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風待月

俳句で綴るなにげない日々

手枕に花火のどうんどうん哉  一茶

2011年11月19日 | 名句鑑賞


















一茶忌。
ということで、一茶をにわか勉強しました(;^_^A
一茶には名句がたくさんあります。

やせ蛙負けるな一茶これにあり

私はこの句を長いこと、一茶が自分のことを励ます句だと思っていたのですが
そういう解釈はまちがいではないかもしれないものの、
本来は、「これにあり」は「オレがここにいるぞ」という意で、
蛙への応援歌(応援句^^)なのだと知りました。
以来、この句を好きになりました。

手枕に花火のどうんどうん哉

夏の座敷にのびやかに花火を眺める姿が目に浮かぶようです。
畳についた肘に、花火の音とともに振動が伝わってでもくるかのよう。

一茶のことを調べると、その生涯は不遇であったとあります。
伝記を読むことは好きですが、
俳人の境遇と俳句は分けて考えたく思います。
俳句は十七文字で完結する世界。
それが全てであるべきです。

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菊人形たましひのなき匂いかな   水巴

2011年11月12日 | 名句鑑賞


菊。
菊香。
もし俳句を始めていなかったら
興味をもたなかったであろう花であり、
かごうとしなかった香り。

菊人形たましひのなき匂いかな

渡辺水巴が詠んだ私の好きな一句。
この句を知ってから
菊香というものを
意識するようになりました。

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「ことばの四季」

2011年11月04日 | 名句鑑賞


山本健吉著の「ことばの四季」は、あかつきとあけぼのの微妙なちがいなどを
歳時記研究の大御所が説くと本の帯にあるのですが、あまり楽しい本ではありません(;^_^A
正直言うと、古典をたどって季語のあり方を学ぶけっこう難しい本。
2、3ページ読んでは「はぁ」とタメイキをつきそうになります。
でも気のむいたときに広げるようにはしています。
今日は「前栽と花野」の項を読んでいたのですが、いつにもまして難解で、
古典からの引用も多く、苦手な和歌もたくさん出てきました。
季語の起源は和歌にありますので、
きちんと学ぶには原典を知らなければならないということなのでしょう。
和歌に親しむ方の作る柔らかな俳句には憧れますが、私には遠い世界です。

しかし退屈なページをなんとか克服して、美しい例句にたどりつくと
感動は大きいような気がします。

今日私がとりわけ美しいと感じた句を二句

蘭の香やてふの翅にたき物す   芭蕉
夜の蘭香にかくれてや花白し   蕪村


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