余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

関西フィルハーモニー管弦楽団 MEET THE CLASSIC in 神戸

2008年09月30日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.9.30(火)19:15 神戸新聞 松方ホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 MEET THE CLASSIC in 神戸 ~世界的巨匠, デュメイが奏でる "田園"~
指揮・ヴァイオリン/オーギュスタン・デュメイ
曲目:
ベートーヴェン/ロマンス第2番ヘ長調op.50
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調op.68「田園」

世界的な活躍を見せるトップヴァイオリニストであり、近年は指揮者としてもデュメイが関西フィルの首席客演指揮者に就任するなどというどう考えてもありえない悪質な噂が流れている。
オーギュスタン・デュメイ 関西フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者に就任
しかも天下の梶本音楽事務所のサイトにも掲載されている。スーパーハッカーが梶本のホームページをハッキングしてまで噂に信憑性を持たせようというところが許せない。
そうでしょう、関西フィルですよ。大フィルやないんですよ。在京オケならまだしもやね、関フィルなんて客演はあってもポストとかありえへん。

というわけで真偽を確かめるべく松方へGO!
渡されたプログラムにも首席客演指揮者就任披露公演の文字。オレだけにドッキリ用の小道具を渡したのではなかろうかと他人のも確かめたが寸分違わない。会場にいる人間全員が仕掛け人の可能性も否定できないので注意深く着席。
プレトーク。ナイーブになっているのでデュメイは出てこないらしい。ほれみろ。首席客演指揮者就任までの経緯を西濱さんが語ってくれた。なかなか良く出来た話でちょっと感動的だった・・・いや、誰ぞがこさえたシナリオかも知れんので信じてはいかん。とりあえずデュメイが出るまでは。

ベートーヴェン。偽者にしては背格好の良く似た人を出してきたな。身長2m近い外人でヴァイオリンの弾けるヤツはそうそうおらんというのに、弾き振りまでしおる。また出してくる音がデュメイそっくりで驚いた。

モーツァルト。自由闊達天衣無縫。さながらデュメイのようだ。というかデュメイなんでしょう。それほど響きの素晴らしいわけでもない松方でここまで鳴り渡る美音ってすげえぜ。関フィルさんには悪いけど伴奏の記憶が薄い。いや、岩谷君率いる弦は目の前の巨人(文字通り)に負けじと目に見えて奮起していた。

休憩中にプレトークの代わりのもの。女性通訳を介して西濱さんがインタビュー。身長はどれぐらい?というクスグリから、どうしてまたうちのポストを受けてくれたの?という核心まで。終始女性通訳に向いて客席に背を向けて話すデュメイに「前向いてもろてもええですよ」と注意するものの、「いや、レディはしっかり見て話すのがフランス・ベルギーのマナーで・・・」と断るデュメイ。関フィルとの今後の展望についてではリップサーヴィスもあったとは思うが感動的な言葉がオケむ向けられて、聞いている西濱さんが思わず涙ぐんでいた。泣かいでもええがな。まあオレも泣いたけど。

田園。客席に幸夫がいたようなのでこっそり代役で出てくるとか客席から影振りするとかしたらやはりこのデュメイは偽者だと喚き散らそうかと身構えたが、マジでデュメイが指揮していた。いつぞやのいずみではモーツァルトを振っていたわけなのでそれほど難しいことでもなかろうが、どうやら本物らしい。
普通の指揮者がやったら大騒ぎするような独創的なフレージングで、田園というよりも花園みたいな演奏だった。全ての旋律が気が狂いそうになるぐらい美しくハイ上がりに扱われ、終楽章はクルクルと回りまわって一生終わらないようなまさしく天国的な長さを感じた。
なんじゃこりゃ。

まあ長続きはしないかもですがデュメイが来るっちゅうことですわ。参ったな。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第205回定期演奏会

2008年09月04日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.9.4(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第205回定期演奏会 [北からの讃歌・・]
指揮/藤岡幸夫
ピアノ/舘野 泉
曲目:
ヴォーン=ウィリアムズ/タリスの主題による幻想曲
吉松隆/左手のためのピアノ協奏曲「ケフェウス・ノート」(改訂版 世界初演)
カッチーニ(吉松編曲)/アヴェ・マリア(アンコール)
シベリウス/交響曲第5番変ホ長調 op.82

