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氷月神示 他の暗号解読編 351

国之常立神より皆様へ

翠(=イブ=ミロク) の語りの続き
(対話部分など細部は、記録ノートよりも更に詳しく、思い出しました)

事は切迫していた
…私はこれ以上、バラモンの神官になるための勉強を続ける気にはなれなかったし、そうすると、父の仕事を継ぐこともできない
私は1人子だったから、父をたいそう落胆させるのはわかっていたが、仕方がない
一族には、他に神官になる者もいたので、絶えるわけではない
このままいると、例の女性との婚約話が進みそうだったが、神官になるつもりのない私には、彼女を幸せにできなかった
…また、後妻を迎えようとしている父の環境が激変する前に、私がこの家を出るのが、最良だと判断した
父がもし再婚してから私が家を出ると、継母と何か確執があったのではと噂になる
継母と互いによく知らない内に、私が家を離れた方がましだと思えた……

20才のある日、私は意を決して昼間に父の書斎を訪れた…
「なにか?」
父は机に向かって座り、右手を右下に伸ばして、何かの用事を終えたところだった
「あのう…実は折り入ってお話があるのですが……」
私はそう言うと、改まった態度で、父上、私は大変申し訳ないが、先年町でお釈迦様の説法を聞いて以来、その教えに強く惹かれ、どうしてもバラモンの神官になりたくない、出家してお釈迦様の弟子になりたいのだと言った
父は驚いて私をにらみ、ギッと歯を食い縛った
そして、「…思い直しなさい、お前はカッラージャ家の1人息子なのだから、」と言った
私は反論し、「…お釈迦様の教えの中に、宇宙の哲理を感じます、私は極めたいのです、」と言った
「…バラモンの神々に仕える気はないと?」
「はい」
父は私をじっと見つめ、
「思い直すまで自分の部屋から出るな、」
と言った
私はいったん引き下がった
試されているのだから、これも越えねばならない垣根なのだと思った
それから私は部屋にいて食事を拒み、水だけをとり、何日も居続けた (手洗い位は行きます、)
すると、1週間ほどでフラフラになった
倒れたので召し使い達が心配し、父も医者を呼ばざるを得なくなった
…寝かされて、意識を取り戻すと、そばに医者と、部屋の奥の隅に苦い顔の父が立っていた
私は黙って天井を向いたまま、自分の意志の強さを示した
しかし、これ以上食べずにいて皆を困らせるわけにも行かないので、養生食を食べるようにした…

私がすっかり治った頃、ある日父に呼ばれた
父は、自分の再婚話もあり、いつまでも私の進退を保留にしておくわけにはいかなかった
そこで、ある夜書斎に行くと、こう聞かれた
「あれからお前の考えはどうかね…」
「…はい、父上……やはり大変申し訳ないのですが、……考えた末、この家を出たいと思います」
私は今度は恐縮しつつ、答えた
前よりは冷静になっていて、若気の至りかもしれないが、それでも一筋の光明を感じていたから、貫き通す自信のようなものを、自分は感じていた
顔を上げた父の眼が、うるんでいるような気がした
「……それでは我が家の財産は、私の兄弟と、私が結婚する女性に与えよう…
お前の母親が生きていたら、嘆いただろうな、」
私は子供の頃に見た、母親の亡霊を思い出した
「…母上は、私に、しっかり勉強をして立派な人になるようにと、申し付けました…
勉強の方面は異なりますが、きっと立派な人間になってみせます、」
と言うと、
「その言葉、忘れるな、」
父は言った
「家を出ると言ったからには、必ず初志を貫け、」
「父上……」
私ははっとして、父の顔をまじまじと見た……父は、出家を許して下さるのか……
「その代わり、2度と戻って来るな……そして、カッラージャ家の名誉を汚すようなことを、決してするな、私の言いたいのは、それだけだ、」
そう言うと、父は背を向けて机に向かった…
心なしか、かすかにその肩が震えているようだった
私は、後ずさりしながら出口へと向かい、
「…では、身支度をして参ります…ご挨拶は後で」
と言うと、
「よい。…このままでな、」
「はい。…では、ご息災で、今まで、本当にどうもありがとうございました」
と深々と頭を下げると、父は横を振り向いて、「うむ」とだけ言った
…それが最後だった…父を見たのは、

後で (近年、) 神様からお聞きした所では、あの後父は再婚したものの、次第に元気を失っていったそうだった
…それには様々な理由があるそうなのだが、又別の機会にお話ししたいと思う…

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