amazarashi 電脳演奏監視空間
「ゴースト」抵抗運動参加



当日はとても晴れていて、玄関に表示された「言葉ゾンビ」のロゴが虚実を切り裂いているようだった。気がする。


















2025年4月29日16時過ぎ、開演されたamazarashiのゴースト。朗読演奏実験空間「新言語秩序」の続編。言葉ゾンビとして横浜アリーナに参加した感覚を残す。自分勝手に。
※もし、こんな記録を読んでくれる人がいて、現地におらず、後日放送・映像化されるだろう「ゴースト」を観る人がいたら、ここで読むのをやめてください。ネタバレという不穏当行為には当たらないけど、まっさら、の方が受け取れるから。
また、ここから貼り付ける画像の右下に「amazarashi」の表記があるものは、公式アプリのものです。
……空白はこのくらいでいいだろうか。



当日はとても晴れていて、玄関に表示された「言葉ゾンビ」のロゴが虚実を切り裂いているようだった。気がする。
席は、アリーナだったけどこれはこれでしっかり見渡せる。結果的に円筒回転紗幕の中のamazarashiを背後から観る形だった。もちろん正面から観たい気持ちはあったが、顔は見えずとも、こちらにはこちらでしか体験できないものがあるので良しです。それに、こちらを伺ってくれるタイミングもあったので、嬉しかった。
席につき、専用アプリを起動する。「抵抗運動に参加しますか?」もちろん、ゲージをMAXにして参加ボタンを押す。あとは待つだけ。
16時になり、格言が紗幕に映される。
暗転し、始まる。軽い電子ボイスっぽい音声でアプリのアナウンスが流れて、抵抗運動への参加が促される。スマホを紗幕に向ける。


新言語秩序、AIである領導者への対策システム、20%に達して、告発が公開可能になる。それと同時にスマホに迎撃システム「不眠症」がセットされる。スマホのライトが各々明滅し、会場の一体感が高まっていく。
告発第一章、主人公のひまわりがオーバーマインド号の処理選別室への異動を命じられ、イーアとの語りから物語は始まる。鬱々としたひまわりの気持ちと現実を考えるイーア。第一章が終わるとついに歌が始まる。
①君のベストライフ
観終わった後だからはっきりしてるけど、今回のアルバムは個々のために受け止めることができる感覚以上に、ひまわり達のための曲だった。それがハッキリわかった一曲目だった。
もちろん、ひろむさんがそこで歌ってくれることに心が動いた。やはり自分にとって特別な存在なのだ。ホッとした。色々あって心が動かなくなっていたので、ライブ観て何も感じなかったらどうしよう、と。。
ここはうろ覚えなのだが、監視AI領導者が回転紗幕に邪魔しに来る。通常の歌詞投影と和嶋希明の不穏当行為と認識されているデータが交互にやってくる。ドローン(ジョナサン)も飛んでいて、撮影だけでなく我々を監視している。設定が一曲目にしてすごい。
②ナイトメア
口上で高まった後の曲。歌詞に「オーロラ」とでてくる。「泡沫」だとか「燃やせ」とか、ひまわりの内なる感情と縋りたい気持ちが表面に出てきていて、精神不安定さがよく表現されてる。もしかしたら、深層心理でひまわりはイーアのことを理解していたんではないだろうか。オーロラは泡沫という表現もあるし。ただ、観客がその事、イーア=オーロラと認識するのは後だけれど、鳥肌が立った。その不安定をさまよって、感情が漏れ出そうなところが絶妙ですね。終わった後だとよくわかる。
③黎明期
勝手に応援歌だと思っていた。それが、いつも皮肉っぽいイーアによるひまわりへの想い。見守りってわかってから、聴こえ方が変わった。ありがちな常套句ではないところが良いですね。
あと、「一対」という歌詞がゴーストへ繋がること、「星に願いをかける」というところがスターライトにかかるなんてこのときは思いもしなかった。厳しい状況を表す言葉の黎明期ではあるけれど、正気に戻ることを示す展開の歌にもなっていた。
ストーリー的にも、私の近況的にも、これほどふさわしい言葉はないと思う。涙が止まらなかったですね。



記憶違いでなければ、ここの盛り上がりでアプリの対策システムが40%を越え、領導者が撤退した。
告発第二章、処理選別室での勤務とハルマン室長とのやり取り、そして処理選別への怒り。……冷静に考えるとハルマン室長って、この人もある意味被害者かもしれない。新言語秩序の。
④光、再考
アルバム以外の過去作登場。この後のアルバム以外の曲に言えるけれど、ストーリーにリンクするするのがすごかった。イーアによる声かけか、それともひまわりの自問自答か。どちらもか。
「今 君は日陰の中にいるだけ」この歌詞にいつも救われている。