指揮者・事務局長が口をそろえて美しいプログラムを組んでしまったと話す。当たり前だ。こっちは京響定期(道義の惑星)を蹴って来てるんだからそうでないと困ります(笑)。

RVW。こうして聴くと先だっての大フィルさんに比べて関フィルさんの弦楽陣のなんと弱弱しいことか。首席が入れ替わってきたとはいえ、まだまだですなあ。それでも藤岡幸夫らしく、暑苦しいけど野蛮でもなく溺れ切ってもいない程良い雰囲気は心地よいです。
吉松。左手のピアニストとなった舘野さんのために書いている一連の作品の一つ。先年に室内楽作品として初演されたものを改訂しての世界初演です。新作ごとにダメになってきてるというかスランプというか模索中というか、悪い自己模倣に陥っていると思う。綺麗な和音がばら撒かれているだけで酔えるけれども、ちと退屈。サイバーバードや天馬効果のようなドラマを描けたあの人はどこに消えたのか?
アンコールも左手のためのアヴェ・マリア。これは美しかった。

休憩挟んでシベリウス。これは後日の京響・センチュリーの同曲を取り上げた定期の後になって書いているのだが。金管が力ずくになったり木管が合わなかったり弦がズレたりと酷い瞬間も多かった。しかしそれでも曲に込められたメッセージだとかドラマだとか情景だとかが一番出し切れていたのは藤岡/関西フィルだった。音楽は技術ですよ、それは大前提ですがね、指揮者の共感とスコアへの踏み込みに格段の相違があります。第1楽章のスケルツォへ変貌していく魔法のような音の動きがもっとも自然で玄妙だったのも関フィルだったし、第3楽章の弦楽器の波からフルートが浮き上がるところの音量の細やかなコントロールも素晴らしかった。指揮者が丹精込めた部分以外ではあわやと思われる場面もあったが・・・。
拍手が早く来すぎたのだけは残念でした。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第204回定期演奏会

2008年07月18日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.7.18(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第204回定期演奏会 [ドイツロマン派の森]
指揮/飯守泰次郎
ソプラノ/佐藤美枝子
曲目:
武満 徹/弦楽のためのレクイエム
R.・シュトラウス/4つの最後の歌
ブルックナー/交響曲第3番ニ短調op.97「ワーグナー」(ノヴァーク版)

飯守先生久々のブルックナーということでお客様も多いですなあ。
プレトークでは飯守/関西フィルのブルックナーを一つの売りにしたいという野望を西濱さん。

武満。
弦楽陣のトップが新しくなっていることが如何に素晴らしいことかしみじみ・・・。
R・シュトラウス。
限りなく美しい作品に声の美しい歌手(初挑戦だったらしい)、美しい木管のハーモニー。何度聴いても飽きの来ない名曲ですな。

ブルックナー。
流石だよ、飯守先生はブルックナー指揮者としても日本では一流だと思うよ。しかし関フィルさんはどうか。荒くて汚い金管、リズムがへたってくる弦、音に埋もれて聴こえない木管。聴くお席にもよるとは思いますが、まだまだなんではないか。一つの売りにしたいということなのでめげずに今後も機会を捉えて舞台にかけて経験の蓄積をして、関フィルのブルックナーいいね!と言われるような日が来ることを祈念して糞暑い大阪の夜へと消えるのでありました。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第203回定期演奏会

2008年06月24日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.6.24(火)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第203回定期演奏会 [大海原へ]
指揮/阪哲朗
ヴァイオリン/大岡仁
曲目:
山田耕筰/序曲ニ長調
バルトーク/ヴァイオリン協奏曲第2番Sz.112
シューマン/交響曲第3番変ホ長調op.97「ライン」

阪さんも久しぶりです。

山田耕筰。ナクソスのCDで聞いていたけども、日本人の西洋音楽への取り組みの過程としては一聴の価値があるものの・・・作品としてはそこそこのものですので何度も聴くほどではない。しかしまあ、こうした曲を一度は実際の音として聴かせていこうという試みは毎度有難いものです。
バルトーク。今月はこの曲を2回も聴くわけで。先日の京響と比べると指揮・オケ・ソリストともに落ちますわな。大岡君は真面目さ満点で弾いてくれたけれども、硬いというか余裕が無いというか・・・。オケも音を出すのに手一杯で、この曲の淫靡さやら怪異さやらが出る以前の状態だった。がっかり・・・。

