月岡芳年が女性のしぐさを ~~そう と描いた美人画
「風俗三十二相」より
十七 『むまさう 』
嘉永年間(1848~1853) 女郎之風俗
明治廿一年三月三日印刷
「むまさう」は現代仮名の「うまそう」のこと。
月をながめながら海老の天ぷらを食べる遊女が描かれています。
いいお客さんがついたのでしょうね。 いいなぁ~
江戸時代中期天ぷらは屋台などで気軽に食べられる料理として人気で
最初から下味がついていて竹串で刺して食べていたようです。
天つゆをつけて食べるようになったのは明治・大正以降といわれ
その結果、箸で食べることになったとの説が有力です。
十八 『 かいたさう 』
嘉永年間(1848~1853) おかみさんの風俗
明治廿一年 月 日印刷
どっちにしようかな?福寿草の鉢を品定めしているおかみさん。
黒は他の何色にも染まらないことから貞女のしるしとして
江戸時代には既婚女性の象徴となったお歯黒も
明治政府の近代化政策によりチョンマゲや帯刀とともに禁止され
大正時代までにはしだいになくなっていきました。