goo blog サービス終了のお知らせ 

gooブログ ものがたりの歴史 虚実歴史

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

『必殺仕置人』の「この存在を証明する記録、古文書の類は一切残っていない」について

2014-03-30 19:31:00 | 文化・文政
『はだしのゲン』関連tw(2014年3月26日以降)

@kyojitsurekishi 「ゲン」に公文書の裏付けが必要か?フィクションというのは史書や公文書自体が眉唾だという前提で虚構の話が作られる。「必殺仕置人」の存在を証明する古文書の類は残っていない。「大奥華の乱」では綱吉は吉保に刺殺され、幕臣には自害、世間には病死と公表された。
posted at 16:19:17
related tweet

『必殺仕掛人』『必殺仕置人』『助け人走る』『暗闇仕留人』のオープニングとエンディングのナレーションでは「悪がはびこり、人々が苦しんでいる」→「晴らせぬ恨みを晴らす裏稼業が存在する」→「このような裏稼業が存在したことは、つたえられているが、公式な記録には記されていない」ということを述べている。
必殺シリーズのテーマは「史書や古文書に描かれた歴史は建前で、その裏に『書かれなかった歴史』が存在する」ということだ。

しかし劇中で描かれた「歴史」で考えても記録が残っていないとは考えにくい。
番組予告によると『必殺仕置人』の時代設定は文化・文政(さいとう・たかを作画の劇画版『仕掛人・藤枝梅安』では寛政末期)であり、『必殺仕置人』の時代設定も文化・文政であった。

『必殺仕置人』の場合、鉄と錠は一度投獄されたのち、釋放されている。最終回では鉄と錠の人相書が出回り、半次が処刑される寸前に鉄と錠が乱入し、江戸から逃げた。

これが記録にないとすると奉行所が自らの失態を隠蔽したことになる。
奉行所がそういう体質だから悪がはびこり、同時に裏稼業が成立したのだろう。

滝沢秀明主演の『鼠、江戸を疾る』でも次郎吉によって大金を盗まれた大名屋敷では、それを隠蔽していたらしい。

『助け人走る』では中盤で仕事料の小判から足がつき、連絡係の為吉(演:住吉正博)が殉職。助け人たちが中村主水による「裏切り」を考えなかったのか疑問に思うが、ここで助け人たちは奉行所の主だった敵を倒した。しかし最終回で助け人たちは再び捕り方にかこまれ、島帰りの龍は相手を道連れに川に落ち、他のメンバーは江戸を去った。

『仕事屋稼業』でも半兵衛の人相書が江戸に出回り、半兵衛は江戸を去った。
『仕置屋稼業』(時代は天保時代か)でも市松が投獄され、処刑場に連行される途中、主水がドジをしたふりをして市松を逃がし、牢屋見廻りに格下げされた。

必殺シリーズの場合、劇中の仕事人の中には人相書が出回って江戸を去った者、獄死したか処刑された者もいる。これらの記録が奉行所に残らないはずがない。
残らないとすれば奉行所内で証拠が消されたのだろう。

しかも一度、人相書きが描かれた仕置人が江戸に戻って平気で生活している。
『新必殺仕置人』で鉄は江戸に戻っていたが、最後には女郎屋で絶命。巳代松も奉行所の拷問で植物人間となり、おていと共に江戸から去った。

のちの『必殺仕事人IV』では秀の人相書が出回り、秀はお民と一緒に江戸から去ったが、のちに何度も江戸に戻っていたようで、最後は主水の「最期」を見届けた。

江戸に戻った仕事人が奉行所に追われないのは主水が証拠を隠蔽しているからか。
『必殺仕事人・激突!』では秀が処刑されかけて、主水の工作で助けられた。

主水は一度、助け人の裏稼業を知り、仲間に入ろうとしたが、結局、それだけだった。のちに助け人が捕り方に追われたが、これは主水とは関係ないだろうが、助け人たちは主水を疑わなかったのか。
それはともかく、主水が助け人に入らなかったのは正解だった。助け人はのちに「義賊」「世直し」と呼ばれたらしいが、仕事人の時、順之助が仕事人を「世直し」と考えていたのに対し、主水や勇次はそう思ってはいなかったようである。