休憩挟んでシューマン。阪さんは大張きりで振りまくっていたが、あんなに振らなくてもいいんじゃないかな。もう少し落ち着いてくれてもいいと思いました。あと第4楽章はトロンボーンの音が前に出すぎで空間の拡がりが全く出来てこないのはどうかなあ。プレトークも楽しげだし、もうちょっと機会を持てば関フィルには良い人材になりそうなので大切にはしたいけども。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第202回定期演奏会

2008年05月29日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.5.29(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第202回定期演奏会 [音楽と歓びと]
指揮/服部譲二
ヴァイオリン/ウート・ウーギ 
曲目:
ベートーヴェン/序曲「コリオラン」op.62
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.77
パガニーニ/24の奇想曲より第24番(アンコール)
ドヴォルザーク/交響曲第8番ト長調 op.88


ヴァイオリニスト兼指揮者としてヨーロッパで活躍中の服部譲二さん。先年はヴァイオリン弾き振りで松方にいらしたはず。
今回は指揮者専業。

ベートーヴェン。関フィルの普段の音よりもやや小ぶりで引き締まった音になっておった。古楽的なイメージをどこかに忍ばせた、室内編成の音像で颯爽としていて面白い。
ブラームス。往年の名手ウーギ。名手というよりも美音家というほうが良いのかな。オケはオケ、オレはオレ、とばかりに飄々とかっ飛ばしてきました。合わせようとか思ってないね。カッコいい。付ける方は大変そうだったけども。でもブラームス向きの人じゃないなあ・・・チャイコフスキーとかメンデルスゾーンとか聴きたいね。
アンコールのパガニーニは軽目で美しい音色をホール中に撒き散らす素敵な演奏で大喝采。

ドヴォルザーク。コリオランに輪をかけて颯爽と荒々しく突き進むドヴォ8。旋律への濃厚な偏愛はいかにもヴァイオリニストらしく、そこへ音を割った金管の咆哮が野趣に溢れるアクセントを付けてゆく。こういう演奏を求められると関フィルさん結構喜んじゃうタイプなので大張きりでした。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第201回定期演奏会

2008年04月29日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.4.29(火・祝)15:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第201回定期演奏会
指揮/藤岡幸夫
ピアノ/関本昌平
曲目:
モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
ショスタコーヴィチ/交響曲第7番ハ長調 op.60「レニングラード」

例年通り満員御礼。感謝感謝でございます。

モーツァルト。オレは26番とこの23番がモーツァルトのピアノ協奏曲の中では大好き。関本さんはコロコロと美しい音色で奏でていて大変楽しかったのですが、どこかに重量感を感じさせる瞬間があればさらに幅が広がったんではないかしら。特に終楽章。

ショスタコーヴィチ。先年の10番もそうだったけれども、藤岡幸夫のショスタコーヴィチはとにかく流れが良くて聴きやすい。第1楽章以外ロクに聴けない時期が長かったこの作品がするする耳に入ってくる。関フィルさんの限界か、金管に今一つ音圧があればなお良かった。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第200回記念定期演奏会

2008年03月28日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.3.28(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第200回定期演奏会
指揮/飯守泰次郎
ソプラノ/緑川まり
バリトン/三原 剛
曲目:
ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より 『第1幕への前奏曲』
歌劇「タンホイザー」より 『夕星の歌』
歌劇「ローエングリン」より 『エルザの夢』『エルザの大聖堂への行列』『第3幕への前奏曲』
楽劇「ラインの黄金」より『ワルハラ城への神々の入場』
楽劇「ワルキューレ」より『ワルキューレの騎行』『ヴォータンの別れと魔の炎の音楽』
楽劇「神々の黄昏」より『ジークフリートの葬送行進曲』『ブリュンヒルデの自己犠牲と終曲』

200回!
そうか、オレは半分ぐらいは通ってるわけですね(笑)
全定期演奏会を網羅した金箔風押しの入った表紙が素敵な200回記念プログラムをしげしげ眺める。
プレトークは200回への感謝とワーグナーへの意気込み、そしてこのプロは金がかかるといういつもの嘆き・・・。

演奏はね、軽い声質でイマイチな三原さんと厚みに乏しい場面が頻出するオケを勘所を押さえた飯守先生の指揮といつにも増して気合十分でスケール感満点の緑川さんが救っていく展開でした。
ブリュンヒルデの自己犠牲と終曲は圧倒的だった。
是非とも全曲が聴きたい。

