地理B 2016年センター試験解説 赤本より詳しい解説 

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地理B 2016年センター試験第1問問5【5】

2016年03月23日 | 受験

問5 南アフリカの風向と降水量

 

 


 

解答
第1問問5【5】①
解説 
赤道をアマゾン河口を目安に引くと分かりやすい。
W-7月の風向:北東貿易風と南西貿易風が、赤道よりも北で不連続線(赤道低圧帯)を作っている。太陽の位置=赤道低圧帯の位置である。7月、太陽は赤道よりも北にある。
X-1月の風向:北東貿易風が南半球にまで吹き込んでいて、赤道低圧帯は南半球側にあることが分かる。太陽は南半球側にあるから1月である。
Y-7月の降水量:赤道低圧帯は降水量が最も多い。多雨域は北半球側、太陽も北半球側だから、7月の降水量と判断できる。
W-1月の降水量:多雨域は南半球側にある。赤道低圧帯も、太陽も南半球側にあるから、1月。

 解説の解説
地球の大循環では地球全体の風をマクロに考える。
北東貿易風は中緯度高圧帯から赤道低圧帯に、いつでも吹いている風である。太陽の回帰によって赤道低圧帯は南北に移動するから、北東貿易風の吹く位置もずれる。夏は太陽は北上するから、北東貿易風の吹く位置も北にずれる。

南東貿易風は南半球の中緯度高圧帯から赤道低圧帯に吹く風である。赤道低圧帯では南東貿易風と北東貿易風とが収束して、上昇気流となって大量の雨を降らせる。このため、赤道低圧帯周辺では年降水量が多くなる。
赤道北側の亜熱帯では、7月に赤道低圧帯におおわれて雨が多い。北半球側では7月は夏で雨季になる。
一方、赤道南側の亜熱帯では、1月に赤道低圧帯におおわれて雨が多い。南半球側では1月に雨季になる。
熱帯雨林気候は赤道周辺で年中雨季になる。サバナ気候は夏雨季の気候である。北半球側では7月が雨季で、夏である。南半球側では1月が雨季で、夏である。
北東・南東貿易風の変動は、世界の気象に大きな影響を与える。特に赤道低圧帯に吹き込む東風として、太平洋赤道海域にエルニーニョ現象を発現させ、異常気象を起こす。
東風が弱くなると、インドネシア海域の暖水塊がペルー沖に運ばれ、南米近海域の海水温が上昇する。遠く離れた日本では台風の減少、大雨の増加、それに冷夏と暖冬などの異常気象が起こる。7~10年に一度は発生する。
ラニーニャ現象は東風が強くなり、ペルー沖では冷たい湧昇流と寒流のペルー海流の勢力が強まる現象である。この時には、日本に、エルニーニョ現象とは逆の影響がある。
北東貿易風、南東貿易風の変化は、遠く離れた日本に強い影響を与える。

  

 



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