46話「頼朝挙兵」
以仁王の令旨は平家の知るところとなり、源頼政の裏切りに清盛は激怒!
あっという間に「以仁王の乱」は終わってしまって、頼政親子は自害して果て(宇梶さん、熱演)、
遷都を急ぐ清盛に、一門からもさすがに諌言が出るが、聞く耳持たず・・。
伊豆では、頼朝が相変わらずハッキリせず、周りからせっつかれ、やっと立つことを決意!
という、様々なことが、ど~でもいいくらい、ラスト15分で持っていかれました。
泣けた・・・。
回想シーンの3人の姿に・・・。若き日、それぞれの夢を語った3人が・・。
1人は志半ばで死に、1人は世を捨て、1人は闇の中にいる。
改めて思うに、松ケン、凄い! あの高平太がこんな姿に・・。
何だったか、清盛の老け姿に、途中あまり老けさせずに、
清盛のダークな部分が強くなった頃に、一気に老けさせたと書いてあったかと。
それは、ただの老いではなく、内面が出てくる老醜。目には濁りさえ感じる。
周りの人間をあまり老けさせないのは、それを顕著に見せるためでもあるらしいけど・・。
(それでも、頼盛、盛国たちは、もう少し老けさせてもいいような)
西行さんも、同じ年ですから、老けメイク。眉も少し長めで白いものも。
声も低めにして、それが無理してるとか、取ってつけたような老けではなく、よかった。
顔には風雨にさらされたそれなりのものがありますが、
世捨て人となった生き方故か、研ぎ澄まされた美しさが、清盛との対比か。
ラスト15分、その場にいた全ての人が素晴らしかった。
本も見せ方も演技も。
台詞ナシの表情のみで見せる西行、盛国、頼盛、仏、皆よかった。
直人さんは、大変だったと思います。毎回積み重ねて役を構築していく方々に比べ、
西行さんは、間があくあく(^^;)
46話の撮影は9/25 その前の39話は8/22 その前の30話に至っては6/7。
そんな飛び飛びの撮影で、西行という人に入り込んでいかなくてはならない。
それに、義清も西行も、キャラ的にはわかりにくい人物だったし。
脚本のせいか演出のせいか、有名なエピ(子供蹴り落としとか崇徳院との関係とか)を部分的入れっぱなしにし、他をすっ飛ばしたりするから、いろいろ唐突感があって、演じるのは大変だったんじゃないかと思います。
ここへきて、この46話や最後の清盛らとの関わり方、もしかしたら西行というのは、
そのための役だったのかな~。
いそPツイ「今回、西行(藤木直人)が登場します。清盛の生い立ちを良く知る人物として、西行は最終回に向けてのキーパーソンとなります」
若き日から良く知る人物で、近いけれど、外から見る人物。
全ては伏線とその回収。今回も、あれはここへ繋がるのかと感心したものがありましたが、
その間に、もう少し何かあれば、もっとうまく繋がるのに・・。
壮大すぎて、忘れちゃったり、脱落しちゃったりする人も多いですよ(^^;)
西行さん、途中もう少し上手く使ってほしかったな~、もったいない。
福原。闇の中の清盛、一筋の灯とともに現われたのは西行。
「ご無礼を」
高倉上皇の容態が芳しくないという会話の中で、
「ご心労……ではございませぬか」
「ご無礼ながら、此度の遷都は人々が移り住んでも心は都に置いたままとお見受け致します」
ズバリ西行が言い放つ。
今や、清盛に何か言えるのは、西行さんくらいだものね。パチパチ!
が、清盛、そんな西行の言葉も耳に入らぬかのように、仏御前といちゃつき
仏のために、祗王、祗女に舞を舞わせるという残酷な仕打ちを繰り広げる。
目の前で見た清盛の醜い姿に西行は、静かに語り始める。
「若き日に話おうたことがありましたな、それぞれの目指す道を」
義朝は「強さを磨き、王家に武士の力を思い知らせたい」
義清は「いかなる時も、美しく生きることが私の志だ」
清盛は「おもしろう生きたい」
じゃれ合う義朝と清盛を微笑んで見つける義清(涙)
「その後、私は出家を致しました。
俗世におったら、美しく生きることは敵わぬと悟った故にござります」
<手に入れたい 手に入らぬなら、奪いたい。奪えぬなら、殺したい。
そんなどす黒い醜い思いが渦巻いて、やがては国を巻き込んでいくのだ>
「まさにあの時怖れていた世の到来。
その頂におられるは、誰あろう、お手前!
