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▲弥生→ヤマト時代、そして飛鳥時代、中国唐代(『西遊記』取経編)

▼弥生→ヤマト時代、そして飛鳥時代、中国唐代(『西遊記』取経編)
手塚治虫の『火の鳥・ヤマト編』では五世紀の日本が描かれ、ヤマトの王、王子のヤマト・オグナ、さらに川上タケルが登場。

釋迦と観音はなぜ、長安に直接、経を届けなかったのか
用明天皇の皇子・厩戸皇子(574~622)については漫画『日出処の天子』でも描かれている。
すでに述べたように、玄奘が経を求めて長安から出發した時期は史料によって揺れがあり、西暦627年または629年とされる。

『のび太のパラレル西遊記』のフィルムブックではでは「629年」に玄奘が長安を出發。すでに述べたように629年とする。
西暦629年、釋迦は律、論、経の三蔵真教(→三蔵経)が人間に必要だと判断。

ここで重要なのは、「史実」とされる話では長安の側(玄奘の側)から先に天竺(てんぢく)の経を必要としたのに対し、『西遊記』では天竺の側(釋迦の側)がその必要性を先に考えたこと。それなら、天竺のほうから直接、長安に三蔵真経を届ければよかったが、当時の釋迦と菩薩にはその能力はなかったのか。
如来は観世音菩薩と惠岸を長安に派遣し、長安から天竺まで教を取りに来る僧を探した。このときに、もし、釋迦が観音に三蔵真経を持たせていればどうなったか。菩薩が長安に着いた時点で長安に経を届ける目的は達せられ、わざわざ唐僧が天竺まで命がけの旅をする必要はなかった。

玄奘は長安から天竺に向かったが、もとからいた從者も馬も全員、死亡し、長安からのメンバーは玄奘一人になってしまった。天下万民を救うためとはいえ、三蔵に危険な旅をさせたリスクは大きい。普通なら日本の遣隋使、遣唐使のような大軍団にして、護衛の軍団もつけ、皇帝からの使者として送るべきではなかったか。

1978~80年放送の日本テレビ版『西遊記Ⅱ』では、猪八戒と悟空が別々に唐の長安を訪れていたが、両者は唐から派遣された從者ではなく、途中で加わったメンバーだ。作品で描かれなかったが、太宗皇帝は国で派遣した從者と馬が全滅したと聴いて驚いたに違いない。

つたえられる「史実」では玄奘は許可をもらえず、国禁を犯して出国したが、帰国の際には歓迎されたとのこと。
ここで、長安に出たのを「出国」、長安についたのを「帰国」と呼ぶことの曖昧さを指摘しておく。唐は廣大な面積を領有しており、今の中国内モンゴル、チベットやウイグルが別の国だったとしても、長安を出たあと、しばらくは出国しておらず、天竺の国内に入っても、経を得る目的地には達していなかったはず。

玄奘は三蔵真経を取りに行くことになったときから、三蔵を名乗った。徳川光圀以外にも「水戸黄門」がいたように、玄奘以外にも「三蔵法師」はいたようだ。玄奘の幼名は「江流(かうりう、現代北京音Jiāng-liú)」で、日テレ版『西遊記』2作(1978~80年)で玄奘の母は最初、玄奘を「江流」と呼んでいたが、のちに「三蔵」と呼ぶようになった。
中国では玄奘が「唐僧(Tángsēng)」と呼ばれており、これでは鑑真も唐の僧なので曖昧すぎる。

公式サイト
映画「ドラゴン・キングダム」特集 - TSUTAYA online
ドラゴン・キングダム : 映画情報 - 映画のことならeiga.com
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『西遊記』、五行山の500年

『パタリロ西遊記!』では孫悟空が山に封じ込められてから500年たって大唐国の話になるなど、原作に忠実なところが多いが、その500年間にベルリンの壁崩壊(1989年)、ソ連解体(1991年)があったことになっており、時代設定は20世紀の可能性もある。
そうなると作中の大唐国は現代中国で、1989年を挟んだ時期の中国の混乱といえば天安門事件、さらに500年さかのぼると明→清→中華民国→中華人民共和国の時代で、アヘン戦争、日清戦争、辛亥革命、日中戦争、国共内戦、チベット併合、文化大革命という名の虐殺などがあった。
『パタリロ西遊記!』における三蔵の取経の旅は1990年代以降になるが、20世紀の中国の僧侶が西安からインドの経を求めて旅をした場合、飛行機で充分だっただろうし、電話一本で郵送してもらえばよかった話だ。
2009年2月26日

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