月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画
見立多以尽(みたてたいづくし)より
『御座つきをつけたい』
国立国会図書館デジタルコレクション
大蘇芳年筆
詞書
松は大夫(たいふ)の打かけは 蔦(つた)の模様に藤色の
チンテンとんだ 面白い 遊びも初手(しょて)は交際(つきあい)が
いつか増長(こう)じて陰密(こつそり)と おやかましゅうの聲(こえ)も絶(たえ)
話のような文がらを 綺語(のろけ)の種に巻かえし
長いなじみとなるのも基は 初会席店(や)の坐つきから
噫(ああ)この寸緒(すんちょ)の一曲は
戀の実生(みばえ)の まだ二葉町
稗官 轉々堂人記
御座付き(おざつき): 宴席に呼ばれた芸者が最初に弾く三味線音楽
またその唄。
すんちょ【寸楮】 : 短い手紙