これが、お手前のおもしろう生きることにござりまするか。
お手前の目指した武士の世にござりまするか」
義清の出家の際のこの言葉がここに繋がったんですね。
あの時、自分の中の醜い思いに出家を決めた西行。それを見届けてくれた清盛が、
今まさにそんなどす黒い思いで国を巻き込んでいる。哀しいことです。
そんな西行の心の底からの言葉も届かないのか、清盛は狂ったかのように笑い出す。
「西行、そなたにはわからぬ。そなたにも、誰にもな」
「わしに逆らうものは皆死罪と心得よ。
ここはわしの世じゃ、武士が頂に立つ世じゃ、わしの目にしか見えん、わしの国を作るのじゃ。
全てを手に入れ、復讐するのじゃ」
目は正気を失い、憑かれたように動き暴れる清盛。
西行も頼盛も、言葉もなく見つめるしかない。
「復讐」だったのか? 西光のいうように・・。
いや、大切な人たちをどんどん失いながら、頂点を目指して突き進むうちに、
自分でも何を、どんな国を目指しているか見えなくなっていたんではないのか。
そして、いつの間にか、自分が忌み嫌っていた、「血」というものに支配されていったのか。
白河院のもののけの血。
怯えて逃げ出す仏御前を
「殺せえぇ~」と清盛! その図は、母・舞子が白河院に殺された時、そのもの。
「何をしておる・・・やめよお~~~!!」 盛国が吠えた!(カッコイイ!)
共に修羅の道を進む決意をしてから、何も言わなくなった盛国が吠えた。
「助けてくれ~ 誰か助けてくれ~
暗闇ばかりじゃ、ここからの眺めは、果てしない暗闇。
手に入れても、手に入れても、光には届かぬ」
無残で哀しい姿。
権力を手に入れ、頂点に立つことによって見えなくなったもの。
その孤独感をごまかすかのように、欲望に埋もれ、人を切り捨て、暴走していく。
もっと早く、誰かに救いを求められればよかったのに、最早、誰も救うことはできない。
盛国も西行も頼盛も、ただ見つめるだけ(この3人が、最後まで見届ける3人というのも、また・・)
そこへ頼朝挙兵の知らせ。
宋剣にすがり、子供のように泣く清盛。
宋剣は、父・忠盛か武士の魂か。
頼朝挙兵は、清盛に「武士の魂」を思い起こさせ、闇から抜け出すきっかけになった。
これだけ、主人公の「悪」を描く大河も珍しいですが、
そして、誰にも感情移入できない(^^;)
だって・・・いい人誰もいないんだもん(笑)
皆、正と負を持っている。時に負が強く出るときもあり。それは、西行さんもね。
だから、見ているこちらは、傍観者的になるような気がする(私は)。
普通のドラマは、感情移入できる人がいないと、見るのは辛いのですが、
これは、それでも平気というか、面白く見られるというか、
時に切なく、泣ける回もあるわけで・・。
それは、演者さんによるところが大きかったと思いますが(笑)
清盛は、頂点には立ったけれど、そこは武士の世ではなく、
貴族の世の中で、武士として頂点に立ったわけで、
果たして、「武士の世・わしの国」とはどのようなものか、明確なものを持っていたのかな~?
これから、ますます源平の対比が強くなるのかな?
岡田くんは好きだけど、最後の頼朝は、ちょっと迫力なかったな~。
弓射る姿も・・(^^;) 子役の中川くんの射る姿はよかったのに。
それと・・・私はどうしても弁慶があんなに出てくる意味がわからない(今回はなかったけど)
平家の面々の場面が結構カットされていて、伏線となる部分もカットされているような中、
正直、五条大橋もいらないのに~と思ったくらい(笑)
頼朝は、重要ですが。
公式HPも、インタビューが源氏方面ばかりなのは何故?
