都市の機能の問題
解答
第2問問2【14】①
解説
①◯:ターチンは1960年から採掘された、中国最大の油田地帯の中心都市である。
②×:ニースはフランスの地中海岸の保養都市であり、スキーはできない。
③×:メキシコ市は太平洋とカリブ海(大西洋)を結ぶパナマ運河の太平洋側の都市。
④×:カナダの計画的政治都市(首都)はオタワ、人口は88万人である。
解説の解説
①ターチン油田(大慶油田)
毛沢東時代の1959年に発見され、翌年から掘削の始まった中国東北の大油田群である。大連・北京などに送られているが、一時は日本にも輸出された。しかし、21世紀になると産油量が減り、天然ガスが多くなった。石油関連産業が発達し、人民公社と国営企業を絶賛するスローガンとして「農業は大寨に学び、工業は大慶に学べ」があった。
中国は21世紀には高い経済成長が続いて、石炭から石油への転換が進んでいる。原油の輸入が激増し、アメリカ合衆国に次ぐ原油輸入大国になった。
原油輸入国(世界輸入合計21億トン。2011年)
アメリカ21.9%
中 国 11.9%
日 本 7.9%
インド 7.8%
韓 国 5.9%
ドイツ 4.2%
②ニース
フランス、地中海岸コートダジュールの観光保養都市である。地中海性気候であり、夏は高温乾燥の晴天が続き、長期バカンス客で賑わう。第1次世界大戦中、ヨーロッパに派兵されたアメリカ軍兵士の休養地になり、「滞在税」で整備されてから有名になった。さらに1936年のバカンス法により3週間(現在は5週間)の長期連続休暇が認められ、発展した。フランスからだけではなく、アメリカ、イギリス、ドイツなどからの長期滞在者が多い。
③パナマシティ
パナマは人口400万人、首都パナマ市の人口は46万人である。パナマ運河の太平洋側入口にあり、交通都市の好例である。パナマ運河だけではなく、租税回避地の中心都市として、金融業が発展している。
④モントリオール
カナダの総人口は3,587万人であり、最大の人口はトロント262万人、次がモントリオール165万人である。カナダの言語割合は英語57%、フランス語21%であるが、1971年からは英語とフランス語を対等とする多文化主義政策が採用され、英語圏とフランス語圏の融和を進めている。モントリオールはフランス語圏ケベック州の最大の都市であり、住民の70%はフランス系カナダ人であり、日常的にフランス語を使う。1970年まではモントリオールはカナダの都市のうちで最も人口が多かったが、フランス系住民によるケベック州独立運動やテロ計画があったため、アメリカ系・日系企業がケベック州外に移転して人口が減少した。現在はヒスパニックやインド人・中国人・イスラム教徒が流入し、人口は増加傾向にある。