※もしかしたら、領導者撤退と告発第二章はこのタイミングだったかもしれない。どっちだったかな。
⑤小市民イーア
イーアがハルマン室長に対して行動を起こし、気持ち的には「そんな事をしたら…」って思って観ていた。絞首台って歌詞がここで意味を成してくる。アップテンポの聴き心地の良い曲で、それこそロックスターみたいにかっこいい、と思っていたそれまでに「ひまわりの怒り」がプラスされた。怒りは役に立つ。『新言語秩序』のラストの独白の真章みたいにどんどん価値観が上書きされていく。
ちなみに「胡散臭い成功者が作る日陰は焼け野原」この歌詞はほんとそのとおりだと思う。
⑥ムカデ
「ムカデ!?」と思った。でも、そうか絞首台シリーズだ。それに終わった後だからわかる。ひまわりのナイトメアが続いてるんだと。自問自答なのだと。最初は、イーアの流れの考えが流れてきてるんだな、って思ったけど、イーアの正体がわかるとしっくりくる。「僕が僕ではない感覚 もしくは錯覚」これよね。
⑦どうなったって
この曲は、『永遠市』のライブの時から凄く好きで、ひろむさんの気持ちそのものだけど、こちら側も一緒です。「会いたい人には会いに行かなきゃ」それだけは譲りたくない、な。
⑧痛覚
紗幕の映像は、『CDJ2425』の時と同じだったかな。青の祓魔師の主題歌であるけれど、、、この曲もしっかりおさまる。すごいな。すべて終わった後のひまわりの気持ちとして、かな。それとも全てを知っているイーアか。


告発第三章、対策システム60%。
当然ながら、イーアは収容室へ。ひまわりも。ここでひまわりが手首をさすっていたのが、逆の意味だったとは。連帯責任とはよく言ったものである。「骨になっても意志は残る」この言葉と出会ってなかったら、ラストにつながらなかったかもしれない。そう考えると大事なファクターと言える。
後は、アカシアとの出会い。非情な真実を突きつけてくるけど、どこか人間らしさを感じる人。なんとなく感じていたけど、「これが私たちの意志だ」と鍵を開けてくれた時に思ったことが、正しかった。■■■■だった。「◯◯しよう」ではなく、(自分で考えて決めて)という態度をとるところが、amazarashiらしさを感じた。
⑨収容室
ここは、この曲しかないってさすがに思った。外に出るための何か。ひろむさんにとっては音楽。ひまわりにとってはイーアのはず。ふと考える。イーアにとってがあるなら何なのかな。
⑩ロストボーイズ
信じてた土台が揺らいで迷子になったひまわり。新言語秩序からの新言語道徳が施行されてたら、、、吐き出せない感情の迷子たちがたくさん出てくるんだろう、って考えたらこわいな。
⑪アンチノミー
「感情を持たないでください」「人を愛さないでください」、ニーアオートマタの人ならざる者たちへの歌が、ロストボーイへの歌にもなるなんて。この言葉の裏、二律背反したオーロラのひまわりに対する気持ちが最後のゴーストへとつながる。「人として憤れ 感情を踏みにじる全てへ」決着をつけるために進む。
⑫未来になれなかったあの夜に
え、、、嘘でしょ。やるの、その曲を。ライブバージョンの特徴あるイントロがなった瞬間に思った。すべてを知った今なら、イーア・オーロラの心の内にリンクするってわかる。いずれ、ひまわりが「ざまあみろ」って言えたら良いな。
ただ現地で聴いてたときは、それどころではなかった。やっぱりCメロが心に突き刺さる「足りない君が馬鹿にされたなら 足りないままで幸福になって」ここに何回救われたことか。

ここで領導者が再び撤退したはず。だんだんダメージを与えているのか、領導者の顔に変化が現れるがこの辺だとだいぶ弱っていた。(さすがに写真は厳ついのしか無かったんでやめました)
告発第四章、対策システム80%
脱走したひまわりがオーバーマインド号への中枢AI、領導者のもとへ。ここで感じてた違和感の正体が明らかになる。周りからはなぜひまわりの名前しか出てこないのか。イーアがゴーストだったから。
真実を知ったひまわりを見捨てることができないイーア。その心内が語られる。もう一人の自分だとしても、声のかけ方って様々だと思うけれど、家族としての思いやりが入ってたと思う。
意志を残す話の所も印象的だった。『新言語秩序』の時の実多のラストシーンのところが思い起こされたな。なんにせよ、立ち上がった。「持たざることが図らずとも武器になる 這い上がるときにだけ」この歌詞が形になっているし、私もそう思った。
⑬おんなじ髑髏
ライブ観る前は、社会と照らし合わせて、自分の身の回りと照らし合わせて聴いてて、せめて自分のやりたいようにやろうと思ってた。
ライブでここまでくると、どうやって自分としての意志を残す、ことがこの曲で言いたいことだったのかとわかった。
ちなみにアルバムを最初に聴いたとき、SNSを少し開いた時、偶然「4曲目から進めなくなった」と見かけました。全くもって同意見(笑)
⑭僕が死のうと思ったのは
「どこにも旅立てない心」「ゴールはどうせ醜いもの」そんな歌詞から最後は「世界に少し期待するよ」。世界と自分にも期待できるようになればいいなと思う。だから、ここにセットリストとして組み込まれたんじゃないだろうか。
靴紐、という歌詞が入っているこの曲から、ガチャの靴紐が来てたりして。なんてね。
⑮スターライト
ひまわりの現状か、それともひろむさんの過去か、それともどちらもか。口上が進むにつれて、「夜の向こうに答えはあるのか!」何度も言い放つ。黎明期から立ち上がるその意志に呼応して高まる。アルバム曲でないのに、歌詞がはまり過ぎている。足元を照らしてくれるような道標のような、そんな曲。