『仕事人vsオール江戸警察』では加代の仲間のうち、剃刀の辰(演:本田博太郎)が獄死し、藝者・駒吉(演:光本幸子)が処刑された。加代と太棹の新之助(演:田村亮)も捕縛され、処刑されかけたが、鶴のからくりで脱出。

『オール江戸警察』で中村主水は1844年に鳥居耀蔵を暗殺したが、劇中のナレーションによると、幕府はこれを隠蔽し、建前では失脚で、明治まで生きたことになっている。
また、『大老殺し』の中村主水は1860年に井伊直弼を桜田門外で暗殺したが、これも直後に駕籠を襲った水戸・薩摩の浪士グループの仕業とされた(『江戸警察』の主水と『大老殺し』の主水は別人かも知れない)。

鼠小僧の最期(1832)と葛飾北斎の最期(1849)について、必殺シリーズではそれぞれ2つずつ、異なる解釋を設けた。いずれも『からくり人』シリーズと『仕事人シリーズ』である。

公の歴史を疑うことが必殺シリーズの教訓かも知れない。

ところで棺桶の錠や太棹の新之助は投獄されて牢から出た時、武器をどうやって奪還したか不明。錠は手槍を持っていなかったのか。太棹の新之助は捕縛された時、仕込み三味線をその場で落としたが、捕り方はそれを押収しなかったのか。主水がこっそり彼らに返していたのだろうか。

@misterhiropon 『仕置人』と『助け人』ではEdのナレーションで「記録には残っていない」ことが明確になっていますね。しかし最終的に捕り方が助け人や仕置人を捕らえ、または逃げられたこともあり、記録にないとすると幕府や奉行所の隠蔽体質が背景にあるということでしょう。
tweet

@misterhiropon 細かいことについてはこちらをご覧ください。
tweet

前後一覧
2014年3/30

関連語句
仕置人 必殺 ナレーション
必殺シリーズの裏稼業変遷(Y!Blog)
必殺シリーズで描かれた裏稼業の歴史(Y!Blog)

参照
Y!Blog>必殺シリーズのOPナレーションと主題歌
Y!Blog>必殺シリーズのOPナレーション
Y!Blog>必殺シリーズの意味(史料に書かれた公式の記録の裏を想像する)
Y!Blog>『はだしのゲン』関連tw(2014年3月26日以降)

【時代劇の時代設定】隠密八百八町~必殺シリーズ(文政)

2013-11-14 15:09:00 | 文化・文政
2013年10月12日(土)
@kyojitsurekishi
【時代劇の時代設定】隠密八百八町:「隠密秘帖」の劇中の時代から35年経過した時代を描いた続編で、時代は1819年(文政2年)に移っている。「必殺仕事人」の中村主水は既にこの時期、裏稼業をしていた模様。
posted at 00:14:19

【時代劇の時代設定】必殺仕掛人:番宣では「文化・文政」とある。文化年間は1804~18年、文政年間は1818~30年。さいとう・たかを作画の劇画版「仕掛人藤枝梅安」では1798年(寛政10年)6月に小杉十五郎が木之内左衛門の名で松平定信の護衛に就任。
posted at 00:32:41

【時代劇の時代設定】必殺仕置人:前作「仕掛人」と同様、番宣では「文化・文政」としている。「新仕置人」もCD解説書等で「文化・文政」とあったと思うが「仕留人」が幕末で「仕置屋」が天保の設定であり「仕事人」は時代設定が化政・天保・幕末等に分散している。
posted at 00:47:51

【時代劇の時代設定】必殺仕掛人 - teacup.ブログ“AutoPage” 
【時代劇の時代設定】必殺仕置人 - teacup.ブログ“AutoPage”
posted at 00:54:40

【時代劇の時代設定】必殺仕事人V旋風編第7話:オランダ商館(の人)が中村主水を表彰したのが1819年1月なので文政2年と思われるが陽暦の1819年1月であれば陰暦では文政元年(1818年)末の可能性がある。
posted at 01:17:56

