もふもふパラダイス~三毛猫ももの楽園

北国札幌に住む三毛猫ももとサビ猫はっちのありふれた日常をちょっぴりご紹介します

てつのはなし

2006年05月12日 23時16分15秒 | てつ

てっちゃ~ん! 元気に走ってるかい?

 

 rinko が このうちにお嫁に来たとき
てつ と さくら という2匹の柴犬がいました。

オットが仔犬のときから育てていて
当時 7歳でした。

お外の柵の中に小屋があり
そこに住んでいました。

rinko が そばに行くと
ちぎれんばかりに尻尾を振って
わんわん吼えながら
なでて なでて! と柵にからだを押し付けます。

2匹を散歩に連れていくと
はしゃいだ てつ は勝手なところに行こうとします。
妹の さくら は要領よく、怒られることはしません。

「 てつ! ダメでしょ! 」

rinko が てつ の顔を両手で挟み
目をみながら怒ると
てつ は、あらぬ方向を見て目をそらします。
さくら は だから言ったじゃない とばかりに
後ろでシレっとお行儀よく
お説教が終わるのを待ってます。

おバカな てつ と
世渡り上手の さくら
仲良しきょうだいでした。


さくら は rinko がこの家を離れていた
5年の間に、突然病気で虹の橋を渡りました…
10歳でした。
当時、じぃじが一人でこのうちにおり
2匹の世話をしていました。

じぃじから泣きながら電話が来ました。

でも てつ のお陰で
じぃじは元気を取り戻すことができたのです。

てつ は14歳になったあたりから
おじいちゃんになってきました。

「 てつ! 」

呼んでも 気付きません

「 てつーっ! て~つ~っ!! 」

‘ ぁあ~ん? 誰か呼んだかね? ’

と ばかりに おもむろに振り向きます。

耳が聞こえなくなったようです

耳が遠くなり、目が白く濁り
日に日に老化が進んでいきます

夜中に遠吠えをするようになりました。

ぉお~~~~~ん

鳴くたびに外に出て散歩に連れて行きました。


周りの家も 犬を飼ってるうちが多いのですが
やはり ご近所の迷惑になってるのでは と
気になりだし、家の中にいれることにしました。


‘ rinko さん ごはんはまだかいね? ’
「 いやですよ おじいさん 今食べたばっかりじゃぁありませんか 」

いつも いつも 何かを要求しています。

耳が遠くなったあたりから
平衡感覚が悪くなり
右に右に行こうとします。

家の中では ぐるぐるぐるぐる回るようになりました。

オットと帰宅して車から降りると
家の中から てつ の鳴き声が聞こえます

「 てつ! どうした!? 」

慌てて家の中に入ると
いったい どうやったらそんなことになるのか
カウンターの小さい椅子の足に絡まって
動けなくなっていました。
しかも 部屋中うんちまみれです

じぃじは1日おきに夜勤の仕事をしていて
どうしても てつ が一人になる時間があるのです。


去年の6月に もも がうちにやってきました


来たばかりの ちびもも

てつ には もも が来たことは
結局わからないままだったのかもしれません。

もも は 最初こそ てつ に
シャー をしましたが
すぐに慣れて、そばにも行くようになりました

てつが寝てると、近寄ってくんくんしますが
てつを叩いたり、踏んだりはしませんでした。

てつ は 寒くなってきた頃から
寝たきりになりました。

決まった方を下にしないと動くので
いつも同じ格好で寝ています

同じ格好もよくないだろうと
たまに向きを変えると
気持ち悪いのか
わしわし動こうとします。
床ずれのような傷が常にあり
痛々しかったです…

おしっこの出が悪くなり、
病院に行って点滴をしてもらい
おしっこの管を入れました。

この管が外れてしまうので
毎日 うちで入れなおしていました。

じぃじが最初に疲れてきました…

じぃじは昔の人間ですので
てつ の世話は一生懸命してましたが
所詮 犬の世話
という認識がやはりあったようです。

それでも、一生懸命にお世話をして
可愛がってました。

でも 交代で とはいえ
ほとんど毎日 ごはんを手で食べさせ
毎日 注射器で水を飲ませ
毎日 おむつの交換をするのは
大変なことでした…

そして

ただただ寝ている てつ を見るのが辛かったのです…

殺してしまおう!

そんな言葉がとうとう出てしまいました。
オットと大喧嘩になり
rinko はオロオロするばかりです。

じぃじの気持ちもよくわかる…
オットの気持ちもよくわかる…

ずっと2人で育ててきた てつ です

rinko に 口出しはできないけど
この険悪ムードを変えなくちゃ と思い
明るく 笑い話のように言いました。

「 大丈夫だよ~ なんとかなるって! 」

気休め以外のなんでもありません
でも、今その選択をしたら
じぃじは いつまでも悔やむでしょう…

それから しばらくたった頃

オットが残業で
じぃじが夜勤で
rinko が一人でうちに帰った日

いつものように茶の間で寝ている てつ

てつ は寝てるから大丈夫
まずは もも にごはんだね。

もも にごはんをあげて
階下に てつの様子を見に行きました。

最初は わかりませんでした…
普段と何も変わりないように見えました…

でも

耳をさわっても
まつげをさわっても
ぴくぴくしません…

「 てつ~ … てつ? … てつっ?! 」

まだ 暖かいからだなのに
てつ は もうそこにはいませんでした

泣きながらオットに電話をし
泣きながら友人に電話をし
オットが帰ってくるまでの間
友人に慰められながら
てつ のからだを拭きました

rinko は てつ に選ばれたのだと思いました。

オットでもなく じぃじでもなく
rinko が その役目をするように…

きっと 2人が見つけたら
ショックだったでしょう
泣いたでしょう

てつ は それは見たくなかったんだと思います。

‘ rinkoさんなら だいじょうぶじゃぁ ’

てつ がそう言っているようでした。


オットが帰ってきて てつ を抱きしめました
翌朝 じぃじが帰ってきて てつ の頭を わしわしなでました

1日 そのまま一緒に過ごして
次の日 3人で てつ の骨をひろいました

 

12月15日 雪の降る日に
てつ は16歳で 虹の橋を渡りました


てつ

rinko は すっとぼけた てつ が大好きだったよ!

てつ

虹の橋で待ってる さくら を 又守ってあげてね

てつ

楽しい思い出をたくさんたくさん ありがとう!

 

てっちゃん 大好き!

 

 

目も耳もよくなって元気に走っているであろう てつ にも もふもふっとよろしくね!