ほめちぎり映画館

"ほめたい映画"限定! シナリオ練習生の勝手気ままに見たまま、感じたままの映画評。

タムナスさんとダニエルさん

2009-02-23 18:00:48 | 映画(DVD)


タムナスさんin
【ナルニア国物語/第一章
~ライオンと魔女~】

ジェームズ・マカヴォイ祭り第二弾。
この役に至ってはもはやヒトですらなく、多少コスプレが過ぎますが、とりあえず観とくか、ってことで観てみました。

最初、公式HPでスティールを見たときは愕然としたがね。
これはこれでよいではないか!

◎木に隠れるタムナスさん
◎ タムナスさんの握手
◎ 足の蹄についた雪をはらう仕草
◎ 悪事を企んでも、悪者になれきれない目

しかも傘さしてるし。獣なのに。そして傘が小さいし。萌える。

しかしまたしても早々に消える。
どゆこと? 「ナルニアのタムナスさん役でブレイク」とあちこちに書いてあったから、てっきりタムナスさん大活躍の巻! かと思っていたのにさ。ビーバーに負けてるやん。

出番が少ないのに印象に残る? そゆことですか? そゆことなんですね!! まるで『遠い夜明け』のデンゼル・ワシントンみたいじゃないですか!!! 共演キボー、だわ。デンゼル刑事VS『ユージュアル・サスペクツ』のケビン・スペイシーみたいなんだけど本物の悪党にはなりきれない心根ピュアなマカヴォイ容疑者とか。どうよ?

映画の方は『ロード・オブ・ザ・リング』のような重厚感や深みはなく。でも、子ども向けの映画としてはなかなか楽しめる作品ではないでしょうか?

ライオン軍団と魔女軍団の戦闘シーンがあるんですが、魔女の自力が強くてワロタ。魔力いらんやん(^◇^;)

魔女、『フィクサー』のティルダ・スウィントンなんですね。あっちではストレスの絶頂にいらっしゃったのに、こっちでは敵をイキイキと切り倒してはりました。


ダニエルさんin
【ゼア・ウィル・ビー・ブラッド】

ついでに、もひとつ。ダニエル・デイ・ルイスが2008年のアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品。20世紀初頭のカリフォルニアで石油を掘り当て、巨額の富を得た男の成功と破滅の物語。

石油屋の話ですが、石油は欲や毒、あるいは血の象徴でもあり、「この下には石油の海が広がってるんだ」なんて主人公が言うその海は、この人自身の底なしの欲そのものだったりして。

心の底では人とのつながりを求めながらも、「自分以外は全て敵」という生き方しかできない強欲&エゴの権化のような男、その名もダニエル・プレーンビューの生き様を通して、アメリカの負の部分、ひいては人間の負の部分が描かれております。

ダニエル・デイ・ルイスがまぁ、同じ名前のダニエルさんを、いつもに増してド怪演。もう、声からして違いますもん。トーク番組で見た彼はいかにもa gentleman from LONDONって感じでしたが、この映画ではガツガツ、ギトギトとした声でいやらしさ全開。でもって、なんか笑えるんすよ。

主人公の対立軸として、イーライという、根っこはダニエルさんとつながってるようなエセ宗教家の若者が登場するんですが、特にこの二人の絡みが可笑しい!
どついたり、どつかれたりのシーンが再三でてくるのだけど、この間(ま)といったら……コント? まさにボケ突っ込みやないか! なシーンもあり、何度となく大笑いしてしまった。残酷なラストシーンですら、ほんのり滑稽風味。狂気と狂喜紙一重の演技&演出は、私らふつーの観客にとってある意味救いでもある。なんせ最後まで救いのない話ですから。笑いもなく2時間38分鑑賞し続けるのは正直辛いとこでした。

音楽がまた、逃げ出したくなるような不快な音で(^_^;)

でもこの音楽はすごいですよ。映画史に残るんじゃないでしょうか。レディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドが担当。特に、太鼓の原始的な音に電気音やらアコースティックな弦の不協和音が重なる曲は、怖いながらもその斬新さに度肝を抜かれます。

好きか嫌いかと言われれば好きな映画じゃないけど、映像・役者・音楽がハイクオリティで融合する名作でございました。

ところで、途中からダニエルさんにイッセー尾形さんがカブッて見えたのは私だけ? 日本でこういう話をつくるなら、主演はぜひイッセーさんでお願いしたいところです。

ペネロピ

2009-02-17 12:00:05 | 映画(DVD)

呪いは、自分の心がかけるもの。
(本編セリフより)