「必殺仕事人V旋風編」第7話は1819年の出来事だが、前の第6話では劇中で将軍が他界している。1819年当時の将軍・家斉は1837年に大御所となって1841年に没し、これは次作「風雲竜虎編」第2話で描かれている。第6話の将軍は家斉とは別人であろう。
在職中に他界した徳川将軍は3家光(1751)、4家綱(1680)、5綱吉(1709)、 6家宣(1712)7家継(1716)10家治(1786)12家慶(1853)13家定(1858)、 14家茂(1866)。9家重は1760年辞任、翌年没。
江戸時代の徳川家の将軍のうち、1家康、2秀忠、8吉宗、9家重、11家斉、 15慶喜は将軍を辞めてから生涯を閉じるまで時間差があった。9家重は隠居の翌年に没。一方、将軍だった期間より将軍を辞めてからの「余生」の方が長かったのは1家康と15慶喜だった。
必殺シリーズにおいて家慶没年の1853年は主水が糸井貢・大吉らと仕留人グループを結成した年で家定没年の1858年は安政の大獄の時期で主水は加代と再会し地獄組と闘っていた将軍が家茂から慶喜になった1866年は「ブラウン館」での裏稼業の時代。
posted at 01:22:50
posted at 01:30:59
posted at 01:41:35
posted at 06:40:33

「仕事人V旋風編」の時代設定上、第6話は例外として、第7話が1819年1月の出来事とすると第1話で主水と銀平・お玉が出会ったのは1818年(文政元年)だろう。第1話で主水は「8年程前に虎という元締が江戸の裏組織を仕切っていた」と銀平に述べていた。
posted at 01:51:59

もし中村主水が「仕事人V旋風編」で語った虎の元締が「新仕置人」の元締・虎であれば、1818年(文化15年→文政元年)から8年さかのぼって1810年(文化7年)ごろになる。これが文政の新仕置人(鉄・巳代松、正八、おてい)の活動した時代であろうか。
posted at 02:01:48

【時代劇の時代設定】必殺仕事人2009第5話:寺社奉行(「松平完発」のように見える名前)名義の立札に「文政四年二月十二日」とあり、「正閣寺大佛建立御取止め」を報じる瓦版は「文政四年二月十九日」付。文政4年は西暦1821年。
posted at 03:10:03

【時代劇の時代設定】必殺仕事人2009第11話:「近江の女狐」の人相書に「文政四年四月」とあり「四月」の下は「三日」のようだが、画像がはっきりしない。文政4年は西暦1821年。
posted at 03:13:27

【時代劇の時代設定】必殺仕事人2007 - teacup.ブログ
【時代劇の時代設定】必殺仕事人2009 - teacup.ブログ
posted at 03:20:44

【時代劇の時代設定】必殺!III裏か表か:冒頭の字幕に「文政三年四月八日未明南町奉行所」とある。文政3年は西暦1820年。主水・秀・加代・政・竜・壱・参のグループが闇の金融組織と激闘。竜と壱、参が殉職。
posted at 04:16:17

【時代劇の時代設定】勢ぞろい仕事人! 春雨じゃ、悪人退治 - teacup.ブログ“AutoPage”
posted at 04:23:15

【時代劇の時代設定】必殺仕事人V旋風編第7話 - teacup.ブログ
posted at 04:24:01

【時代劇の時代設定】浪花の華~緒方洪庵事件帳~:1829年(文政12年)の大坂が舞台。緒方洪庵(1810~1863)は1829年当時数え年20歳で1863年(文久3年)に数え年54歳で没した。果たして洪庵は晩年に南方仁と会ったのだろうか。
posted at 04:40:43

【時代劇の時代設定】咲くやこの花:文政12年(1829年)の江戸深川が舞台なので、大坂を舞台にした「浪花の華~緒方洪庵事件帳~」と同じ時代を扱っていることになる。
posted at 05:06:43

【時代劇の時代設定】浪花の華~緒方洪庵事件帳~ - teacup.ブログ
【時代劇の時代設定】咲くやこの花 - teacup.ブログ“AutoPage”
posted at 05:10:21

【時代劇の時代設定】酔いどれ小籐次留書:原作の時代設定を調べると文化・文政である可能性が高い。
posted at 05:53:16

【時代劇の時代設定】必殺商売人第4話:芦屋雁之助が河内山宗俊(~宗春、?~1823)を演じている。宗俊は切り餅4つで商売人に仕事を依頼した。
posted at 06:18:59

大岡忠光の没年1760年に葛飾北斎が誕生。32歳前後の北斎が「だましゑ歌麿」に登場した。必殺シリーズでは「春雨」で69~70歳の北斎が高橋景保の天文台で星空の下、絵を描いていた。90歳の北斎の最期が「からくり人富嶽百景」と「主水死す」で描かれた。
posted at 07:35:20