割れんばかりの拍手が関西フィルの過去と未来両方に送られました。

関西フィル Meet the Classic Vol.16

2008年03月08日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.3.8(土)18:00 いずみホール
関西フィル Meet the Classic Vol.16「スペイン」
指揮/藤岡幸夫
ギター/村治奏一
曲目:
アンダーソン/舞踏会の美女
シャブリエ/狂詩曲「スペイン」
ロドリーゴ/ある貴紳のための幻想曲
ファリャ/バレエ組曲「三角帽子」第1番&第2番
ビゼー/「アルルの女」よりファランドール(アンコール)

会場を沸かせるトークと演奏のサワリも交えて送る解説。若いソリストの好演。
まだ寒い3月の大阪でやるには熱すぎるプログラムだったはずが、終わってみれば大成功。
個々の楽曲の出来とかどうでもいいんです。オーケストラがあるよ、指揮者がいるよ、ギタリストが来るよ、トークもやるよ、いいホールだよ、と揃ったところに上手く大勢の聴衆のココロが合わさって演奏会というパッケージ全体が見事に完成して、むやみやたらと圧勝した(何に?)日でありました。

ただ三角帽子の終曲を聴きながら「スタンディングで聴きてー!」と思ったことだけ付け加えさせてください。
関フィル最高。

関西フィルハーモニー管弦楽団 大阪市中央公会堂 特別演奏会

2008年03月01日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.3.1(土)18:00 大阪市中央公会堂
関西フィルハーモニー管弦楽団 大阪市中央公会堂 特別演奏会
指揮/藤岡幸夫
ヴァイオリン/松山冴花
曲目:
シューベルト/交響曲第7(8)番ロ短調 D.759「未完成」
ブルッフ/スコットランド幻想曲op.46
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調 op.67「運命」

なんつード名曲プロなんだよと。こんな恥ずかしいプログラムを聞き逃す手は無いので馳せ参じた。

未完成。第1楽章は迫力と緩急が上手く配分された中にも歌があって宜しかったけども、第2楽章は血が騒ぎすぎたというか押さえが利かない感じでちょっとうるさくなってしまった。会場の硬い音響もマイナスになったかも知れぬ。
ブルッフ。美しくもぶっちゃけアホみたいな作品で聴き終わるころには曲の最初のほうを忘れ果てている率が高い。頑張れば頑張るほどにヴァイオリン以外の記憶が定かではなくなるので松山冴花が奮闘していたことしか覚え無し・・・。

運命。第1楽章は前に聴いたよりも堂々としたテンポで魅せてくれた。ただその行き方はあと10年くらい後でもええように思います。第4楽章の溌剌とした表情が外面的に聴こえずに、内から湧き上がるようなものを出していけたのは素晴らしいですね。ありがたいものを聴かせて頂いておるな、と心で手を合わせて帰りました。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第199回定期演奏会

2008年01月31日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.1.31(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第199回定期演奏会
指揮&ヴィオラ独奏/ユーリ・バシュメット
曲目:
ハイドン/交響曲第44番ホ短調 Hob.I-44「悲しみ」
ホフマイスター/ヴィオラ協奏曲ニ長調
バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007よりサラバンド(ヴィオラ版)(アンコール)
チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調 op.64

08シーズン開幕。なんと立ち見も出る満席。バシュメットだから仕方ないのか。幸先良いですなあ。
プレトークの通訳をゴギさんが買って出たが通訳の通訳が必要な有様でほほ笑ましかった。

ハイドン。ハイドンの交響曲の中でも大好きな作品なだけに関フィルさんのお粗末さが耳についた。弦はガサガサしてるしホルンは合わないし・・・。やらないほうが良かったのかも。
ホフマイスター。ヴィオラ弾かせたら世界一のおっさん(ブラームスとショスタコーヴィチのソナタは最高でしょ)だと分かっていても実際聴くと上手すぎて失笑。ヴァイオリンにもチェロにも変貌する音域と音量の凄さと完璧な抑揚。たまたまヴォラ弾きになっただけで、どんな楽器に運命付けられていても大家を成したに違いない音楽家に酔った。

