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盛永いち子です。

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ビルドゥングスロマン

2013-06-30 19:06:30 | 文芸
 久しぶりにのんびりできた日曜日、今日は寝そべって『次郎物語』の1巻、2巻を読みました。幼い頃読んだ時とは全く違った感慨があって、なかなか面白かったです。
 最近はこういう少年少女の成長物語(ビルドゥングスロマン)はあまり読まれないんでしょうか。たぶん、自分のことを思い返してみると、こうした物語を読んで、幼いなりに、人生観や倫理観を育み、自分はどう生きていくべきかを考えたように思います。

 たとえば『次郎物語』のほかに、山本有三『路傍の石』、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』、マルタン・デュ・ガール『チボー家のジャック』等々。 

 
 『路傍の石』も映画化されたり、テレビ化されたりしました。吾一少年が様々な困難に負けずに成長していく話。「吾一人」という言葉が印象に残っています。確か、小学校の先生が教えてくれるんですよね。自分はこの世にたったひとりしかいないんだと。

 
 主人公コペル君と、叔父さんとの会話がとてもいい。作者は岩波の編集者だったと思います。


 ほかにも、子供には難しいかもしれませんが、シュテファン・ツヴァイクの『昨日の世界』なども入れてもいいかな。高校生や大学生にぜひ読んで欲しい本の1つです。

 すぐに切れて、人を刺したり、襲ったり、大人も子供も、自分のことしか考えていないような現代にこそ、読んで欲しい本。日常に流されて柔らかな感受性を忘れかけている自分自身に、反省を込めて。

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