西行もないですが、盛国も後白河法皇もない。このお2人方は、ないとおかしいと思うから、
これからかな~。
西行さんもあったらいいけど・・。これは期待薄かな(^^;)
ストーリーブックの完結編には西行さんいなかったし、
結局、西行という人をどう捕らえて演じたか、聞いてみたいんだけどな~。
今回、やっとまともに扱われた感じで(本編ね。ノベライズ見ても、カットナシだし)、
でも、終わってデータ放送のギャラリー(15枚)見たら、清盛の背景にぼんやり映ってる?のが1枚って、何故?
公式の写真集にも、携帯サイトのギャラリーにもないって、おかしいでしょ。
思いは口に出さないと・・・。メールしよ、N○Kに(笑)
あ、あとPさんの「今回は第46回「頼朝挙兵」です。内容は以仁王(柿澤勇人)の令旨(りょうじ)のその後ですが、みどころは、松山ケンイチさんの芝居です。彼の役者魂が一番感じられる回だと、プロデューサーとして思います。それが全て、です」というツイ。
確かにその通りでした。でも、最後のひと言は余計。
それが全て・・・では、ないです。皆さんよかったですから(笑)
それにしても、頂点に立つと、人は孤独になるのか。そして、父との関係・・・社長~(笑)
そして読み応えのある記事ありがとう~私も書きたいんだけどどうも感想書くのが苦手で、shinさんの感想読んで満足してます。
清盛は自分の作りたい武士の世はちゃんと見えていてそれに向かって突き進んでいるのかと思っていたんですが、そうでなかったんですね。
本当に主役の悪をこれだけ描いた大河は見たことないし、大河の主役の演技に圧倒されたのも凄く久しぶりな気がします。
全話通して殆ど感情移入できるいい人はいないけど、役者さんの演技がそれぞれ素晴らしく魅せてくれましたね。
私も回想シーンでジーンときて、その後の清盛見てたら涙がこぼれました。
凄く効果的な回想シーンだったと思います。ホント中盤の描かれ方が残念な西行さんでした。
私はそもそも鬼若(という名前だったよね)からいらないと思ってました。鬼若出すんなら西行さん出せ~て言ってたわ(^^;
老けメイクやキャストの皆さんの熱演ぶり、頼朝のうだうだ等、全てshinさんに同感です。
特に盛国さんは清盛より年上だし、西行さまも白髭が以外と渋くて似合いそうな感じがするのですが…。
私も、源氏側のエピソードが入りすぎじゃないかな~と思います。
弁慶を、早くから登場させたり、八重姫と赤ちゃんの悲劇も見ていてとても残酷だったし、本編からはちょっと外れているような…。
義朝さんも失礼ながら、必要以上に回想シーンがあるように思っていました。
しかし、昨日の回想シーンには納得だし、懐かしくもあり切なくもありでした。義朝と清盛の小競り合いを、ちょっとお兄ちゃんぽく見ている義清…
そして、時を経た今、清盛に諌めの言葉を訴える西行の、その言葉のひとつひとつが胸に滲みました。
このシーンは、登場人物の皆さんのそれぞれの芝居が本当に見事でした。
年末の総集編では、絶対ノーカットでお願いしたいです。
感想って、まとめるのが難しくて、時間があるときに~って思っているうちに、どんどん時間がたってしまって・・。
まとまらなくても、その時に書かなくちゃと、反省はするんだけど・・。
まさに、役者さんたちの演技を見た!という場面。
清盛もだけど、西行さんもよくは描かれていないから、もしかしたら、誰もよく描くつもりはないのかな?(笑)
そして、これだけ効果的な回想の入れ方もあるんだな~と感心したり。見応えのある回でした。
ほんと、「平家物語」でも「源平物語」でもなく「平清盛」なんだから、弁慶は・・いらないと思います(^^;)
盛国さんは、清盛の死後か、平家が滅亡するころに、一気に老けそうな気がします。
源氏も、頼朝はまだわかるんですが、弁慶は・・。
義朝は、死後も清盛に影響与えているようなので・・。
回想というか、若い頃のあの場面が、後でこんなに生きるとは・・凄いです。
総集編、短そうなので、どれくらい入るか、シンパイですが・・。
義清&西行さんの姿も、どれくらい見られるか(^^;)