チャイコフスキー。中間2楽章のやや濃い目の味付けを聴いて「ああロシアの音楽家だったね」と思い出したが、それ以外は至って普通な演奏。別の曲のほうが面白かったのかも知れない。常連指揮者陣とレパートリーがバッティングするけどもショスタコーヴィチなどが聞きたかったな・・・。

関西フィルハーモニー管弦楽団 「第九」特別演奏会

2007年12月16日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
07.12.16(日)15:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 「第九」特別演奏会
指揮/飯守泰次郎
ソプラノ/並河寿美
アルト/児玉祐子
テノール/竹田昌弘
バス/田中 勉
合唱/田辺第九合唱団
曲目:
(14:40~ 飯守泰次郎によるプレトーク)
グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調 op.125「合唱付」

我ながらこの14~16日にかけての流れは疲れると思う。 

毎度のことながら熱いプレトーク。止まらない。
ルスランは省略。

飯森、大植と聴いた今だから言うが、3つ聞いた中で一番腑に落ちたのがこの演奏だった。何の衒いも無い堂々たる古風な解釈、良くも無いけど破綻も無いオケ、レベルは低いが士気の高い合唱。頑張りすぎてつらいテノールが面白かった。
第9を聴いたな、という満足感が得られただけでも嬉しく思うべきだったのだよと、あのときの自分に囁いてあげたい(笑)

関西フィルハーモニー管弦楽団 第198回定期演奏会

2007年11月28日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
07.11.28(水)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第198回定期演奏会
指揮/飯守泰次郎
オーボエ/チョー・ウンヨン
曲目:(18:40~ 飯守泰次郎によるプレトーク)
ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
モーツァルト/オーボエ協奏曲ハ長調 K.314
大澤壽人/交響曲第3番(関西初演)

いかに意味なく会場に来てしまう関西フィルの客層といえど、このプログラムだ。6割ちょいの素敵な入り。

プレトーク。センセ喋りすぎ。大澤さんのご子息にも会い、神戸女学院にある楽譜などにも接してますますこの作品に入れ込んだと見える。ただ客層を気にして作品の分かりやすそうな部分を積極的にアピール。豪快に開演時間ギリギリまで喋って西濱さんが慌てていた。
ドビュッシー。正直この間のリヨンと大差ない。頑張れよリヨン。
特筆すべきは曲の終わり。センセが手を下げてもまだ拍手が無い。すごいだろ我らが関フィルの客層。静寂を大事にしてるんじゃないぞ。単に曲を知らないからどうすればいいのか分からない静寂なんだぞ。いくらなんでももう拍手して良いだろうと思うぐらい長い間の末にさざなみのような拍手。オレねぇ、パリとかチェコとか聴けば聴くほど関フィルが恋しくなるのが分かった。この初々しい雰囲気を忘れたくないの。たまらん。

モーツァルト。軽井沢でやっているオーボエコンクールに関西フィルが伴奏の仕事で出ていた。そこでモーツァルトを上手く演奏した者にモーツァルト賞とかいうものを与えているらしく、今夜のソリストはその受賞者。19歳だか20歳だかで伸びやかで素直な演奏。作品を損なうようなこともなく楽しく終わった。最初包帯か何かと思ったんだけど左手に白のスポーツ用リストバンドをしていて、それは結局汗拭き用だった。なんじゃらほい。

休憩挟んで大澤。経歴を見たら軽く腰を抜かす夭折の才人大澤壽人。再評価も著しい彼の作品を無謀にも率先して取り上げる。ナクソスのCDも持ってるし、あのシリーズに限らず邦人作品嫌いじゃないからちまちまと聴いている・・・。ただ申し訳ないけどこの作品はどこが良いのかなかなか分かりませんなぁ。片山さんの作品以上に作品を楽しく思わせる解説の力も不発。最後の行進のような部分は少し胸に来るものがある、でも第1楽章第3楽章は全く把握出来ず。帰ってCD聴いてみても頭にも心にも入らない。戦後初の公開演奏だというのにスマン。若い子が目を輝かせて聴いているのを見たら自分が不甲斐なくていかんね。来年の2番ももちろん行くよ!ひょっとしたらそこから楽しめるようになるかも分からんでしょう。

なんか残念。NHKがすごい台数のカメラで収めていた。大澤の流れで紹介されるのか。はたまたオーケストラの森か。

次は明日、29日。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第197回定期演奏会(だった)

