MOONLIT STORY ~月夜の物語~

星景写真家「竹之内貴裕」のブログ。月明かりに照らされた惑星地球をテーマに星空の写真を撮り続けています。

エプソンの新型フィルムホルダー「GT-X980」用を「GT-X970」で使ってみました。

2015-03-01 14:20:43 | 天体望遠鏡・撮影機材・グッズ

私の星景写真の撮影は、昨今の発展著しいデジカメによるものではなく、
ブローニーサイズのリバーサルフィルムを用いたフィルム撮影がメイン(というかほとんど)です。

フィルムのスキャニングには、35㎜判から8X10の大判フィルムまでスキャニング可能な、
エプソンのハイエンドモデル「GT-X970」を愛用していますが、
昨年7年ぶりに後継機の「GT-X980」が発売されました。(写真は「GT-X970」)






フィルムの衰退とともに、フィルムスキャナーの需要も激減している現状の中、
新製品の発売は大変喜ばしいことですが、主な変更点はフィルムホルダーの改善と
光源のLED化で、外観と基本性能にほとんど変化はありません。

もともと高画質な「GT-X970」の仕上がりにさして不満がないため、
画質向上がないのであれば、買い替えるまでの必要性が見当たらないのですが、
フィルムホルダーのどうしようもない使い勝手の悪さにだけは大きな不満がありました。

使用するのはもっぱらブローニーサイズ用のみなのですが、
フィルムを固定するレールの幅がフィルム幅より少し広いため、
慎重にセットしないと(特に一コマカットの場合)フィルムがどうしても傾いてしまいます。
平行にセットしないと抑えが甘くなるため、フィルムのたわみが大きくなってしまうから、
うまくいかなかったときはイラっとします。フィルムサイズと同じ幅にすれば防げるのに・・・。

もっとも、ちゃんとセットしてもフィルムのたわみを抑えられるような構造にはなっておらず、
カールの大きなフィルムではピントが均一に合わないという致命的な欠陥がありました。
逆にカールが全くないと自重でフィルムがたるんでしまい、これまたピントの不均質を招きます。

他にも、ホルダーそのものの強度不足で、フィルムを抑える枠の蝶つがいの軸が細いプラ製のため、
使っているうちに4か所(黄丸部分)ともすべて折れてしまいました。
あと枠をパチンと留める爪も20ヶ所のうち2ヶ所(赤丸部分)が折れてしまい、
その周辺のフィルムの抑えが甘くなりました。この枠が金属製なら重みで抑えられるので、
蝶つがいもパチンと留める必要もないですが・・・





フィルムホルダーがこんな状況ということもあり、フィルムホルダーだけでも新しくしたいと調べたら、
必要なブローニー用のみのバラ売りはしてなくて、1式なんと1万5千円も!
安いスキャナーが買えてしまいそうな値段です。

では、いったいどこが改善されたのでしょうか?

一番の改善点は、フィルムの平面性を確保するために、アンチニュートンリングアクリル板を採用したことです。
ガラス板の方が傷がつきにくくて安心なのですが、きっとそこはコストダウンなのでしょう。
もう一つの改善点は、蝶つがいの軸が一回り太くなるなど、強度がアップしたこと。
やはりトラブルが多発したのでしょう。
最後の一つは、ホルダーとスキャナーガラス面との距離が簡単に調整できるようになったこと。
これは、イコールスキャニングのピント位置の調整のし易さになります。

全て支障となっていたことが改善されたのは大変魅力的なことであり、
ホルダーが壊れかけていたので、購入してみることにしました。
ただし、メーカーHPには、「旧機種はサポートしていません」と
注記があり、もし使えなければ、この高価なホルダーが無駄になるリスクがありました。

結論から先に言うと、ソフトウエアも含めて、
旧機種だからということに由来する問題は一切起きませんでした。



では、使ってみて実際にどうだったのでしょうか?

まず、最大の変更点であるアンチニュートンリングアクリル板について。
透かして見ると、わずかにグレーがかっており、なんと景色がぼやけて見えます。
こんなアクリル板越しにスキャニングして解像度は損なわれないのでしょうか???
それに、2列から1列になったので、その分作業効率が低下します。

フィルムのセットは、2枚のアクリル板でフィルムをサンドするわけでなく、上に乗せるだけので、
浮き上がらないように、やはり蝶つがいのプラスチック枠で圧着する構造なのですが、
これが旧ホルダー以上にフィルムセットが微妙でやりづらい。
しかも、フィルムとアクリル板の間に埃が入り込むため、
ただでさえ厄介なスキャニング後のゴミ消去が倍増して、めちゃくちゃめんどくさい。
詳しい人は、自動ゴミ消去機能を使えばいいのでは?と思うかもしれませんが、
ゴミと一緒に星も消えてしまうため、全く使い物になりません。

フィルム面のピント位置調整は、四隅に付いた5段階のスライダーで簡単に調整できます。
これは以前より調整幅が増えた上にとても楽ちんで二重丸♪
ただし、簡単にスライダーが動きすぎて、知らず知らずズレてしまうので、
位置が決まったところでテープで固定しました。
ちなみに奥から2番目の位置でベスピンでした。

ちょうど未スキャンのフィルムがあったので、新旧のホルダーでスキャニング比較をしてみました。
こちらは、新ホルダーによる全体画像(3200dpi)。
アクリル板使用によるニュートンリングの発生はありません。





そして、ピンク枠の部分を等倍表示にして並べてみました。
上が旧ホルダーで下が新ホルダーです。








旧ホルダーの方がボケて見えるのは、単にピントが合っていないだけでなので、調整すれば同等になるはずです。
懸念されたアクリル板使用による解像度の低下は、どういうわけかなさそうです。
ただ、グレーがかったアクリル越しのためか、少し暗い画像になる傾向がありました。
(作例は明るさ調整済み)


新ホルダー導入により、使い勝手はかえって悪くなりましたが、
フィルムの平面性を保ちつつピント位置を簡単に調整できて、
スキャナーの解像力を最大限引き出せるようになったことから、
投資した価値があったと思っています。

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