可愛い! 可笑しい! 切ない! んでもって、ちょっとハッピーになれる。
モンスターものなら任せろ! なクリスティーナ・リッチ主演。女子力全開の、現代のお伽噺。

一族にかけられた呪いにより、ブタの耳と鼻を持って生まれてきた名家ウィルハーン家の一人娘、ペネロピ。好奇の目を避け、母親はペネロピを家の中だけで育て、やがて娘が年頃になると次々に名家の子息とお見合いをさせます。なぜならば、同じ名家の出の者がペネロピに永遠の愛を誓うことが、呪いを解く唯一の方法だから。ところが男たちはペネロピの顔を見るなり逃げ出す始末。嫌気がさしたペネロピは、街中の名家の子息を一堂に集め、まとめて追い返してしまいます。これで望みは断たれたかと思われたそのとき、部屋に残る男が一人……。その人はマックス・カンピオン。ギャンブルで身を落とした没落名家のイケメン子息 (実は、スクープを狙う記者レモンが送り込んだスパイ) でありました。ベベンッベン!

これはつまり、イケメン王子の真実の愛でペネロピ姫の呪いが解ける『美女と野獣』逆転版……かと思いきや、イケメン王子が途中、画面からもお話からも消える感じ。どゆこと? こらー、イケメンを出せー。話が違うぞー……ってか、そもそもそういうお話の映画ではありませんでした。

ペネロピにとって辛いのは容姿の醜さではなく、運命に縛り付けられていること。いざとなったら、ブタの鼻を笑われても、ありのままの自分で生きていく強さはある。

一方、周囲の人々(父親を除く)は幻のようなものに支配され、現実とうまく向き合えない。特に母親は、ペネロピを心から愛してはいるけど、彼女を籠の鳥のように家に閉じこめたのも、娘を守りたかったのか、自分の自尊心を守りたかったのか。この母親と因縁のある記者レモンも、自尊心のためにペネロピに執着して生きてきた。呪いはむしろ、周囲の人にかけられたもののようにも思える。そういえば、この呪いの発端こそ、ウィルハーン家の“自尊心”に起因していたりして。
ペネロピが名家の“自尊心”の呪縛を自らの意思と勇気で解き、真の自尊心と幸せを手に入れるのがこの映画の本筋。そう思って見直すと、人物設定やそれぞれの枷、マックスに絡んだ伏線など、細部までなかなかよく練られております。

ペネロピはやがて家を出、街へ飛び出しますが、ここで出会う人々がそれまで彼女を取り巻いていた環境のアンチになっていて、名家VS大衆、格式VS自由の対比がいかにもUKっぽい。シニカルな笑いをちりばめたセリフがまた面白く、『ホームアローン』の絶叫ママことキャサリン・オハラ(母親役)をはじめ、芸達者な役者さんたちがコミカルな演技で笑わせてくれます。

ブタ鼻のクリスティーナ・リッチも、呪いが解けた後の方が物足りないくらい可愛いし、キャスティングはかなり利いてますね。

中でも私的最大の収穫は、マックス役のジェームズ・マカヴォイ!
こんないい男がこの世にいたなんて!! ぼよよーん(・o・)
美形でキュート、そのうえ何ですか、この色気は!!

でまた、女子のハートをわしづかみにする胸キュンシーンが満載。脚本家はもちろん女性です。
ペ:「何か演奏するでしょ?」
マ:「当ててみて」
なんてやりとりのあと、マックスがいろんな楽器を滅茶苦茶に演奏するシーンとか、冷静に考えたら少女趣味極まりない展開なのだが、このシーンのジェームズがまたカッコイイわけだ!

スコットランド出身。『ラスト・キング・オブ・スコットランド』『ナルニア国物語/第一章~ライオンと魔女~』『つぐない』『WANTED』などで、すでにイギリスだけでなく、アメリカでも有名なのね。
でもこの人、役柄によって全く別人に見える。中身がまるまる変わる、だから顔つき、印象も変わるって感じ。美形の上に実力派。なんてこと!!
メリル・ストリープとのマッチアップとか、バンパイアの役とか、オードリー・ヘップバーンが演じた『暗くなるまで待って』男版とか、いろんな役で見てみたい。久しぶりに、作り手のモチベーションを上げる若手俳優じゃあないかね? って思うのは私だけかね?

そういやマックスは落ちぶれミュージシャンでもあるのだけど、まさにそんな雰囲気を醸し出していますよ。最初、本物のミュージシャンかと思ったもん。
ちょっと目が離せませんことよ。

そして毎日、U-tubeに張り付く私。ゲロゲロゲロ~


原題違うじゃん!

2009-02-07 15:41:41 | 映画(DVD)

え、そうなの?

『フィクサー』の原題ってさ、
“MICHAEL CLAYTON”って言うんだってさ。
ジョージ・クルーニー扮する主人公の名前。
ダラダラU-tube見てて気がついた。

「fix」で熱く語った私って何なのさ?

ま、MICHAEL CLAYTON=Fixerってことで。

忙しくてなかなか書けませんが、
映画はDVDで時々観てます。
2本準備中です。

“Penelope”is coming soon!