※このあたりではもう領導者がトラウマ級な顔してた(腕のこととか特に)。ちなみにそれまでにもたまに口の中にあまざらしくんが見えたり、そういう演出にニヤリとしてた。
曲間の和嶋希明の不穏当行為の内容も新言語秩序庁から、いろいろと明らかになっていて見応えがある。
演者と曲映像、曲そのもの、演奏、情報量が多く、感情の揺らぎもあるから、気が抜けない空間だった。
記憶が曖昧だけれど、このあたりでアプリの中で「不眠症」が響撃を放っていた。このあたりからゴーストまでのどこかだった気がする。
⑯アンアライブ
第四章の中、ゴーストこと背後霊について明らかになった。この曲をもって物語は最終局面へ。
骨になるまでの生き方、今まではひろむさんの、amazarashiのことだったけど、物語がプラスされるとクリアになったし、意志が残った。
個人的に好きなのは「迷宮、抜けた作者が 僕にとって英雄」。自分にとってはそれが「秋田ひろむ」さんです。
第五章、最後。ひまわりとイーア、そしてオーロラの別れ。でも、それぞれが自分として進むことを選んだので、その先がどうあろうとも大丈夫だと信じたい。領導者AI、オーバーマインド号もこれで終わり。そこから先の未来は分からないけど、ひまわりのこの告発があるから、無事だと信じたい。

⑰ゴースト
優しい良い曲だと思ってたけど、どうしても「バースデイ」の意味がわからなかった。ライブを、ここまで進んできたからこそはっきりした。
ひまわりと背後霊、私は守護霊と呼びたいイーア(オーロラ)の関係を表す曲。終わった後のアプリで読める、背後霊と決着をつけるための秋田ひろむさんの曲。そして、あまり人のためって言わないひろむさんが「自分自身を生きられますように」と伝えてくれた曲。ありがとうございます、と言いたい。
エンディング曲だから、領導者から解放されて、各ウィンドウに映像とスタッフロールが流れて、素敵な演出だった。ゴーストのラストの別れと同じように「もう少しで終わってしまうんだ」という寂しい感覚もリンクしていた。最後に『新言語秩序』と同じようにひろむさんがこちらを見てくれた、ように感じるのは自分勝手で良いです、よね?






暗転したラストにすぐ消えてしまったけど、映像が現れた。全てを読めなかったけど、断片的に。「高次〜」「秋田ひろむ」「可能性」こんな言葉が。これは、希明=秋田ひろむ、の構図なのかな。それとも他の部分が読みきれてないから間違いか。6月29日の放送や円盤化されたら、はっきりするのだろうか。
終幕後、凄いものを観てしまった感覚になった。
豊川さんのキーボードとコーラス、まこっちゃんのギターソロ、タケさんの支えてくれるベース、橋谷田先生の細やかなドラム、細かく練られた脚本、演出、連動アプリ、ドローン、円筒回転紗幕の映像、領導者の映像、セットリスト、そして秋田ひろむさんの歌。全てがシンクロした素晴らしい内容だった。
時間も19時前に必ず終わるようになっていた。「新言語道徳」を食い止めたのだ。代わりに19時に写真やひろむさんの暗号が解けなかった部分が更新され届いた。背後霊についての決着。
同じではないけど、私は昔から独り言をよく言うと言われてました。今でもそうです。多重人格とかはないけど、頭の中でもう1人の自分と話している感覚は、近いのかなって。我慢しなきゃいけない状況でも頭の中では、そいつと話をする。私の場合は、そいつとセットで自分なので、一緒にやっていこうと思いました。
また、最低最悪な近況から、掬い上げてくれて、心がまた動き始めたし、助けられました。心が動かなかったら、そんな事を考えたこともあるけど、超いらない心配だった(笑)。あの一番最初に観た時から私にとって変わらない存在だ。
本当にありがとうございます、と伝えたい。
しょうもない長文かつ駄文だけど、ここまでもし読んでくれた人がいるなら、ありがとうございました。
考えながら書いて、いつもはやめとこうかな、とか思うことも今日は書いてみました。「自分勝手が丁度いい」という言葉に後押しをもらったと信じて。
ひろむさんにはゆっくりしていただいて、またやりたいことをやってもらえればと思います。今のところは、夏のSUMMER SONIC2025が決まっているので、そこまで私も倒れずにやっていければと思う。