「春雨じゃ、悪人退治」では主水と千葉周作、滝沢馬琴、葛飾北斎が高橋景保の天文台に招かれていた。「必殺!主水死す」はシーボルト事件から約20年後、1849年の北斎死去で話が始まる。この映画で主水とお千代、権の四郎が20年振りに再会した。つまり、主水が千代、権の四郎と前に会ったのは1829年ごろ、シーボルト事件の前後で「春雨じゃ悪人退治」の主水が千葉周作、加代らと組んで高橋景保の仇を討った時だった。
posted at 08:37:28
posted at 08:41:37

必殺スペシャル「仕事人vsオール江戸警察」は鳥居耀蔵が南町奉行だった1841~44年の天保末期を扱っているが、ここで中村主水は奉行所勤続23年だった。計算すると「オール江戸警察」の主水が奉行所に勤め始めたのは1818~21年の間の文政初期になる。
posted at 08:51:07

必殺シリーズではシーボルト事件には黒幕がいて、主水の仕事の標的となった。鳴滝塾で学んだ高野長英は蛮社の獄で投獄され、長英脱獄後、主水が鳥居耀蔵を暗殺。最終的に主水は水野忠邦をも暗殺。長英の弟子だった糸井貢は黒船来航後に幕末の中村主水と組んだ。
posted at 09:23:22

前後一覧
2013年11/14

【時代劇の時代設定】みをつくし料理帖~闇を斬る!~同心暁蘭之介

2013-11-14 11:02:00 | 文化・文政
2013年10月11日(金)
@kyojitsurekishi もし「みをつくし料理帖」の澪が1802年当時8歳であれば、1795年当時0歳だから、数え年と満年齢の違いを計算に入れると1795年または1796年生まれ。遠山金四郎(1793~1855)や鳥居耀蔵(1796~ 1873)とほぼ同世代になるか。
posted at 19:13:42

【時代劇の時代設定】みをつくし料理帖 - teacup.ブログ“AutoPage”
posted at 19:21:28

【時代劇の時代設定】闇を斬る!大江戸犯科帳:第8話で水戸斉脩が登場。藩主だったのは1816年から1829年まで。第17話「人情裁き!表裏二人奉行」の立札が「文化丙寅年九月廿日」に見えた。該当するのは1806年(文化3年)。
posted at 19:34:45

【時代劇の時代設定】闇を斬る!大江戸犯科帳 - teacup.ブログ
posted at 19:47:39

「闇を斬る!大江戸犯科帳」では、里見浩太朗扮する大目付・一色由良之助(闇奉行)と西郷輝彦扮する北町奉行・小笠原能登守が主人公だったようだが、江戸時代のの大目付や町奉行のリストをネットで調べてもこれらの名が見当たらない。両者が架空の人物なら実在で将軍や藩主が時代設定の手掛かりとなる。
posted at 19:54:21

【時代劇の時代設定】同心暁蘭之介:北町奉行が小田切土佐守直年(1743~1811)だったのは1792(寛政4)年~1811(文化8)年。検索すると第21話は1808(文化5)年早朝から始まったらしい。
posted at 21:30:36

「みをつくし料理帖」の澪の幼少期は1802年で成長後は1812年ごろらしい。日本史上でこの前後に生まれた人物には水戸斉昭(1800~1860)、高野長英(1804~1850)、島津斉彬(1809~1858)、井伊直弼(1815~1860)がいる。
posted at 21:44:43

前後一覧
2013年11/14

もしも元締・虎と鹿蔵が兄弟だったら

2013-04-20 14:31:00 | 文化・文政
【画像】もしも元締・虎と鹿蔵が兄弟だったら

____┏━兄弟? ━━┓
___<虎>____/鹿\━愛人?━おとわ
┏━━━┫└──┐__\蔵/━夫婦?━おりく
┃___┃実_│___│______│
┃実子_┃子_│養子_│養子____│養子
┃___┃__│___│______│
おしん_お玉_死神__与市_____勇次

tweet(壱)/TWEET(弐)/

前後一覧

関連語句

AmebaBlog
2009-09-09 19:07:38

2009-09-11 17:51:26

2010-05-23 20:51:17

【画像】
元締・虎の系図