによる反応性が良好で他疾患が除外され橋本病と診断した群では甲状腺機能はむしろ正常である場合の方が多い(約70%は正常)とされている。

 【症状】
 急性の変動する意識障害、一過性の失語、精神症状、不眠、小脳失調、脳卒中型の局所症状で発症するタイプと、ミオクローヌス、振戦、舞踏病と痙攣を呈するタイプがある。進行性の認知機能低下で発症する場合もある。辺縁系脳炎と類似もしくは合併もありうる。

 【検査】
 甲状腺機能は正常であることが多く、抗ミクロソーム抗体、抗TPO抗体、サイログロブリン抗体、抗NAE抗体が陽性。 髄液は25%で細胞数上昇、85%で蛋白上昇。 脳波では徐波化が目立つ。
硬膜の細静脈の血管炎、ミエリンの淡明化、軽度グリオーシス、ミクログリア活性化、海綿状変性

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