stand by me

よし！デケタ！
今日のチャーハンはばっちり！
パラパラだし、味付けもちょうどいい！
これなら叱られる事もないはずさ！

おーい、お昼ごはん出来たよ！

・・あれ、おかしいな。部屋から出てこないよ。
おーい。ごはんできたけど・・・ガチャ

（ベッドに寝ている）
・・ウウウオォォオオゥゥ・・・
・・・ウウウオオォォオウウウオウウウオオォォオオ‼︎

ど、どうしたの！?どこか悪いの！⁉︎

お、おおオマエかい…。
なんやさっきからのどがえろう痛くてな…ゲホゲホ
頭もクラクラするのや…
ウウウオオオオオ‼︎‼︎・・・

えっ大変だ！とりあえず熱を測って…
うわ！39度もあるよ‼︎。
び、病院に行かなきゃ！車に乗って・・

ち、ちょっと待てや。
ワシは腹が減ってたまらんのや。
せっかくチャーハン作ってくれたんやろ？
鶏ガラスープにチャーハン入れて少し煮立てて、油をすくって捨てておじやにしてくれ。
そのままやとのど通りそうにないんや。

あっ・・わかったよ。食べたら病院に行こうね。すぐ作る。

おう。いつもすまんなあ。
ウオオオオオオオオオオオオオゥゥゥ‼︎


・・・うう…（涙）
ゴシゴシ

よ、よし、しっかりしなきゃ。じゃあ鶏ガラスープのもとはと・・




《わたしのなかの悪魔》

「オイ！なに情にほだされてるんだよ！
お前いつもバカにされてこき使われて情けなくないのか？
あんなに酷い言葉を毎日浴びせられて！チャンスだよチャンス‼︎」

ん？なに言ってるの？そりゃいつも大変だけど・・

「せっかくあいつ弱ってるんだよ‼︎今なら一息にヤっちまえるチャンスだって
言ってるんだよ‼︎」

えっ。・・なんてことを言うんだよ。そんな事考えたことも・・・

「嘘をつくな‼︎ お前がこっそりつけてる日記を俺は知ってるんだよ！
あいつにやられた事罵られた事を毎日全部事細かに記録してるじゃないか。ご丁寧に身体に受けた傷の写真も
付けてさ‼︎」

・・・・

「あいつから逃げたいんだろう？このまま奴隷みたいな人生を死ぬまで送るつもりかよ⁈
ここに今の検察の技術じゃ絶対検出出来ない劇薬がある。これをスープに混ぜるだけだ。簡単だよ。ほら。」

ポン

・・・これを鍋に入れるだけで、僕は、じ、自由になれる…？

「そうだよ。さ、あとはお前次第さ。プライドのかけらがまだ胸にあるなら
さっさと実行に移すことだね。じゃあな。」

・・・・自由・・


不定期連載「ホネシャブリ」続く



music * be here now / oasis