2007年10月12日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
07.10.12(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第197回定期演奏会
指揮&チェロ独奏/ダヴィッド・ゲリンガス(18:40~ ダヴィッド・ゲリンガスによるプレトーク)
コンマス/ゲオルギ・バブアゼ
曲目:モーツァルト/ディヴェルティメント ハ長調K.157
   :ハイドン/チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob.VII b-2
   :チャイコフスキー/交響曲第7番変ホ長調(ボガティレフ補筆版) (関西初演)

川 -=・=' _`=・=-)カラダが二つあればいいんやけどね・・・どうしたもんか

プレトークはゴギさん通訳。通訳に通訳を付けたくなる愛おしい拙さだったそう。
来期チラシの正式版配布。

2008年 定期演奏会・特別演奏会 - 関西フィルハーモニー管弦楽団

2007年10月11日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
2008年 定期演奏会・特別演奏会 - 関西フィルハーモニー管弦楽団

詳細発表さる。

なんとエグい!
パッと見はずいぶんと名曲プロだなぁとか思うでしょう。実際そうだものね。
でも首席指揮者になった藤岡幸夫が正指揮者時代に定期やいずみで取り上げた曲目の多くを、客演指揮者に投げているというこの面白さ。藤岡で聴き飽きた聴衆とやり飽きたオケに活を入れ、しかも藤岡本人はやりたい曲をちゃんと取り上げてくる。
この1シーズンだけ見たら面白みに欠けるかも知れないが、長めのスパンで仕掛けてくるあたりなどここは面白いなぁ。
飯守先生は第200回記念で得意のワーグナー、第204回でこれまた得意のブルックナー、第206回で大澤とツボを抑えてくる。
ただ飯守先生の出番は減ってきた。そろそろということなんかな。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第196回定期演奏会

2007年09月06日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
07.9.6(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第196回定期演奏会
指揮/藤岡幸夫(18:40~ 藤岡幸夫によるプレトーク)
ギター/福田進一
ソプラノ/福永修子
ソプラノ/重松みか
テノール/松本薫平
バス/三原 剛 
合唱/神戸フロイデ合唱団
コンマス/ギオルギ・バブアゼ 
曲目:ロドリーゴ/アランフェス協奏曲
   :タルレガ/アルハンブラの思い出(アンコール)
   :ロッシーニ/スターバト・マーテル

9割行かないかぐらいの客入り。
プレトーク。しゃべらせろということで関西弁交じりの福田さんまで登場。
最近アランフェスを録音、発売したらしい。藤岡/関西フィルではなく飯森範親さんと彼のオケなので申し訳と。関西フィルとの縁も長いもんで、アランフェスの第2楽章で初顔合わせだった。藤岡/関フィルとは吉松の協奏曲で。

アランフェス。PA使用だったが、1階席後部のRさんの席ではどうにも細部が聞こえにくい。両端楽章はとりあえず聞こえた感じになってしまった。舞台に近かった人に聞いても同じような印象を持っておられたし、シンフォニーの大きさを思えば仕方なかったのかな・・・。
名作第2楽章はかなりの感情移入を見せて、良い意味で演歌的なこぶしの回った演奏。かっこいいぞ福田進一。いかにも関フィルらしい赤面物の歌いっぷりと相まって結構楽しんだ。
アンコールはアルハンブラ。PAは好きではない、生に近い音を聴いて欲しいということでマイクを下向きに。細かい音型などは雰囲気で流した感じがあったけども、前の席のおっさんが曲名聞いただけで飛んで喜んでいた姿に微笑んだので良し。

ロッシーニ。とうとう面倒でCD一つ聴かずに当日になった。どれだけ脳内をひっくり返しても思い出せる部分がないまま、ぶっちゃけどんな曲だったかほぼ忘れた状態で演奏開始。の前にこの日亡くなったパヴァロッティについて藤岡さんがひとくさりふれて、彼の思い出にも捧げようと。
テンポが速い。合唱は声量のコントロールがいまひとつだけど感情は出ている感じ。ソリスト陣は小ぶりでソツがない。逆に言えば少し軽い気もするけれど美しいのでええんでしょう。
フィナーレは藤岡さんらしい疾走感で一気に畳み掛けて終わり。宗教曲ですが終わるや否や大拍手。まぁロッシーニという人が宗教曲のコンサートレパートリー化の先駆者だったしいいのかな・・・。

綺麗な曲でもう一度聴きたいですね。