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風待月

俳句で綴るなにげない日々

年玉を並べて置くや枕許    子規

2012年01月05日 | 名句鑑賞
年玉を並べて置くや枕許    子規

俳句一年生ですので、新年には新年の句を読んで勉強していますが、
一幅の掛け軸を思わせるような清涼な句の多い新春の句に混じって
子規のこの句をみつけたとき、思わず胸に、ぐ、と迫るものがありました。

生涯を妻帯もせず、短い命を病床にあった子規が
正月の枕許にお年玉を並べていたかと思うと、
俳句は十七文字で完結する世界、
境涯で読むものではないと心しているのに
胸が揺さぶられるようです。

虚子の書いた「柿二つ」という小説は、
子規とのことを書いた自伝的なものですが、
虚子のニヒリスティックな筆が冴え渡っているとのこと、
今年ぜひ読みたい本の筆頭です。

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去年今年貫く棒の如きもの

2011年12月30日 | 名句鑑賞
去年今年貫く棒の如きもの

虚子のこの句は新春の句なのでしょうが、私はひねくれものなのか、
年の瀬がおしせまってきた晦日の日に、なんとなくこの句を思いだしていました。
この句を初めて読んだとき、なんと背筋の伸びる句だろうと感じたものですが
去年があったからこその今年であるという句のようにも思えます。
そう思うと、あと二日という今年をも大切に生きなければと思うんです。
大切に生きることの一つに、私には俳句があります。
今年の締めくくりを詠まなければ、と頭上に課題があるような晦日です。
それは楽しみなのか苦しみなのか。

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古日記書かざりし日もなつかしき 可南

2011年12月03日 | 名句鑑賞


古日記書かざりし日もなつかしき   松本可南

「古日記」は一年間書き綴った日記を書き終えることで12月の季語。
他に「日記買う」という季語もあります。
私は日記をつける習慣はありませんが、
そのかわりのように「一日一句」をめざしていました。
けど、挫折。
一日一句がとても苦痛になってしまいましたから。

「古日記」や「日記買う」はとてもいい季語で
それだけで物語を感じる気がします。
美しい季語に出会うと俳句を始めた喜びを感じます。

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夕焼けは天使力発電所かな 斉木ギニ

2011年11月26日 | 名句鑑賞







使














斉木ギニ、初めて聞く名の俳人ですが、
ギニというカタカナの俳号がいかにも現代若手俳人な感じ。
「母死ぬと誰かれとなく飴の匂い」が代表句とされ、
母の死の深い哀しみを詠んだすばらしい句だと思いますが
私は、今日の揚句「夕焼けは天使力発電所かな」が好きです。
ギニがこの句を詠んだのは大地震など想像もしていなかった頃。
今読むと深く心に響いてきます。

被災地で暮らす方々の冬が少しでも過しやすいものであるように、
復興が一日も早くかなうように、
そして
亡くなられたたくさんの御霊のご冥福を祈りたいと、
ギニの句を通してあらためて思いました。

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混沌としてくる机辺冬に入る  蓬田紀枝子

2011年11月22日 | 名句鑑賞


「はんてんぼく」という句集を読んでいます。
図書館から借りている本なので、
気にいった句はノートに控えることにして。


膝掛けをいつもこのころ晩翠忌*
一つめの柚子を湯船に放りこむ
夕月やはらりと捨てる柿の皮
混沌としてくる机辺冬に入る
十一月少し残して雨斜め
珈琲の残りがさめる小晦日*

蓬田紀枝子

せっかくなので季節にあわせた句を選びましたが、
春や夏の句にも好きなものはいっぱいありました。
生活に根ざしながらも洗練された句で編まれた
すばらしい句集です。

*晩翠忌は土井晩翠という詩人の亡くなった日。
10月19日とあります。
*小晦日は「こつごもり」大晦日の前日のこと。
句集を読んでいて、かなをふってあると
正直ほっとします。
読めない漢字がいっぱいありますから。

読めない漢字のある句に出会うと寂しく感じます。
勉強途上。
すらすら季語を読める日がくるといいです。

*****

虚子や子規に敬称をつけないことはなんとも思わないのですが
現代俳人を呼び捨てにしてよいものか少し迷いました。
敬称は略させていただきましたが、尊敬の念をこめて引用致しました。

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